「友達に会う」ときに使う英語はmeet?それともsee?どうやって使い分ければよいのでしょうか。書籍『英語じょうずになる事典』より紹介します。
英語上達のためには、間違いを気にしないことが重要。そう分かっていても、できれば間違えたくない!と思うことはありませんか?日本人にありがちな「英語の落とし穴」を知れば、あなたの英語はレベルアップし、より自然になるかもしれません。アルクの書籍『英語じょうずになる事典』より、落とし穴の例をご紹介します。
日本人に共通する英語の間違い
『英語じょうずになる事典』では、著者のデビッド・バーカーさんが日本人に英語を教えてきた中で繰り返し目にしてきた、「英語にしようとすると間違ってしまいがちな日本語の日常表現」をリストアップし、どうしたらその間違いを避けられるのかを解説しています。
この記事では、本書に出てくる典型的な間違い例文、間違ってしまう理由と対策、間違いやすいポイント、そしてそれを正しい英語、あるいは、より自然な英語に直した例文を紹介します。落とし穴はどこか考えながら読んでみてください。
下記の文の落とし穴はどこ?
君に会いたい!
△ I want to meet you!
ポイント
知っている人に「会いたい」ならmeetではなくseeを使うことが多い。
meetには「会って一緒に過ごす」の意味はない。
meet は「会う」という意味ですが、既に知っている人に「会いたい」「会えてうれしい」と言う場合は、seeを使う方が自然です。まだ会ったことがない人に「会ってみたい」「会えてうれしい」という場合はmeetです。
ただし、インターネットやメールで知り合ってオンライン上でしか交流がなかったような相手と会う場合は、「面と向かって会う」のは初めてなので、seeではなくmeetを使います。
Nice to meet you.
[初対面の人に]会えてうれしいです。
Nice to see you.
[会ったことがある人に]会えてうれしいです。
Your sister sounds very interesting. I want to meet her.
お姉さんは面白い人のようですね。会ってみたいな。
I’ve been really busy this week, but I want to see you this weekend.
今週はずっとすごく忙しかったけど、今週末はあなたに会いたいな。
日本語の「会う」は「時間と場所を決めて会う」と、その後「一緒に時間を過ごす」の両方をカバーします(例えば「週末は何をしたの?」と聞かれて「友達と会った」と言えます)が、英語のmeetが意味するのは主に前者です。
「〈人〉と会った」ことを英語で言うとき、I met〈人〉last night.と言うと「偶然に会った」、または「時間と場所を約束して待ち合わせをした」のどちらかのニュアンスになります。
例えば、
I met your sister in the supermarket yesterday.
昨日、君のお姉さんにスーパーで会ったよ。
なら「ばったり会った」ということで、
I met my teacher to talk about my grades.
成績について話し合うために先生に会った。
なら、「わざわざ時間と場所を決めて会った」ということです。
一方、単に「友達と会った」と言うなら、meetを使うより、I had dinner with my friend.( 友達と夕食を食べた)やI went shopping with my friend. (友達と買い物をした)のように、友達と会って一緒に何をしたか(どこに行ったか)を表現した方が自然な英語に聞こえます。
会った場所や時間を特定したいなら、
I met my friend in Shinjuku at seven, and then we went to karaoke.
新宿で友達と合流して、それからカラオケに行った。
のように言いましょう。
「これから〈人〉に会う」と未来の予定について言う場合にも同じことです。正式な打ち合わせをするのであればI’m meeting〈人〉.と言ってもいいのですが、普通に「友達と会う」なら、meetは(間違いではないとはいえ)あまり使わないと思います。
「友達と待ち合わせている」ならI’m meeting my friends after work. のように言えますが、これは合流することに重点を置いた発言になります。
というわけで、日本語の「友達と会う」を自然な英語で言いたいなら、「一緒にどこに行くか」や「何をするか」を表現した方がいいと思います。「友達と遊ぶ」なら、I’m going to hang out with my friends. という言い方もあります。
I’m going out for dinner with Tom.
トムと夕食を食べに行く。
I’m going bowling with my friends.
友達とボウリングに行く。
正しくはコレ!
君に会いたい!
○ I want to see you!
いかがでしたか?間違い自体は単純なようでも、英語の中・上級者でも気付きにくい英語と日本語の根本的な違いが隠れていることがあります。その違いを意識することが「英語じょうず」になるための第一歩です。
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。