英会話が苦手な人向け「英会話をうまく進めるためのコツ5」

「英会話が苦手」な方、英会話をうまく進められる「5つのコツ」があるのをご存じですか? 海外経験が豊富で、英語での商談を数多くまとめてきた、ビジネス英語のスペシャリスト児玉教仁さんに「英会話をうまく進める5つのコツ」を伺いました。会議やパーティーでも使えるこのコツを、ぜひ試してみてください!

会話相手の興味を引く努力をしてますか?

日本語ではおしゃべりなのに、英会話になると急に無口で無表情になってしまうことはありませんか? 英語で話す緊張と、「あれ? この文法で合ってるかな」という不安で、普段の自分が出せない人も多いですよね。

そこで、ビジネス英語のスペシャリスト、グローバルアストロラインズ株式会社の代表取締役社長児玉教仁さんに「英会話をうまくすすめるコツ」を伺いました。児玉さんは国際社会で活躍できる人材を育成するために同社を立ち上げ、現在は2日間の英語短期合宿イングリッシュブートキャンプを主宰しています。

児玉 教仁(こだま のりひと)
グローバルアストロラインズ株式会社代表取締役社長。ウィリアム・アンド・メアリー大学卒業後、1997年に三菱商事株式会社入社。鉄鋼製品部門にて多数の国際プロジェクトを手掛ける。2004年ハーバード大学経営大学院入学、2006年にMBAを取得。三菱商事帰任後は日米に拠点を持つIT子会社を立ち上げCEOに従事。2011年に三菱商事を退社し、グローバルアストロラインズ株式会社を立ち上げる。著書に『“カタチ"から入るビジネス英会話』(ダイヤモンド社)など。

児玉:英会話レッスンではなく、仕事で英語を使って話す場合に忘れてはいけないことのひとつは「みんな忙しい」ということです。 ハーバード大学の2人の心理学者の研究 で、 人間は生活時間のうち46.7%、今やっていることとは別のことを考えている という、興味深い結果が出ています。ということは、相手はあなたと話している間も、次の予定や夕食のことなど、他の事を考えているかもしれないのです。

相手の興味関心を引いて、英会話をうまく進めるためには、それなりの努力が必要です。それを怠ると、 会話がうまく進まないのはもちろん、誤解を生んでしまうかもしれません 。今回紹介する英会話をうまく進める5つのコツを実践して、英語を使ったコミュニケーションを楽しんでください。

まずは基本のアイコンタクト

真摯なアイコンタクトは注意を引くのに強力な手段です。目をじっと見つめられながら話をされると、他のことはなかなか考えられないですよね。同じように、 相手の目をじっと見つめて話すことで、相手はあなたの話に集中するはず ですよ。

また、欧米の文化では、 相手の目を見て話さないと「誠実じゃない」「嘘をついている」「関心がない」と思われてしまうことがあります 。話すときは、まるで自分の目からレーザービームが出ているかのような気持ちになって、 相手の目に当てるかのようにアツく見てみましょう 。きっと相手はあなたから目をそらすことができないはずです。

どうしても相手の目を直接見るのが難しい場合は、眉間か鼻を見るようにすると、同じ効果があります。まずはそこから始めるのもよいかと思います。

体全体を使ってラウドボイス!

忙しい相手から大切な時間を切り取り、自分との会話に興味を持ってもらうために 最も有効な武器の1つが大きな声 です。多くの人が英語となるとボソボソ、ゴニョゴニョと声がだんだん小さくなっていきます。緊張する気持ちは分かりますが、声が小さくなればなるほど 「重要じゃないことを話している」と思われてしまう のです。

そして、次第にあなたの話に興味が薄れていき、最終的には 聞いてはいるけど、心は別のところに ・・・となってしまいます。そうなると話の内容は伝わりにくいので、会話は続かないですよね。そんな経験ばかりを繰り返していると、英会話に対するさらなる苦手意識が植え付けられてしまいます。

そこで大切なのが、有効な空気(息)の使い方です。日本語と英語を話す際に、大きく異なるのが空気の使い方。吸った空気が声帯を振動させて声になるので、とても重要なのです。ネイティブスピーカーは話すときにたくさんの空気を使っていると言われています。そうすることで はっきりと大きな声を出すことができます

以下の手順で挑戦してみましょう!

  1. 話す前に深く息を吸う
  2. 手のひらを上に向けて横に広げ、胸を開く
  3. 胸から声を出すような気持ちで、体全体を使って話す
おや、いつもより大きな声が出ていませんか?2は、例えば、厚切りジェイソンさんのWhy Japanese people? のジェスチャーをご想像ください。そのような手の使い方をすることで、おのずと 胸が開いてより多くの空気を吸うことができ、力強い声を出すことができます 。大きい声を出していると、 自然と自信も出てくるはず です。

ジェスチャーを忘れずに

身振り手振りをせずに、 腕を組んだまま話すことはありませんか ? それだと相手の注意は引けません。おすすめは外国映画の主人公になったつもりで、大げさかなと思うぐらい大きく身振り手振りをしながら話してみることです。

メラビアンの法則 というものがあります。おおまかに説明すると、人が情報伝達をするには

  1. 言語情報(言葉そのもの)
  2. 聴覚情報(声のトーンや大きさなど聞こえ方)
  3. 視覚情報(顔色やボディーランゲージ)
の3つの方法があり、感情を伝える際、この3つが異なる情報を送ったとき、
  1. 言語情報   7%
  2. 聴覚情報 38%
  3. 視覚情報 55%
の割合で情報が伝達されるというものです。

つまり 「何が見えるか」が、あなたの伝える情報の意味するところを大きく変える可能性がある のです。

視覚情報を思い切り活用することは豊かなコミュニケーションに大変有効なはずです。大きなジェスチャーを多用することで、話の魅力が増して、情報量も豊かになり、相手の注意も引くことができます。ぜひ恥ずかしがらずに使ってみてください。

ナイス・スマイル!

会話を進めるうえで表情はとても重要です。アイコンタクトをして、 大きく温かな笑顔を相手に向けることで、相手はあなたに好印象を持ち始める でしょう。

留学時代、クラスメートに「とても背が高いんだね」という感嘆を表現しようとしてYou are big! と言ってしまったことがあります。そのときは知らなかったのですが、big という単語の意味合いに「太っている」というものもあり、へたをしたら相手を傷つけてしまう可能性がありました。ただ、そのときは 笑顔で言ったおかげで、Thank you!と言われて事なきを得ました 。もし無表情で言っていたら、誤解を受けたかもしれません。

このように、笑顔は事故を未然に防ぎます。慣れない英語で異なる文化圏の人と話すとき、こちらが発信したことが、意図せずに相手を傷つけたり、不快にさせたりするかもしれません。しかし、常に満面の笑みで楽しげに会話を続ける限り「他意はない」ことを示せるのです。私たちにとって、最大の防御になるのも笑顔なのです。一瞬たりとも絶やしたくないですね。笑顔に自信がない方は、口角を上げるようにするだけでも相手の印象は変わりますよ。

あふれ出るパッションでまとめる

最後に。

People like to speak heart to heart.

人は、心と心で話す

私たちの英語は完璧ではないかもしれません。だからこそ、 「アイコンタクト」「ラウドボイス」「ジェスチャー」「ナイス・スマイル」の4つのポイントを総動員して相手に訴えていく のです。ありとあらゆるものを使って自分たちの思い、相手に対する興味、何か一緒につくり出していきたい気持ちを伝えていくーー それこそが、パッションのある話し方になり、相手を引き付けます

相手を引き付けることができれば、会話は終了するどころか、どんどん盛り上がり、英語でのコミュニケーションがとても楽しく、有益なものになります。これこそが、英会話のコツなのです。

今までお伝えした5つすべてを活用し、 誠実で熱意に満ちあふれた気持ちで話してみてください 。日本語で話すよりも、かなりエネルギーが必要だと感じるかもしれませんが、5つのコツを実践することで、英会話が苦手な自分から卒業できるのです。

動画で確認!英会話をうまく進めるコツ

この記事で紹介した方法は 動画 でもご覧いただけます。ぜひ確認して、英会話のコツをつかんでください。

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企画構成・文:Natsue Tanaka

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