英語の面接試験で「すべきこと」「してはいけないこと」8つ

写真右はレンフロ比佐子さん。左は元教え子で、現在大手外資系PR会社エデルマン・ジャパンで活躍中のショーン・マリンズさん。

就職や転職で英語面接を受ける方、必見!本番でしっかりと自己アピールできる方法があります。『CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル』の著者であり、神田外語学院グローバルコミュニケーション科を率いるスーパーバイザーのレンフロ比佐子さんに、英語面接を突破する方法を教えていただきます。

CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル
 
こんにちは。レンフロ比佐子です。英語面接では 「優秀な人よりも面接官に好かれた人」が採用される 傾向 があります。前回は、 英語面接で企業が雇いたくなる人の自己紹介 について紹介しました。今回は英語採用面接でのDo’s and Don’ts、つまり、すべきことと、してはいけないことについて、『CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル』のChapter 2 「面接での心がけ」をもとに解説します。

英語面接で「すべきこと」5つ

面接では「やる気では負けません!御社に入るためにこれだけ努力をしています!」という強い意志をアピールしましょう。

1.不本意な「学歴」でも説明しよう

英語で学歴を説明できるようにしておきましょう。学歴は過去のことです。中には後悔ばかりの学生時代を送った方もいるかもしれません。しかし、それでも、なぜその大学を選んだのかを伝える必要があります。

学部・学科の特徴、授業を受けた教授、大学と会社との関わり、学校を通じて築いた人的ネットワークなど、さまざまな視点から、「なぜ、その大学を選んだのか」を説明できるように練っておきましょう。

提案する つもりで説明しよう">2.「職歴」はビジネスプランを 提案する つもりで説明しよう

自分がしてきたことをきちんと説明して、自分の価値を理解してもらわなければなりません。例えば、以下のようなアピールが必要となります。自分の経歴を土台にしたビジネスプランを 提案する つもりで臨みましょう。 

I worked as a sales representative at ××× company. I have ××× skills which I am positive I can contribute to your company with . Furthermore , I was responsible for clients that are (do not state classified information such as company names) and my sales contribution was about ×××. Therefore , I could contribute to your sales as much.

私は〇〇会社で営業をしていました。私にはこのようなスキルがあり、これは御社でも生かされるでしょう。さらに私はこういうお客様を担当しており(機密情報の観点から 具体的な 企業名を明示してはいけません)私の売り上げ貢献はこれくらいでした。従いまして、御社に移ったら売り上げをこれくらい増やすことができます。

3.情報をまとめたメモを持参しよう

自分が送った履歴書、応募先企業の情報などの要点をまとめたメモを持参するようにしましょう。緊張で何かが思い出せない、ということもありえます。メモがあることで 安心 感にもつながります。そうすることで、あなたが きちんと準備をして面接に臨んでいること、情報を 整理する 能力がある印象を与えることができます

4.必ず1つは質問を考えておこう

面接の最後に、Do you have any questions? / Is there anything you’d like to add to the discussion ? などと聞かれます。間違っても No とは答えないようにしましょう。あなたの 経験、スキル、意欲をアピールするチャンス です。質問は面接の中で生まれたものでもいいですし、 事前に 用意して臨むのもいいでしょう。

5.お礼で締めくくろう

面接を終える前に、面接の機会を作ってくれたことにお礼を言いましょう。海外では Thank you . とだけ言って部屋を去りますが、ここは私たち日本人の細かい心遣いをアピールしたいところ。しかも普段は口数が多くない日本人が、以下のように言って部屋を去ったらどうでしょう?私が面接官なら感心すると思います。

Ms. Smith. I’d like to thank you again for the opportunity today. It was a pleasure meeting you. Our discussion made me more positive that I could contribute to your company, and that is what I want. I really look forward to hearing from you.

スミスさん、今日はこのような機会をいただき、 改めて ありがとうございました。お会いできて良かったです。お話させていただき、私は御社に貢献できるという考えと、そうしたいという気持ちがさらに強くなりました。ご連絡をお待ちしています。

※説明は、『CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル』(p.28、p.33)の記述を基にまとめたものです。

英語面接で「してはいけないこと」3つ

1.悪口や不平不満、秘密の漏えいはタブー!

転職の場合、 前職や現職に関する悪口や不平不満は厳禁 です。面接官の立場で考えてみれば、そんなことを聞いても少しも愉快ではないことが分かりますね。また、前職や現職に関する機密を話すのもタブーです。そういうことを簡単に話す人なのだなと見られてしまいます。外資系企業でも日本企業 と同様に 、信頼関係は重要です。

2.「キャリアアップ」は禁句

「キャリアアップ」という言葉は面接では使わない ことをお勧めします。理由は、「キャリアアップ」にはさまざまな定義があり、単純には説明できないからです。現職でさらに職責の重いポジションを目指すこともキャリアアップです。採用側は「給料を払って、あなたのキャリアアップを助ける」という考えはないと考えた方がいいでしょう。

3.給料、有給休暇、退職金制度の質問はNG

西欧会社は何でもストレートに行くものだと勘違いして行き過ぎてしまう人がいますが、 社会常識、礼儀や品格というのは世界共通 です。最終的には採用が決まる前に給与・福利厚生の内示はありますが、順番をわきまえて話すように心がけましょう。

※説明は、『CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル』(p.20、pp.33-34)の記述を基にまとめたものです。

面接で使ってはいけない英語

友達と話すようなフランクな英語を採用面接で使うことは感心できません。仮に外国人の方が日本企業の日本語面接を受け、あなたが面接官だったとしましょう。この面接者は日本語がとても上手なのですが、「は?」「まじで?」など、友達と話しているようなフレーズが気になります。あなたはこの人に好印象を持つでしょうか。

英語には自信があるという方こそ、慎重に準備する必要があるかもしれません。面接で使ってはいけない英語には次のようなものがあります。 

印象は良くありません           好印象です    
What?(え?)→ Excuse me? / Pardon me?(何とおっしゃいましたか?)
Yeah.(うん)→ Yes. / That’s right .(はい/その通りです)
OK.(いいよ)→ Certainly. / All right .(もちろんです/かしこまりました)
I guess.(たぶんね)→ I believe. / I think.(そのように考えております)
Thanks.(ありがとね)Thank you .(ありがとうございます)
gonna(つもり)→ going to (予定です)
wanna(やりたい)→ want to (したいです)
Really? の連発も避けた方がよいでしょう。無意識のうちに Really? Really? Really? と連呼してはいないでしょうか。Is that so ? / Do you? / That’s interesting など、あいづちにも工夫が見られると、相手に「きちんと聞いてくれている」という印象を与えることができます。

※説明は、『CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル』(p.35)の記述を基にまとめたものです。

いかがでしたか。 「ネイティブライクな発音や流暢さ=英語力」だと思われることが多いのですが、実は世界を舞台に活躍する日本人たちの英語は決してネイティブライクでもないし、スピーディーでもありません。 流暢さよりも知性をアピール してください。

レンフロ比佐子さんの本

多くの学生たちを新卒で外資系企業に送り出してきた経験と、学科のカリキュラムに入れているEnglish Interview(英語面接対策)の実績を基に執筆したのが、『英語面接完全マニュアル』。臨場感あふれる英語面接時の英語のやりとりと、暗記では通用しない英語コミュニケーションの極意、日本人らしさを武器にする戦略など、外資系企業を目指す人にはありがたい情報が詰まった1冊です。

CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル
 

レンフロ比佐子(レンフロ ひさこ)
日本基督教短期大学、アメリカの Joe Blasco Make Up Center 卒業。ハリウッドで特殊メイクに携わる。帰国後、通訳・翻訳者を経て、神田外語学院の少数精鋭として知られる グローバルコミュニケーション科 のスーパーバイザーとして勤務。 全国学生英語プレゼンテーションコンテスト でベスト10入りの学生たちを育てた実績がある。

編集:増尾美恵子

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