新連載「英語は出だしが肝心!場面ごとの鉄板言い出しフレーズ」では、デイビッド・セインさんが話し始めをスムーズにする鉄板フレーズを紹介します。第1回は、初対面の人との会話をスムーズに始められる簡単な英語表現です。「英語で第一声を発するのが怖い」「伝わらなかったらどうしよう」という悩みを解決してくれるでしょう。
目次
必要なのは出だしの一歩
私はこれまで40年以上、日本で英語を教えてきました。生徒さんはとても熱心で、本気で英会話の上達を願って努力している方ばかりです。教えている中で、いつもすごくもったいないなあと思っていることがあります。それは、みんな「英語を話す」ことを怖がりすぎて自信がないことです。
でも、覚えておいてほしいのは、英語はあくまでもコミュニケーションツール。使わないことには上達していかないんです。例えば、車の運転は本で習っただけでは上手になることはありませんが、どんなに下手でもまず路上に出て運転していけば、徐々にうまくなっていく。それと全く同じなんです。とにかく、第一声を発することが大切です!
出だしの鉄板フレーズから覚えていこう!
英会話上級者のみんなが難しい単語を使っているのかというとそうでもありませんし、ネイティブだって日常会話では、皆さんが中学校で習う簡単な英語を使って話しています。なので「完璧な英語を話さなくちゃ」と気負うことなく、まずは簡単なフレーズから使っていけばいいのです。
そうは言っても「何から話したらいいかきっかけがつかめない」、「発言しても伝わらなかったらどうしよう・・・」などと不安になってしまいますよね?今回は、そんなちょっと自信がない人の背中を押せるような本が出せたらいいなと思い、『10年ぶりの英語なのに話せた!あてはめて使うだけ英語の超万能フレーズ78』(アスコム)を出版しました。
この本では、場面ごとにおすすめの出だしのフレーズを紹介しています。実は、伝わるかどうかは言い出しがとっても大事なんです。
例えば、「I’m glad to ~.」と言われたら、とっさに「喜んでくれているな」ということが伝わるので、その後にどんな事柄が続くのか相手も予想できます。こういったフレーズを頭に入れておけば、自信を持って発言することができますし、誤解されて伝わってしまうことも少なくなるはずです。
今回は本書の中から幾つかフレーズをピックアップして、使い方やそのフレーズへの返答例なども合わせてご紹介していきたいと思います。
少しずつ、こういった鉄板フレーズのストックを増やすことで、実際の会話でパッと取り出して使うことができて、いつの間にか、心配することなく堂々と会話ができるようになるはずです。
まず、第1回目は「初対面で使える出だしの鉄板フレーズ」をご紹介していきます。
Nice to meet you.で、会えた喜びを表す
Nice to ~はIt’s nice to ~を省略したフレーズで、「〜でうれしいです」という意味になります。自分のうれしい気持ちを相手に伝えることができます。初対面では第一印象がとても大切なので、相手に「あなたに会えて嬉しい」というポジティブな気持ちを伝えましょう。
例)
Nice to meet you.
(お会いできてうれしいです)回答例)
Nice to meet you, too.
(こちらこそお会いできてうれしいです)
Nice to meet you.は初対面に会ったときに「はじめまして」というニュアンスで使う鉄板のあいさつフレーズになります。このあいさつへの返答はシンプルに、Nice to meet you too.と返すことが多いです。
また別れ際には、下のように言って別れたりします。
It was nice meeting you.
(会えてよかったです)
How are you doing?で、相手を気遣う
Nice to meet you.と同じくらい初対面でよく使われるのが、How are you doing?というあいさつ。「いかがお過ごしですか?」という意味ですが、「こんにちは」「どうも」のようなニュアンスで使われます。
例)
How are you doing?
(いかがお過ごしですか?)回答例)
I’m good. / I’m fine.(調子いいよ)
Not that bad.(悪くないよ)
Pretty good.(とてもいいよ)
また、How are you doing?は初対面に限らず、久々の再会でも「どうしていましたか?」のようなニュアンスでも使います。さらに「お母さま、どうされていますか?」と第三者を気遣うときには、How is your mother?のように使います。相手や相手の周りの人を気遣うときに活躍するフレーズです。
Why don’t you ~?で、相手に気軽な提案をする
Why don’t you ~ ?は直訳では「どうして〜しないの?」ですが、「〜したらどうですか?」「~しませんか?」と相手に軽い提案をしたいときにおすすめです。Why don’t youの後に相手への提案を続けます。
例)
Why don’t you join us for lunch?
(私たちとお昼をご一緒しませんか?)回答例)
I’d love to!(ええ、ぜひ!)
Sounds good.(いいですね)
Maybe next time. (またの機会にします)
また、Why don’t we ~ ?にすると「〜しない?」とちょっとしたお誘いの表現にもなります。相手にプレッシャーを与えないカジュアルな言い方になります。このように、初対面では、相手が断りづらい言い方をしないで、気軽に返事できるフレーズを使えるといいですね。
ロールプレイで使い方を確認!
最後に、これまでに紹介した鉄板フレーズを使った会話例をご紹介します。会話の中での使われ方を見て、どう使ったらいいかなど、フレーズのニュアンスをつかみましょう。
A: Hi, How are you doing? (調子はどう?)
B: Great. How about you? (とてもいいです。あなたは?)
A: Pretty good. I’m Hanna. (いいですよ。ハンナと言います)
B: I’m Jackson. Call me Jack. (ジャクソンです。ジャックと呼んでください)
A: Nice to meet you. (はじめまして)
B: Nice to meet you too. (はじめまして)
A: I’m a friend of the bride, Rachel. (私は花嫁のレイチェルの友達なの)
B: Really? I’m Rachel’s cousin. (本当?僕は彼女のいとこなんだ)
A: Wow. I might have heard your name from her. (あぁ、彼女から名前聞いたことあるかもしれない)
B: I’m going for a drink with my friend. Why don’t you join us? (友達と飲みにいくんだけど、一緒にどう?)
A: Sounds great!(いいわね!)
ちょっとしたやりとりですが、簡単な英文で話されているのが分かりますね。こちらからも積極的に話し掛けることで、相手との距離もグッと近くなります。
自分の中での鉄板フレーズを少しずつ増やしていって、とにかく自信を持って会話を楽しんでください!会話を楽しむことができれば、英語力は後から付いてくるはずです!
次回は、「お願いするときの鉄板出だしフレーズ」をご紹介します。
See you then!
3ステップで鉄板フレーズを習得できる
デイビッド・セインさんの新刊『10年ぶりの英語なのに話せた!あてはめて使うだけ英語の超万能フレーズ78』では、①フレーズを覚える ②ドリルで練習 ③ロールプレイで実践 の3ステップで、スムーズに会話を始められる英語表現を習得できます。「初対面での会話」「お願いする」「ものを尋ねる」などの場面ごとに、ニュアンスの違いも含めてしっかり解説します。
デイビッド・セインさんのその他の連載
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。