問題解決のフレームワーク”Why"はタブー英語?相手を問い詰めていると誤解を与えてしまう残念なビジネス英語

海外ビジネスで百戦錬磨の岡田兵吾さんが、25年の経験から学んだというビジネス英語の「気配り」についてご紹介します。今回は、相手を問い詰めているような誤解を与えてしまう「残念な英語フレーズ」について紹介します。

新しいChatGPTの衝撃

日本時間の3月15日午前2時頃、米OpenAIはAI言語モデルの最新製品「GPT-4」を発表しました。新たに発表された「GPT-4」は、従来の8倍となる2万5000語の文章が扱えるようになり、特に数学や化学といった専門的分野では、人間と同等レベルのパフォーマンスを発揮するそうです。

実際、アメリカの司法試験の模擬テストを受けさせたところ、上位10%程度の成績で合格。今までのバージョン「GPT-3.5」では、下位10%で不合格だったことを踏まえると、段違いの成長といえます。

主な機能は、文章要約、シナリオ作成、コード作成、画像解析ですが、注目したいのは、課題・問題解決、推論までできるようになったことです。ついに、私たちの日々の生活や仕事を支える万能ロボットが登場する未来がやってきたといっても、過言ではないかもしれません。

AIとの共存が間近に迫る未来

マイクロソフトは、日本時間の3月17日、「The Future of Work: Reinventing Productivity with AI」というイベントで、オフィスアプリ「Microsoft 365」にGPT-4を採用した新機能「Microsoft 365 Copilot」を発表しました。

チャットで指示することで、パワーポイントやワードの資料を自動作成することができる機能です。過去の資料や写真などを使い、仕事からプライベートまでニーズに合ったスライドを作成することが可能です。

この詳細機能は、GIZMODO JAPAN記事「 ワードやエクセルでGPT-4体験。Microsoft 365 Copilotはこんなことができる」 を参考にしてください。

英語を勉強する醍醐味の一つは、自分自身でダイレクトに世界のトレンドを知ることができることにあります。英語学習者の皆様には是非、「ChatGPT」「GPT-4」「Copilot」などの関連記事や動画を英語で検索して、The Future of Work(未来の働き方)を自分なりに考えてみていただきたいと。

AIとの共存に向けて必要な「武器となるグローバル力」

AI時代は、AI翻訳&デバイスによって、単純な英語の同時通訳アシスタントがつくだけではありません。私たちが今まで自ら作ったり、専門家に依頼したりしていた英作文やプレゼン資料を、自分の思考に応じてAIが簡単に自動作成してくれるのです。

これまでは英語のコンテンツ作成や翻訳に時間と労力を費やしてきましたが、これからはAIが作成したコンテンツを活用してビジネスを推進することの方に注力するようになります。つまり、今まで以上に、AIが取って代わることができない仕事の1つ=「人間同士のコミュニケーション力」が求められるのです。

一般的にスキルというと、ハードスキルとソフトスキルの2種類がありますが、日本人が軽んじがちな、ソフトスキルこそ磨くべきだと私は考えています。ハードスキルは、スキル自体がAIなどのデジタル技術によってコモディティ化されていってしまうので、AIとの共存の今を生き残るにはソフトスキルが必要になると私は思います。

私が勤めているマイクロソフトでも、ハードスキルは入社時には確認されますが、入社後は、新しいビジネスを考えられる構想力、人を動かすリーダーシップ、マネジメント力、自分の力と実績を見せるアピール力、変化し成長続けるキャリア構築力といった、ソフトスキルが必要となります。

私は、混迷する今の時代を生き延びるサバイバル仕事術のスキルとして、ある仕事から別の仕事へ応用可能であり、成果を最大化させる、主にソフトスキルを、拙書『 武器となるグローバル力 』で紹介してきました。

ビジネス英語に関しては、拙書『 残念なビジネス英語 』にてそのノウハウを惜しみなく紹介しています。

意外に感じる人もいるかもしれませんが、ビジネス英語では、相手を気遣う言い回しや丁寧な言葉遣いが常に求められます。英語の発音や文法に比べると後回しにしてしまう人も多いですが、相手に失礼のない、非ネイティブとして許容される丁寧な英語をいかに話せるかが、とても大事なことなのです。

AI時代、かつコロナ禍でリモート化が加速し顔合わせのコミュニケーションが激変した今だからこそ、「信頼」と「尊敬」を育む英語コミュニケーションが必要となるのです。つまり、「受験英語」を「伝わる英語」、「(相手を)巻き込む英語」、「(相手を)動かす英語」に、ビジネス英語としては変えていくことこそが急務です。

「相手を問い詰める」ニュアンスを与える「残念な英語フレーズ」

日本人が外国人の部下に対して、“Why? Why?”とwhyを連発しながら仕事をしていて、外国人がすごく嫌そうな顔をしているのを見掛けたことがあります。

理由を尋ねる=Why?」だと学校で習ったからかもしれませんが、日本人は他の外国人と比べてもwhyをよく使っているように感じます。

ビジネスの思考メソッドの一つとして、ある課題に対してWhy? を繰り返すことで問題を掘り下げ、根本原因を突き詰めていくという思考法があり、コンサル会社もよく使う手法ではあります。確かにこうした面では、whyで考えること自体間違いではありません。

しかしながら、人に対して使うと、相手を問い詰めるような聞き方になります。

せっかくビジネス現場で、外国人スタッフが勇気を出して意見した内容に対してWhy?と返してしまうと、外国人達は「責められてる? やっぱり言わなきゃよかったかな」と畏縮してしまうのです。

遅刻した人に対して、Why did you come late?(なぜ遅れてきたのですか?)、Why did it happen?(なぜそうなったのですか?)などとwhyを繰り返していると、かなり直接的できつい言い方に聞こえるので、避けた方が賢明です。下手をするとモラハラにもなりかねません。

日本人は勤勉で真面目な人種で相手に優しく見られるはずだと思っている方は多いと思います。しかし日本人は、感情を出したコミュニケーションが苦手であり、特に私のような年配の日本人男性は、外国人には思っている以上に怒ったような怖いイメージを与える可能性が高いのです。そのことを知ったうえで、ぜひ今までのコミュニケーションを見直してみてください。

それを踏まえて、私はwhyの代替表現として、whatやhowを使った言い方をおすすめします。

例えば、Why do you think that? であれば、What makes you think that? とすると、「何があなたをそのように考えさせるのですか?」となり、間接的な言い方になります。これなら、相手に圧をかけずに尋ねることができますね。

また、Why did you come late? であれば、How come you came late? のように言い換えが可能です。How comeは「なぜ」の意味があり、後ろには疑問文の形でなく普通の文が続きます。

マネジャーとして私が日頃から意識しているのは、気軽に相談しやすい環境づくりです。その方が、問題が発覚したときにも部下が声を上げやすく、迅速に対応ができるためです。

たとえわずかな時間でも、ビジネスではロスタイム。タイミングを逃すと選択肢は減り、大きな機会損失になります。きつい言い方をして周囲が声を上げづらい状況をつくってしまうと、周りが安心して働けず、信頼関係も築けません。

「心理的安全性」という言葉をよく聞くようになり久しいですが、働く上で安心感を持つことは、とても大切だと思っています。そのためにも、日々助け合いの心を持ち、相手にネガティブなイメージを与えない、win-win のコミュニケーションを心掛けましょう。

部下や同僚のやる気をアップさせたいときに使えるフレーズ

I couldn’t have done it without you.
あなたがいなければ成し遂げられませんでした。

I’m counting on you.
頼りにしています。

I’m proud of you.
あなたを誇りに思います。

I couldn’t have done it without you. のwithoutの後ろは、your help(助力)、your sincere support(誠実なサポート)、your great cooperation(多大なる協力)などと応用できます。Iを主語にしてもよいですが、We couldn’t have done it without you. のようにWeを主語にして言うと、よりチームの結束力が高まります。

I’m counting on you. は、相手への期待を表すフレーズです。You can count on me! と言うと「任せてください!」という意味になり、上司に対しても使えます。

I’m proud of you.を「あなたを誇りに思います」と訳すと、少し大げさに感じるかもしれませんが、英語では日本語よりもカジュアルに使われるフレーズで、同僚や部下、上司にも使えます。相手の苦労や努力に尊敬の念を払い、成功を一緒に喜ぶとき、「自分のことのようにうれしく思う」という意味で使える言葉です。似た表現のI’m honored to work with you.(あなたと一緒に働けて光栄です)もよく使われます。

英語も日本語も同じで、ちょっとした言葉遣いの違いで相手への印象が大きく変わります。AIで英語での働き方が大きく変わる今だからこそ、相手に誤解を与えるリスクが高い「残念なビジネス英語」を理解して、外国人達とのコミュニケーションを大いに楽しむことが大切です。

グローバル化が加速する中、AIで大きく変わる未来の働き方を取り入れながら、英語を使って仕事を進めていくことは、今後ますます増加してくるはずです。職種や職場、働く国が変わっても使える「武器となるグローバル力」をぜひ皆様には身に付けてほしいと願っています。

日本は国内総生産(GDP)世界No. 3の超大国です。世界を見渡しても、日本そして日本の経済の存在感は大きなものがあります。英語で仕事をこなすには、世界の潮流を知って、グローバル仕事術を学ぶことが必要です。日本人はもっと世界を舞台に活躍できると信じています。

皆様がAI&ニューノーマル時代の新しいグローバルビジネスを楽しんで、国内外で益々活躍されること願っています。

STAY GOLD!

岡田 兵吾さんのオンラインコミュニティー

2023年3月より、日本を代表する戦略コンサルタント 大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー(BBT)大学、オープンカレッジ主催「 ビジネスアウトプットGYM」にて毎月講座がスタートします。

日本人はソフトスキル=「武器となるグローバル力」を自己流で学ぶ方が多く、対して外国人プロフェッショナルは、ロジックに沿った手法をプロに学び的確にビジネスの現場で活用させます。これらを知らないのはもったいない!とのことから、月一1時間の定期ライブ講座がスタートする運びとなりました。講義を行いながら、皆様からの質問にもどんどん答えてしまう、活気溢れる気さくな会です。ぜひご参加ください。

岡田 兵吾さんのグローバル人材支援講座

BBT PEGL
「聴衆を巻き込むプレゼンテーション革命」開発監修。
https://pegl.ohmae.ac.jp/course/course-116/

「高速グローバルタレント講座」「武器となるグローバル力」
https://pegl.ohmae.ac.jp/course/course-1175/

※BBT PEGLとは、BBTが提供する事業のひとつの実践ビジネス英語講座(PEGL)。

ビジネスコンテンツメディアPIVOT【日本人がアジアでキャリアを築く極意】
https://www.youtube.com/watch?v=o3OvkrqBI_c&t=1568s

ビジネスコンテンツメディアPIVOT【純ジャパからグローバルエリートへ】
https://www.youtube.com/watch?v=kZu3JdlrkRA&t=154s

ビジネスコンテンツメディアPIVOT【英語学習2023】(前編) 英語コーチング会社プログリット岡田社長との対談
https://www.youtube.com/watch?v=p4ENWK8NsgA&t=898s

ビジネスコンテンツメディアPIVOT【英語学習2023】(後編) 英語コーチング会社プログリット岡田社長との対談
https://www.youtube.com/watch?v=uwF9UUcWFn4&t=810s

岡田 兵吾さんの著作

岡田兵吾
岡田兵吾

Microsoft アジア太平洋地区本部長(リーダーシップチーム メンバー)/ 情報経営イノベーション専門職大学(iU)超客員教授/ オンラインサロン兵吾村塾主宰/ NewsPicks NewSchool講師/ BBTオンライン英会話監修/ ビジネス書著者/ シンガポールドラッカー学会元理事/ エグゼクティブMBA

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