ターニングポイントには語学が関係!? 気象予報士からプロレスキャスター、スペイン語本の著者に【元井美貴さんインタビュー】前編

メキシコのプロレス「ルチャ・リブレ」をきっかけにスペイン語の学習を始め、11月には『超初級から話せる スペイン語声出しレッスン』を出版された元井美貴さん。大学在学中にお天気キャスターとしてデビューされ、近年は日本、アメリカ、メキシコのプロレス中継の解説でも活躍されています。書籍の刊行を記念して、元井さんにこれまでの半生、語学との関わりについてお話を伺いました。

極度の人見知りもアラスカで転機

―幼少期はどういった子供でしたか?

引っ込み思案で初めての人と話ができず、両親にもすごく心配されていました。小学校3年生の時に引っ越しをして転校生という立場になったとき、急に注目を浴びることにびっくりしてしまって。「あの転校生、話もしないし、笑いもしない。あいつは何だ?」と他のクラスの人が見に来るくらいの存在になっていました。

そんな私の人見知りを直す修行として両親に連れて行かれたのが回転寿司でした(笑)

父に「、回っているお寿司は全部ワサビが入っているんだぞ。サビ抜きが欲しければ板前さんに自分で伝えなさい」と言われて、覚悟を決めて注文した記憶があります。

―MCとしてもご活躍されている今の姿からは想像もつかないです。人見知りを克服されたきっかけはありましたか?

小学生の時に連れて行ってもらったアメリカのアラスカ州への旅行です。トナカイの飼い主さんとどうしても話がしたいと思って、覚えたての英語を使って話しかけたら英語で答えてくれて。そこで「英語を使うと世界中の人と話せるんだ!」って喜びを感じて、道行く人、道行く人に私が英語で話しかけまくっていたみたいです(笑) それを見た父が「この子は英語を使ったら活発になれるかもしれない」と色々調べてくれて。それから中学受験の勉強を始めて、英米文学科があって第一志望だった青山学院中等部へ入学しました。

アラスカでの貴重な一枚。子供のころの写真は無表情のものが多いそうです。

英語で挫折も気象予報士に

―見事、青山学院大学英米文学科に進学されましたね。

ただ、そこで初めて帰国子女の方々に出会って挫折したんです。「この方々と英語力だけで張り合うことはできない。何か自分にしかないものを見つけなくてはいけない」と感じて大学1年生から図書室の就職活動コーナーを見ていました。そこで気象予報士の資格があるのを知って「この資格を取ったら道が開けるんじゃないか、これだ!」ってすごく運命的に感じて。そこから猛勉強して、2回目のチャレンジで合格することができました。

その後、大学生の気象予報士を集めた試験的なコーナーを作るというタイミングの良い話がありBS-i「キャンパスウェザー」で大学生お天気キャスターとしてデビューしました。大学卒業後には少しずつお天気の仕事が増えてきて、TBS「ニュースバード」を始め、早朝、お昼、夕方、夜、あらゆる時間の天気予報を担当させていただきました。

通訳の仕事をきっかけにプロレスの仕事をスタート

―2010年にはプロレスキャスターとしてデビューされました。

幼稚園の頃、兄の影響でキン肉マンにハマって、そこからずっとプロレスファンでした。お天気キャスターの仕事をしながら周りの方に「プロレスの仕事がしたいんです!」という話をしていたら、プロレス専門チャンネルのTVプロデューサーの方を紹介していただいて。すぐにお仕事には繋がらなかったんですが、7年ぐらい経って「新日本プロレスのG1クライマックスの外国人選手の通訳をしませんか?」と声をかけていただいたんです。

―ここでも英語が関係するんですね!

当時通訳の経験はなかったんですが、「できます!」と即答しました(笑)迷惑はかけたくないけれど恥はいくらでもかいて良いので、とにかく片足でもプロレス業界に足を突っ込もうという気持ちでした。そこから凄い勉強しましたね。英会話教室に行って、今期の予算案は~みたいなビジネス英会話を教えてもらったものの、私が知りたいのはこれじゃないなと(笑) 教科書に出てこない、相手をののしる言葉をレスラーの皆さんは使うので、英語ができてプロレスに詳しい方に特訓していただいたり、色々な選手の方のコメントを聞いたり、プロレスならではの言葉を調べて挑みました。

―本番はいかがでしたか?

次の選手の入場曲がかかっている中で選手がコメントを出すので、集中して聞かないと聞こえなかったり、色々な出身国の選手の方が英語を話されたりするので難しかったですね。1人称を選手のキャラクターに合わせて「俺」って言った方がよいのか、「僕」って言った方がよいのかも試行錯誤でした。ただ何とか終えることができて、同じ年に「キャスターもしてみませんか?」とオファーをいただき、ありがたいことにそれから10年以上続けることができています。

ー現在は新日本プロレスの試合中継の解説でも活躍されていますね。元井さんが解説席にいらっしゃると選手の英語やスペイン語を訳してくれるから嬉しいという声も多いです。

選手の方のマイクを訳すのは、重大任務でめちゃくちゃ緊張します。これからもっと語学を磨いて、訳の精度を上げていきたいですね。

実況の村田晴郎さん、ゲスト解説の獣神サンダー・ライガーさんとの一枚。

ルチャ・リブレでスペイン語学習をスタート

―スペイン語についてはどのようなきっかけで学習をスタートされましたか?

新人プロレスキャスターの頃に、「FANTASTICA MANIA」というメキシコから選手が来る新しいツアーが始まり、控室で皆さんがすごく楽しそうにしているのに、私は一言もわからなくて一人でポツンとしていました。憧れの選手がいても、「あの試合すごく良かったです」と感想すら伝えられないもどかしさがあって、そこから勉強しようと思いましたね。当時プロレスのマスコミでスペイン語を話す方はあまりいなかったので、勉強して強みにできたらなという思いもありました。

現地メキシコに何度も足を運んで本場のルチャ・リブレを観戦。

スペイン語学習本で著者デビュー

―2022年11月には著書「超初級から話せる スペイン語声出しレッスン」を刊行されました。

本を出すことは昔からの夢だったのですが、『新日本プロレス英語入門』という本を見て、ルチャ・リブレでスペイン語を勉強する本の企画書を編集者さんに送ったことがきっかけでした。私がゼロからスペイン語を勉強する中で「こういう表現を使いたい」と思った例文を散りばめています。

―特にどんな方におすすめの書籍になりますか?

趣味を通してスペイン語に興味を持って、もう少し勉強したいなと思う方に読んでいただきたいです。好きな選手だったり、フラメンコのダンサーさんだったり、この人とコミュニケーション取れるようになりたいとか、何か目標を設定することで、より勉強も楽しくできるんじゃないかと思います。

今後、コロナが収まれば実際にコミュニケーション取れる場も増えてくると思うので、会話のきっかけとして使っていただけると嬉しいですね。話しかけて通じたという喜びが次の勉強のモチベーションに繋がったり、想定と違う答えが来た場合でも、もっとこれを知りたいとか課題がどんどん見つかったりするはずなので、最初の一歩目として、この『スペイン語 声出しレッスン』を手に取っていただけたらなと思っています。

『超初級から話せる スペイン語 声出しレッスン』の詳細については、元井さんのYouTubeチャンネル内の動画でも詳しくご紹介いただいています。

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部

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