誰も分からなかった、TOEICの項目別正答率の仕組みを解明した方法とは?【ここまで極めたTOEIC道 第2回】

『ENGLISH JOURNAL』2022年7月号の特集は「だからTOEIC(R)はやめられない!」。TOEICテストで満点を連発するカリスマ講師陣が、このテストの奥深さを語ります。本記事ではその中からヒロ前田さんの記事を紹介する第2回。2006年にTOEICに登場した「項目別正答率」解明へのチャレンジについてお話しいただきます。

前回の記事はこちら >> ここまで極めたTOEIC道 第1回

項目別正答率の仕組みをほぼ解明

第1回の続き>>

2006年に業界を揺るがす歴史的事件が起きました。出題形式の変更です。それに加え、スコアシートのフォーマットも変わりました。「項目別正答率」というグラフが掲載されるようになったのです。

ところが、そのグラフを正しく読み解けた人は皆無でした。なぜなら、どの設問がどの項目に合致するか公表されなかったからです。私はそれをビッグチャンスだと考え、項目別正答率の仕組みを解明することに全力を挙げました。そのために行ったのは「1問だけ正答する」という調査です。

例えば、リーディングセクションの項目の一つは「語彙が理解できる」です。この項目に合致する問題を突き止めるには、複数の問題を正答するより、1問だけ正答する方が効果的です。ですから、あるときは「前置詞の問題」だけを正答し、残り99問はマークしない。あるときは「接続詞の問題」を正答し、残り99問はマークしない。そのような調査を何年も続けました。

その結果、講師や著者が「よく分からない」と言って嘆いていた項目別正答率の仕組みを(ほぼ完璧に)解明しました。これにより可能となったのは、精度の高い個別アドバイスです。受講生のスコアシートを見れば、苦手分野や試験中の様子が目に浮かぶようになったので、講師として武器になりました。私はこの武器を講座や本を通して世に広めていきました。

余談ですが、2012年に出版した『TOEICRテスト 究極の模試600問』(アルク)は、項目別正答率を自分で算出できる初めての模試本で、23万部を超えるヒット作となりました。あれから10年がたちましたが、いまだに項目別正答率を出せるのは「ヒロ前田」の名前が入った本だけです。それくらい誰もまねできない(まねしたくない)ことを私は何年もやっていました。

47都道府県での受験制覇へ

次に私が目指し始めたのは「全国制覇」です。47都道府県でTOEICを受験すれば、唯一無二の存在になれると確信し、毎回異なる場所で受験するようになりました。いつスタートしたのか正確には覚えていませんが、手元の資料によると、2012年春の時点で14都道府県だったのが、2013年11月の秋田受験で24都道府県になっていました。そこが「折り返し地点」で、全国制覇を達成したのは2017年5月です。鳥取県が最後の地でした。

後半の23都道府県で受験するのに3年半もかかったのは見込み違いでした。月により公開テストの実施場所が極端に少なくなるため、6月と10月、そして12 月には「未受験の地」が見つからなくなっていたのです。従って、それらの月には、泣く泣く家の近所で受験していました。

約7年かけた全国制覇の達成直後に東京で祝賀会を開いていただいたのですが、多くの講師仲間、著者仲間、出版社の人たちに祝っていただけたのがとてもうれしかったです。

続きは7月号特集で!

7月号の特集は「だからTOEICRはやめられない!」。TOEICテストで満点を連発するカリスマ講師たちが、このテストについて語ります。

【特集】
かめばかむほど味が出る――TOEICテストのそんな魅力に取りつかれた指導者・執筆者たちが、このテストの奥深さを語ります。彼らがこれまでTOEIC道を進んできたその胸中を語るほか、指導者であるためにどんな研究をし、TOEICという「国」に何を見いだしたのか。TOEICパート別の特徴解説や満点奪取の方法まで、「TOEICにどっぷりはまっている方、「TOEICはもうかも?」なんて思っている方を、「TOEIC国」にいざないます。

  • 指導者たちが語る 私たちのTOEICライフ:大里秀介、加藤草平、小石裕子、テッド寺倉
  • ここまで極めたTOEIC道~テスト分析で見たもの、全部教えます~:ヒロ前田
  • TOEIC国の不思議「あるある」パート別解説:ヒロ前田
  • いざ、TOEIC満点奪取!~本気で990点を取りたいあなたへ~:濵﨑潤之輔

音声付き学習コンテンツも充実した7月号を、ぜひお楽しみください。

ヒロ前田さんのTOEIC本

Image by Karolina Grabowska from Pixabay

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