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便利な依頼表現「Can you〜」に意外な落とし穴?豪華客船クルーに学ぶ「丁寧な英語」

非ネイティブスピーカーには少し難しい「丁寧な英語」。日本では「英語はストレートな言語」「英語に敬語はない」といったステレオタイプもあり、英語の微妙なニュアンスは無視されてしまうこともしばしば。元豪華客船クルーのかおちんさんが、世界中の海で経験してきた実際のエピソードを交えて、「丁寧な英語」を解説します。

豪華客船で「丁寧な英語」を知る

みなさん初めまして、かおちんです。

私はコロナ前まで外資系の豪華客船クルーとして、英語を使った接客の仕事をして働いていました。皆さんは豪華客船で船旅に出かけたことはありますか?客船のなかは人種も宗教も異なる人々が世界中から集まる、多様性の社会です。そこでは日本の学校で習った英語とは違った、生きた英語に触れることができました。

この連載で扱っていく「丁寧な英語」もその一つです。

英語を使って仕事をしたり、海外に住む前まで、私は英語に対してひとつの誤解をしていました。

それは「英語には敬語がまったくない」という思い込みです。

この記事を読んでくださっている人の中にも、そう思っている方はいませんか?英語はフランクでダイレクトな言語で…と思う方は、少なくないと思います。実際に学校でそのように習った、という人もいるのではないでしょうか?

でも実はこの答え「NO」なんです。

この連載では、海外生活で私が実際に体験したエピソードを交えつつ「丁寧な英語」に関する気づきをシェアできればと思います。

英語には敬語がないって本当?

冒頭で「英語には敬語がまったくない」というのは思い込みだと言いましたが、これに対して「本当?」と言いたい人もいると思います。

それでは、あなたは会社の上司に話がある時、どのようにアプローチしますか?きっと「ねぇ、今暇?」と尋ねる人はいないのでしょう。「〇〇さん、今お時間よろしいでしょうか…?」こんな風に話しかけるのではないでしょうか。

英語でもこれは全く同じです。 相手に対する心理的な距離が、言葉に反映される。英語でも友達に話しかける時と上司に話しかける時とでは、次のように表現が異なります。

友達への声かけ:What's up?

上司への声かけ:Excuse me. Do you have a minute?

社内のメールでも「丁寧な英語」を感じたことがありました。それは2隻目の船に移籍した時です。同じ内容の文面ですが、会社の雰囲気によってこんな違いがみられました。

カジュアルな社内メールの例

Hello, Amanda. Do you know when we will have this activity on our next voyage?

Please let me know. Thank you.

丁寧な社内メールの例

Dear Amanda

Hello. I hope you’re doing well.

I would like to make sure when we will have this activity on our next voyage. Is it possible to let me know if you know the details?

Sincerely,

移籍先の船で最初に感じたのは「長くてまどろっこしい」という印象でした。日本の会社にも似たところがあるかもしれませんね。日常会話では出てこない遠回しな表現もあり、自分の勉強不足を感じた経験でした。

また「英語を話す国の人=皆んなフランクな人」という認識も危険です。海外ドラマなどを見ていると、日本とは違う文化や距離感に、そんな印象を抱く方も多いかと思います。しかし私の経験上、育ってきた環境が違えば使う英語も変わります。文化も言葉の選び方も、その国によって全然違ったりします。そこまで分かってくると、もっと英語に「深み」も生まれると感じています。

頼み事をする時のCan you〜?にご用心

英語でも「相手との距離感は重要」ということを踏まえて、注意が必要だなと思う表現があります。それが、Can you〜?です。この表現は日常会話でとても多く使われる表現で、とても便利な表現です。多分ひと通りのことはこの言い方でなんとかなると思います。(私はなんとかなってました笑)

ですが、気をつけなければならないのは、Can you〜?という表現がとてもカジュアルだということです。日本語で表現するなら「〜できる?」「〜してもらっていい?」というニュアンスなので、仲の良い友達や、気の知れた人には構いませんが、ビジネスや接客ではちょっと幼稚で、人との距離感がわかっていない印象を与えます。

そんな時のために、私はいくつか「丁寧な英語」の言いかえ表現をストックしています。今日はそれをみなさんとシェアしたいと思います。

・May I ask you to…?

長い表現が難しい…という人はMayを駆使するのもオススメ。私自身もCan I…?をMay I…?に変えただけで、グッと丁寧な言葉遣いになれました。

May I ask you to…はこの後に相手にお願いしたいことを続ければOK!まずはMay をマスターするのがおススメです!

・Would it be possible for you to…?

こちらは私のお気に入りのフレーズです。例えば、座席をひとつ隣へ動いてもらいたい時など、相手に何かしらの行動が可能かどうかを尋ねる表現です。とても丁寧なアプローチです。

・I’d like to ask you…

質問形式ばかりだと会話もワンパターンなので、違うパターンも用意しておきましょう。相手にも「何か聞かれるんだろうな」という時間が生まれるので、会話もスムーズに進みます。

ネイティブとは反対に、英語を話す方の中には私たちのように第二言語が英語の方も多くいます。そんな方にはCan you〜?は意外にスムーズに伝わる方法だったりします。 私はあまり英語が得意ではないなと感じたお客様には、Can you〜?に切り替えることがありました。丁寧な表現は長くてややこしい部分があるので、伝わらないことがあります。

もちろん最初のアプローチは丁寧な表現がいいと思います。しかし伝わらなければ、意味がないのです。時と場合で切り替えることも、英語でコミュニケーションを取る上では大切なことです。

最後に

英語は考え過ぎると喋れなくなる、と私は思います。なので「こんな表現もあるんだな」と頭の片隅に覚えていてもらえたら幸いです。英語で一番大切なのは「伝えたい気持ち」です。丁寧に伝えたい気持ちがあれば、少し言葉が間違っていてもきっと想いは届きます。私もいろんな場面でたくさんの優しい方々に助けていただきました。

次回も「丁寧な英語」について、皆さんとシェアしていきたいと思います!ではでは!

かおちん
かおちん

豪華客船クルー/フリーライター 大学在学中にカナダへ6ヶ月間留学。テーマパーク勤務を経験したのち渡米。米国にて文化交流大使として13ヶ月の任期を務める。米国で乗った豪華客船が忘れられず、帰国後は客船業界へ。英語は気持ちと笑顔!がモットー ブログ: かおちん |ごきげん×大好きな人生を|note

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