海外メディアが報じた日本に関するニュースから英語表現を学びましょう!今回は、世界で報じられた「日本のびっくり発明品」を取り上げます。
「15 seconds flat」ってどういう意味?
時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。
連載「世界で報じられた日本」、今回は世界を驚かす日本の発明を紹介した海外ニュースを題材に、覚えておきたい表現をチェックします。
最初は、徳島県の鉄道会社が運行する珍しい車両から。
まずはタイトルを見ていきましょう。記者の興奮が伝わります。
Reinventing the wheel! The amazing Japanese bus... that turns into a train in 15 seconds flat*1
車を再発明!15秒ぴったりで電車に変身する日本のびっくりバス
15秒ぴったりで早いことを表現するのに、flatという副詞を使っています。
また、「すばらしい、びっくり、すごい」を表すのにamazingはとても便利な形容詞です。覚えておきましょう。
これはどんなバスなのでしょうか?
This dual-mode vehicle, or 'DMV' for short, can transform from a road-going bus to a track-travelling train in just 15 seconds thanks to steel wheels that can be lowered onto the track at the press of a button.
デュアルモードビークル(DMV)はボタン操作で線路の上に鉄輪を降ろし、道路を走るバスから線路を走行する列車に15秒で変身する。
前出のMail Onlineの記事
道路と鉄道、どちらも走れる車両が営業運転しているというニュースです。
A for shortは「略してA」と言う意味の表現です。
thanks to Bは「Bのおかげで」といった意味合いで、悪いことが起こった原因の場合は「Bのせいで」と訳すとしっくりきます。
The DMV can carry 23 people - including the driver - and measures around eight metres*2 (26ft) in length. It weighs just 5,850kg (5.85 tons), making it significantly lighter than a regular train carriage.
DMVは運転手含め23名を運ぶことができ、長さおよそ8メートル(26フィート)。重量は5,850キロ(5.85トン)で、通常の鉄道車両よりだいぶ軽い。
前出のMail Onlineの記事
“It measures around 〇〇 meters(metres) in length” “It weighs just 〇〇kg”など、大きさや重さの情報があると、写真がなくてもある程度どんなモノなのか想像できますね。
ニュースで生きた英文法に触れよう
次は、「テレビはここまで来たか!」と驚く発明です。
The device, called Taste the TV (TTTV), uses a carousel of 10 flavour canisters that spray in combination to create the taste of a particular food.
味わうテレビ(TTTV)と呼ばれるこの機械は、10本の風味入り容器を組み合わせて噴射することにより特定の食品の味を作り出す回転式の台を使用する。
視覚、聴覚に加えて味覚も楽しめるテレビが登場。
切れ目がわかりづらく、やや訳しにくい文のため、分解してみましょう。
The device, called Taste the TV (TTTV), uses a carousel of 10 flavour canisters that spray in combination to create the taste of a particular food.
赤色の部分が主旨、黄色と緑色の部分がcarouselの説明で、特に緑色の部分では何をするcanistersなのかを示しています(テレビでどうやって「味わう」のかは、記事中の写真をご覧いただくと一目瞭然です)。
発明者の大学教授はこの機械の目的をこのように説明しています。
The goal is to make it possible for people to have the experience of something like eating at a restaurant on the other side of the world, even while staying at home
家にいながらにして世界の反対側のレストランで食事するような体験ができるようになることが目標
前出のReutersの記事
The goal is to~は、自分の目標を人に説明するときに使えそうな言い回しですね。
米の保守系タブロイド紙New York Postでは、倒置表現を使っていました。
Should he scale it commercially, he estimates each unit would cost about $875 to build.
もし商用展開した場合、1台あたりの製造費を約875ドルと見積もる。
この文章では、仮定法のifが省略されてShouldが先頭にくる倒置が使われています。英語の文章を読んでいるとしばしば出合う文法です。ここでは、商用展開の可能性はあまり高くなさそうということを表しています。
いかがでしたでしょうか。世界の人々も興味津々の発明を見てきました。記事中には倒置といった、学校で習う文法が出てきました。実際の文章で使われているのを見ると、記憶にも残りやすくなりますね。
次回もお楽しみに。
第6回は2022年2月16日(水)公開予定!
廣川 亘(ひろかわ わたる)「RNN時事英語辞典」編集長。1998年に同サイトを立ち上げる。RNNは「Rapid News Network」の頭文字。最新の英文ニュースを常にウォッチし、多用されるキーワードや現代用語、専門用語を多数収録する。
RNN時事英語辞典:
https://rnnnews.jp/