海外メディアが報じた日本に関するニュースから英語表現を学びましょう!今回は、マクドナルドのポテト販売制限を報じたニュースを取り上げます。
「~せざるを得ない」って英語でなんて言う?
時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。
連載「世界で報じられた日本」、今回は「ポテト 不足 でマクドナルドがSサイズのみ販売へ」というニュースを取り上げます *1 。
ポテト好きの私には衝撃の知らせでしたが、なぜこのような事態になったのでしょうか。関連する英文ニュースから、覚えておきたい英語表現を見ていきましょう。
French fries also running low *2 ポテトも 不足
見出し表現です。本来は“French fries are also running low”ですが、このように 見出しではbe動詞を省略する ことがあります。
be running low で「 少なくなっている 」「 不足 している 」という意味です。
在庫 が底をついてしまうと、 be running out となります。
... in Japan, McDonald’s has been forced to stop selling medium and large portions of fries.・・・日本では、マクドナルドがポテトのM・Lサイズ販売を中止せざるを得なくなっている。前出の CNN の記事
ポテト 不足 の 影響 として、日本のマクドナルドはSサイズのみの販売となりました。
be forced to A で「 Aをせざるを得ない 」とか、「 Aを強いられる 」という意味になります。 portion は「 一人前の量 」です。
ポテトの販売制限・・・その理由は?
次に、なぜポテト販売制限が必要になったのでしょうか。
McDonald’s Holdings Company Japan said in a statement on Friday that the impact of flood damage on the port of Vancouver and other disruptions since last year would delay an expected shipment of potatoes from North America.日本マクドナルドホールディングス株式会社は、金曜日の発表の中で、バンクーバー港の洪水被害の 影響 と昨年からのそのほかの混乱で、北米からの予定されていたポテトの 出荷 が遅延する見込みと伝えた。
Global shipping operations continue to be severely affected by a mix of factors including COVID-19 pandemic lockdowns, extreme weather and a rapid recovery in demand .新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)や異常気象、需要の急速な回復といった要因が複合して、世界中の 出荷 業務が深刻な 影響 を受けている。
前出の Reuters の記事
ポテト 不足 はカナダの貿易港の洪水被害が直接的な 原因 ですが、ポテト以外でも様々な要因(=赤色の部分)が重なって、サプライチェーンの混乱が発生しています。
delay B は「 Bを遅らせる 」、 be affected by C は「 Cの 影響 を受ける 」という意味です。
ポテト不足は日本だけじゃない
影響は日本以外にも。
In Taiwan, meanwhile , some McDonald’s stores went without the early morning incarnation of fried potatoes: hash browns, which were pulled off the menu in the second week of January.一方、台湾でフライドポテトの早朝メニュー「ハッシュブラウン」が一部店舗で品切れとなっており、1月第2週よりメニューから削除された。
hash browns はハッシュポテトのことです。細切りのじゃがいもをきつね色(=brown)に揚げたものといった意味合いでしょうか。
incarnation of D は直訳すると「 Dの化身 」となりますが、この文脈ではピンとこないので、「フライドポテトの早朝メニュー」としました。「朝マック」の時間帯にハッシュポテトのみの販売になるのは、台湾も同じなのですね。
お客さんの反応です。
I felt so sad about the rationing because I like friesポテトが好きなので、Sサイズしかないのはとても残念
ration は「 制限した量を供給する 」という意味で、このニュースにおいてはポテトがSサイズのみの提供になることを指します。
ニュースで覚えた英語表現を使ってみよう
あまり遭遇したくない場面ですが、be running lowやbe affected by など、お仕事で商品を約束どおりに顧客へ届けられない際の理由の説明に使えそうな表現も出てきましたね。
そのほか、料理の量・サイズの言い方は日常生活でも役立ちそうです。
さて、全6回の連載でお届けした「世界で報じられた日本」は、今回が最終回。
次回からは「 ビジネスに効く!知っておきたい英語ニュース 」と題して、ビジネスパーソンの関心が高いニュースを取り上げ、背景を解説したり、登場する専門用語、ニュースに対して意見を求められたときに使える表現をご紹介したりする予定です。
新連載もお楽しみに。
新連載は2022年3月公開予定!
廣川 亘(ひろかわ わたる) 「RNN時事英語辞典」編集長。1998年に同サイトを立ち上げる。RNNは「Rapid News Network」の頭文字。最新の英文ニュースを常にウォッチし、多用されるキーワードや現代用語、専門用語を多数収録する。
RNN時事英語辞典: https://rnnnews.jp/