知的で、長い英文が話せるようになる『足すだけ英会話トレーニング』が発売になりました。日本語を英語に置き換える音声にのって、パーツを付け加えていくと、自然ときちんとした上級者レベルの英語が話せるようになる、画期的な「ビルドアップ式」メソッドを使った学習書です。ここでは本書『足すだけ英会話トレーニング』の執筆者、中西哲彦さんに、本書の魅力と学習の仕方を、動画も使いながらじっくり語っていただきました。
皆さんこんにちは、中西哲彦です。この度、『足すだけ英会話トレーニング』が発売となりました。すでに本書を手元に、「さて始めるぞ」とお考えの皆さんもいらっしゃると思いますが、本書がどんな教材なのかについて、学習の方法と合わせてご紹介したいと思います。
『足すだけ英会話トレーニング』発売記念オンラインイベントはこちら!
本書の発売を記念して、「あなたの英語が知的に変わる!ビルドアップ式でスラスラ話せる!」 が 2021年10月3日(日)15:00-16:30 に開催されます。
スピーキング力をガツンと伸ばすコツが学べる1時間半です。本書をお持ちでない方も参加OK。
お申し込みと詳細は、このURLからどうぞ。
(イベントの詳細につきましては、ページ下部の情報も併せてご覧ください)。
もっと知的な英語を話したいあなたに
この教材には、 100の日本語の課題 が出てきます。階段を少しずつ上がっていくような練習で、この課題文を英語で言えるようになればOKです。 課題を見て、「無理!」と思わないでください。例えば、 「国内外から5千万人の旅行客が、毎年、日本の古都京都を訪れる」 といった文を、自信を持ってパッと英訳できる方は 少ない のではないでしょうか(すぐ英訳できるよ!という方。さらに難しい日本語もたくさん掲載されていますので、がっかりしないでください!) 。では、どうやれば言えるようになるのか。
この本では、「核」となる情報を選び、そのほかの「枝葉」になる情報パーツを少しずつくっつけていくことで、どんどん長くしていく練習をします。これを約410分、つまり7時間近い日本語と英語の音声を使ってトレーニングするのです。まずはP.15の「音声ダウンロードの方法」を参考に、音声を入手してから学習を始めましょう。
「こんな長い日本語、英語で言うなんて無理だ!」と思えるような課題文でも、段階を踏んでトレーニングを重ねていけば、絡み合っている情報がまとまりよく組み込まれた英文となって、皆さんの口から出てくるようになるはずです。
もう一つ課題文の例を挙げましょう。私は愛知県半田市に住んでいます。ここは、『ごんぎつね』や『手袋を買いに』といった作品で有名な、児童文学作家の新美南吉の出身地でもあります。彼は東京外国語専門学校(今の東京外国語大学)を卒業した英語教師でもあったのです。なので、英語の先生方の研修で、よく新美南吉の話をします。次の課題文もそんなネタの一つです。
例えば、「新美南吉は、児童文学作家としてはよく知られているが、英語教師だったことはあまり知られていません」と言いたいとしましょう。
基本的な英語を使って、
Nankichi Niimi wrote many stories for children. (新美南吉は子どもたちのために多くの物語を書いた)と表現することができます。日本語の内容を、十分、これで伝え切っていますね。でも、ある程度の英語の知識をお持ちで、実際にネイティブスピーカーと会話をする機会がある方であれば、 もうちょっと、洗練された英文を話したり書いたりしたいな、もっとスッキリと、大人っぽい英文で伝えたいな と思うことでしょう。例えば、His stories have been read by many children and adults.(彼の作品はたくさんの子どもや大人に読まれている)
However , few people know that he was an English teacher.(しかし、彼が英語教師だったことを知る人はあまりいない)
Despite his fame in children’s literature , few people know that Nankichi Niimi was an English teacher.という英語が口からスルスルっと出てきたら、かっこいいですね。ネイティブスピーカーも、きっとあなたのことを対等な会話相手と認め、今よりもっと、深い内容の会話ができるはずです。(児童文学での名声 にもかかわらず 、新美南吉が英語教師だったことはあまり知られていない)
脳に汗をかく「ビルドアップ」式トレーニング
では 具体的に 、どうやったら洗練された長い英文が話せるようになるか、トレーニングの内容についてご説明しましょう。100の課題すべてに、このような音声教材が用意されているので、テキストを開いて、音声を聞きながら、流れに任せて英文を言ってみましょう。
でも、一気に長い英文を目指すのではなく、少しずつパーツを付け加えていきます。直前の文を意識にとどめておいて、何度も繰り返しているうちに、自然とそれぞれの 単語の発音やイントネーション、音の高低やスピードが身体に染み込んでいきます 。脳みそが熱くなって、汗をかいているのを感じましょう。
動画を用意しましたので、ご一緒に練習してみましょう。学んだ英文を実際の会話で使ってみよう
5つの課題が終わるごとに、 Review として、A、B二人の対話形式での練習があります。見開きで、左に日本語、右に英語が載っています。Aの質問や発話に対して、皆さんはBになって、トレーニングを終えたばかりの課題の内容を使って答えたり、反応を返したりしてください。自然な会話の中にいるような感覚を味わっていただけると思います。
誰かと話をする時、あなたはきっと、・相手の発言を自分の言葉でまとめたり、補足したり、確認したりしたい。
・相手が誤解していることを正してあげたい、知らないことについて教えてあげたい。
外国人との会話で、「やはり京都はいいですね」と聞けば、「そうですよ。年間5千万人が国内外から・・・」と関連する情報を伝えたり、「日本はGDP世界第三位で、先進国ですね」と聞けば、男女格差やシングルペアレント、国の財政赤字などを思い出して、「いえいえ、実は・・・」とちょっと反論したくなったりするでしょう。
Review の練習は、こうした私たちが生来持っている気持ちを刺激し、「課題で学んだ内容を伝えたい!」と思わせるように 仕組まれています。 「こう来たか!」とにんまり笑いながら、課題で言えるようになった英文を、また脳に汗をかきながら一生懸命思い出し、ロールプレイをしてみてください。
使う価値が感じられる英文を素材に学ぶことの重要性
本書の課題は、生活一般、自然・環境、スポーツ・文化、政治・外交、経済など、幅広いジャンルの英文をカバーしています。ニュース英語のリスニングのメソッドで有名な「茅ヶ崎方式英語会」のテキストから、使う価値があると感じていただける内容のものを厳選しました。
例えば第一章の「社会一般・生活/国内」は、①「国内外から5千万人の旅行客が、毎年、日本の古都京都を訪れる」から始まり、②「ほとんどの若い人にとって、スマートフォンなしで生活するのはおそらく難しいだろう」③「23歳の学生がバイクで日本の全1741の市町村を訪れることを成し遂げた」と続きます。第五章の「政治・外交」は、?「首相は、拉致問題は自らの政権の最優先事項だと繰り返し述べてきた」?「アメリカは日本にもっとアメリカ製品、特に農産物を輸入するようにと迫っている」などの課題が出てきます。
これらはすべて、皆さんが、 「日本のことが説明できそう」「知っていて損はない」「英語で学ぶ価値がある」 と思えるかを 基準 に集めました。しかも、事実に基づいた内容ばかりです(編集時期の都合上、少し古いニュースもまざっていますが、ご容赦ください。単語を入れ替えれば、今のことを述べる英文に応用が利きます)。
また、トレーニングをする過程で獲得される語彙は、現代社会のさまざまな事象や問題について語り合う時に、皆さんを助けてくれるはずです。「古都」「国内外から」「スマホなしで生活する」「市町村」「成し遂げる」「拉致問題」「最優先事項」「政権」「~するように迫る」「農産物」など、覚えておきたいものばかりです。人は皆、コミュニケーションをとるとき、相手の話す力に合わせ、自分の話を調整します。つまり、あなたが短い文で話し続ける限り、会話が深まることはないのです。いつも挨拶のやりとりや短い会話だけで終わってしまって物足りないという方は、この本で勉強すれば、あたかも日本人同士で会話をしているような、中身の詰まった英会話へと発展させることができます。
また、これからTOEICRスピーキング&ライティングテストを受ける予定がある、あるいは英検を受ける予定がある、といった方にもこの本は大いに役立つでしょう。しばらく英語を話すことから離れている方が、急に話す必要がでてきたような場合にも、口慣らしに使えるはずです。
本書のトレーニングを通して、世界と語り合う英語力を身に付けましょう。
お知らせ ">『足すだけ英会話トレーニング』発売記念オンラインイベントの お知らせ
本書の発売を記念し 「あなたの英語が知的に変わる!ビルドアップ式でスラスラ話せる!」が2021年10月3日(日)15:00-16:30に開催されます (茅ヶ崎方式英語会主催)。冒頭では本書制作のあれやらこれやらについて、担当編集者の永井と中西哲彦さんの対談、さらに本書を使った実践トレーニング、また、本書の課題文の原典である『茅ヶ崎方式 季刊LCT』で、ニュース英語を使った英語の学び方など、盛りだくさんでお伝えします。ぜひご参加ください。
詳細とお申し込みは以下のURLからご確認お願いいたします。
中西哲彦 愛知教育大学教育学部外国語教室卒。三重県立高校 、大手英語学校で教壇に立ち、日本福祉大学国際福祉開発学部国際福祉開発学科にて准教授。現在はアルファ英語会、茅ヶ崎方式英語会顧問、自らも英検1級、準1級を狙う学習者を対象に「英語上級者への道」を開講し幅広い層に英語を教えている。過去には、英検セミナー派遣講師として各地の特別授業や英語教育セミナーにて活躍し、日本英語検定協会の学習サイト「 めざせ1級!英語上級者への道~ Listen and Speak III 」にも登場。また、同サイト上に英検1級、準1級を目指す学習者向け自習学習教材「 英語上級者への道・Listen and Speak 」を連載(ダウンロード可)。茅ヶ崎方式英語会が発行する季刊誌「 季刊LCT 」で連載「ここに注目」を執筆。『 完全攻略!英検1級 』(アルク)を執筆。また、『 完全攻略!英検1級 二次試験対策 』(アルク)では、コラム「発音発話ワンポイント」解説担当。
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