
世界にはさまざまな祝日、伝統行事やイベントが数多くありますが、その実態は知らない人が多いのでは?各国の文化を楽しみながら学んでいきましょう!今回は、6月のプライド月間に世界中で開催される「プライドパレード」を紹介します。
※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年6月号に掲載した記事を再編集したものです。
【June】Pride Parades:プライドパレード
6月になると、「プライド月間」という言葉を耳にしたり、街中でレインボーの旗やグッズを見掛けたりすることはありませんか?「プライド月間」である6月には、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィアまたはクエスチョニング)など性的マイノリティーの人権運動 が世界中で行われます。自らの性的指向やアイデンティティーを肯定し、誇り高く生きていける多様性のある社会にしていこう、という意味が「pride(誇り、プライド)」という言葉に込められているのです。
今回は「プライドパレード」について、英語でチェックしてみましょう!
Today, Pride parades are still fun and important events and are usually like festivals filled with joy. Bigger parades include loud music, body painting, costumes and (5)drag queens. You may see people in rainbow wings or (6) sporting face glitter . Or both . As well as being very powerful and a beautiful way to show love and kindness, these events remain important in raising awareness among the general public. For example , it could be argued that the (7)legalization of same-sex marriage in Taiwan in 2019 (8)owed a debt to the annual Pride parades, which have been held there since 2003.
Last year, the 50th anniversary of the first Pride parade was celebrated around the world. In Mexico, people performed songs and took part in a community program that gave free meals to the homeless. In London, people in their 70s and 80s celebrated on the streets with the younger (9)participants. Although it was a (10)socially distanced march (11) due to COVID-19 (12)restrictions, it was still full of community spirit and love. Smaller parades happen, too, in local towns and cities. Whether large or small, the parades are a time to honor the history of the LGBTQ movement as well as (13)seeking to bring the community together.
現在もプライドパレードは楽しくて大切なイベントであり、常に喜びに満ちたお祭りのようです。より盛大なパレードには大音量の音楽、ボディーペインティング、衣装やドラァグクイーンが含まれます。レインボーの羽を着けている人や、顔にキラキラ光る素材を付けている人を見掛けるかもしれません。その両方の場合もあります。とても力強く、愛と親切心を示す美しい方法であるだけでなく、これらのイベントは一般の人々の関心を高める上で重要であり続けています。例えば、2019年の台湾での同性婚の合法化は、2003年以降毎年そこで開催されているプライドパレードのおかげだと言うこともできます。
昨年、最初のプライドパレードから50周年が世界中で祝われました。メキシコでは、人々が歌を披露し、ホームレスの人々へ無料の食事を提供するコミュニティープログラムに参加しました。ロンドンでは、70代や80代の人々が若い参加者と一緒に通りでお祝いをしました。新型コロナウイルス感染症に伴う規制により、人と距離を取ったパレードでしたが、これまでどおりコミュニティー意識や愛にあふれていました。地方の町や都市でも小規模なパレードがあります。規模の大小に かかわらず 、このパレードはコミュニティーを団結させようとすると 同時に 、LGBTQ運動の歴史に敬意を表する時間なのです。
(1)LGBTQ ★ Lesbian(レズビアン:女性の同性愛者)、Gay(ゲイ:男性の同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル:両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー:自認する性別と出生時の性別が一致していない人)、 Queer (クィア:風変わりな人)またはQuestioning(クエスチョニング:性的指向や性自認がはっきりせず、LGBTのどれにも当てはまらない人)の頭文字を取っている。 (2)give it its full name その正式名を述べる (3)spring up 生じる (4) raise awareness of ~ ~に対する認識を高める (5)drag queen ドラァグクイーン ★特に、派手な衣装やメークなどの扮装(ふんそう)をして、ショーなどを行う男性を指す。 (6)sport (見せびらかすために)~を身に着ける (7)legalization of same-sex marriage in Taiwan in 2019 2019年の台湾での同性婚の合法化 ★2019年、台湾の立法院がアジアで初めて同性婚を合法化する法案を可決した。 (8)owe a debt to ~ ~に恩義がある (9) participant 参加者 (10)socially distanced 人と距離を取った (11) due to ~ ~が 原因 で (12) restriction 規制、制限 (13) seek to do ~しようと努める
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キャロライン・ポーヴァー(Caroline Pover) イギリス出身。エクセター大学卒業後、東京に15 年間住んでいたことがあり、現在はイギリス、コッツウォルズで暮らしている。著書に『 One Month in Tohoku: An Englishwoman's memoir on life after the Japanese tsunami 』『 モテるデートスキル: 欧米人女性を虜にする秘密の方法 』(いずれもAlexandra Press)など。URL: https://carolinepover.com/
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