外国人と英語で生活!超リアル・シェアハウス滞在記

外国人と英語で生活!超リアル・シェアハウス滞在記

日本にいながら国際交流ができるシェアハウスに入居した藤代あゆみさんの超リアルな滞在記は今回が最終回。シェアハウスで実際に起こった数々のエピソードを紹介してくれました。シェアハウスや留学、国際交流に興味のある方はぜひお読みください!

いろいろな国や地域の人たちと交流してみたいけど、海外に気軽に行けない昨今。しかし、ステイホームしながら「オフライン」で国際交流できる場所があるんです!そう、シェアハウス!外国人と日本で暮らせるシェアハウスに、勢いだけで入居した私。

もしかしたら、わざわざ海外留学をして、1人暮らしをしながら広く浅く現地の人と付き合うよりも、いっそのこと日本で一緒に住んでしまった方が、狭く深く交流できていいんじゃないかと思うくらい、発見が多く、楽しい日々を過ごしました。シェアハウス滞在記は、今回で最終回。ぜひ最後までお楽しみください〜!

違うって面白い

前回の最後に「ちょっとしたけんかも勃発?!」なんて書いたばかりに、読者の皆さんはそっちの方が気になっちゃっていたみたいなので、まずはそこから話しましょう(笑)。

けんかになって当たり前

私の滞在していたハウスは、21歳から33歳の計8カ国の人たちが共に暮らしていました。自室以外は全部共有。リビングにキッチン、トイレにシャワー、洗面台に洗濯機と、暮らしていくのに必要なエリアやものはみんなで使うので、ハウスルールが決められています。

掃除当番も交代制で決められているのですが、とにかく人数が多いからすぐ汚れる!出しっぱなし、使いっぱなし、片付けない、などなど。

あまりにも目に余ると、その場所の掃除担当の人たちが半ばキレ気味でグループチャットに「ちゃんとやって!」と送っていました。

▼掃除当番表掃除当番表

「これだから外国人は・・・」なんて思ってませんか?

実は、怒られる割合は外国人も日本人も同じくらい。もちろん、私も怒られたことがあります!えへ(笑)。

でもこういうことって、国際交流シェアハウスだから、というよりも、赤の他人と暮らすのであれば当たり前に起こること。第1回の記事でも書きましたが、「シェアハウスの生活はキラキラしていない」のです。

ハウスメイトは家族じゃない。友達とも違う、とても不思議な関係で、後腐れがありません。さっきまでもめていた2人が、しばらくすると普通に仲良くしゃべっている!なんてことが多いんです。みんなが心地よく過ごせる理由は、この切り替えの早さにあるのかもしれません。

ピザ・パスタの乱

外国人のハウスメイトは、ほとんどがヨーロッパ出身。日本人は「ヨーロッパ」として一括りにしがちなのですが、一緒に住んでいるからこそ、やはりそれぞれ違ったバックグラウンドがあるとわかるのです。

例えば、パスタをみんなで食べるとなったら、「なぜあなたはこのパスタの種類にそのソースをかけるの?!信じられない!」とか、ピザでも食べようものなら「そんなものはピザと呼べない!」とか、毎日誰かしらパスタとかピザを食べているからいちいち大もめ(笑)。

ごく稀に、お互いのピザ・パスタ感が一致すると大盛り上がり(笑)。同じ価値観の人じゃないと、楽しく暮らせないんじゃないか、なんて思いがちですが、違うからこそ日常のちょっとしたことでも話題が広がって楽しいのです。

笑いのツボが違う

リビングで過ごしていたある日。突然、思い出し笑いが止まらなくなってしまったイタリア人の女の子。「〇〇の動画、超ウケたよね〜!」とスウェーデンとベルギーの子に言うと、2人も大笑い。

日本人の女の子と、「どんな動画?見てみたい」と言って見せてもらったものがこちら。

@vorostwins

DA VINKI #twins #fyp #foryoupage

♬ original sound - vorostwins

“Who painted the Mona Lisa?”(誰がモナ・リザを描いた?)という質問に、海外で大人気YouTuberの双子、Voros Twinsが答えるというもの。レオナルド・ダビンチを知らない双子が、答えであるDa Vinciの読み方を間違えているのが、はちゃめちゃに面白いらしい。

ごめん、我ら日本人には1ミリも面白さが伝わらない、と日本人の子と真顔で言うと、「面白さがわからないの?!ウケる〜!」とまた大笑い。

みんなが笑ってるから、私たちも大笑い。笑いのツボは全然違うけど、違うことが面白い!一緒に住めば住むほど、同じじゃないことがたくさん見つかって、毎日新鮮で面白かったです。

楽しいイベントが盛りだくさん!

不要不急の外出は避け、ステイホームを。だからこそ、家では楽しみたい!とシェアハウスではハウスメイト達といろいろなことをしました。みんなでたこ焼きパーティーをしたり、たい焼きパーティーをしたり!

ちなみに、たい焼き作りは日本人メンバーも初めてだったので、なぜか長年日本に住んでいるスウェーデン人の子にやり方を教えてもらいました(笑)。

パーティーといえばクリスマス!

私はお祭りが大好きで、なんでも祝う日本人だから、クリスマスももちろん楽しみにしていました。本当だったら、クリスマスホリデーは母国に帰る外国人のハウスメイト達も、今回は新型コロナウイルスの影響でみんな断念・・・。

でもここはシェアハウス!みんなでお祝いをしよう!となり、それぞれの故郷でどんなふうにクリスマスをお祝いするか聞くことに。

アルゼンチンの子に聞くと「肉をたくさん食べるね!」とのこと。ベルギーの子も「肉を食べる」、そしてスウェーデンの子も「お肉食べるよ」・・・って、みんな肉食べるだけなの?!クリスマスとは???

でも、私もお肉大好き!というわけで、外国人のハウスメイトの指示(笑)に従って、クリスマスには大量のソーセージとミートボールを(笑)。

クリスマスパーティー

クリスマスらしく、テレビには暖炉の映像を映してみました。なんだか想像していたクリスマスとは違ったけど、みんなで食べるお肉は最高においしかったです。

さらに、スウェーデンのクリスマスパーティーで必ず出てくるという家庭料理「ヤンソンの誘惑(スウェーデン語:Janssons frestelse/英語:Johnson’s Temptation)」をスウェーデン人のハウスメイトが作ってくれました。レストランで食べたことはあったけれど、手作りはやはり格別!本当においしかった〜!!!

スウェーデン料理

日本のお正月もみんなでお祝い

クリスマスは外国人のハウスメイトが仕切ってくれたので、お正月は日本人チームでお屠蘇(とそ)と手巻きずしを用意!

おとそ

もちろん、お屠蘇は「日本酒オタクのあゆみせんせい」である私の担当です(笑)。外国人のハウスメイトはみんな初めてのお屠蘇で、日本酒を銚子(ちょうし)から注いでもらうことにテンションが爆あがり。

しかも、盃(さかずき)で飲むのも、普段行っていたような居酒屋では見たことがない!国際唎(きき)酒師の私は、日本酒や屠蘇、銚子、盃の説明も英語でばっちりできるので、「あゆみせんせい、すごいね〜!ただのお酒たくさん飲める人じゃなかったんだね〜(笑)」と、とても喜んでもらえました。

ちなみに私は、英語が話せる人ほど、日本の文化を英語で伝えられることが大事だと思っています。国際唎酒師に興味を持たれた方は、EJ新書『日本酒オタクのほろ酔い英語』や「ENGLISH JOURNAL ONLINE」での連載「英語で資格!国際唎酒師をめざそう」をぜひ読んでみてくださいね。

手巻きずし作りも大盛り上がり。「自分でSushiを作れるなんて!」とみんな大喜び。生魚が苦手な外国人ハウスメイトもいたので、お肉もネタの一つにしました

さらに、とあるハウスメイトが馬刺しも差し入れしてくれて、生の肉ですら食べるのに慣れていない中、馬肉ということでびっくりしていましたが、日本人と暮らしたり、過ごしたりしないと食べる機会がないものなので、やっぱりシェアハウスならではの良さだろうなと思いました。

ピザの乱、終結パーティー

先述したとおり、ピザ・パスタの乱が日々起こっていたシェアハウス(笑)。イタリア人の女の子がついに「もう、私がピザを生地から作る!」と一念発起してくれました。

▼生地作りを手伝わされている日本人の女の子(笑)ピザづくり

彼女はピザを生地から作った経験はあるものの、1人で作ったことはない・・・とのことで、わざわざローマに住んでいるおばあちゃんに秘伝のレシピを伝授してもらい、夕方に予定していたピザパーティーのために、朝から生地を仕込んでくれました。

ピザパーティー

リビングからいい香りがしてくるな〜と、テーブルを見ると、こんなにたくさんのピザが!ハウスメイトが集まって、熱々のうちに一口。おいし〜〜〜!!!生まれて初めてこんなにおいしいピザを食べた!!!

私は、ピザの耳がそこまで好きではなくて、仲のいい友達と一緒に食べるときは、耳を食べてもらうのですが、これは・・・耳までおいしい。人生で初めて本当の手作りピザを食べた・・・。“Buono! Grazie mille!”と拙いイタリア語で感謝の気持ちを伝えました。

国際交流シェアハウスは、英語が共通言語ですが、いろいろな国から外国人が来ているので、イタリア語以外にもフランス語、スペイン語、スウェーデン語などなど、いろんな国の言葉を知ることができました。もちろん、私はシングリッシュを教えました。

オタクパーティー

外国から来るハウスメイトはオタクが多いと前回書きましたが、そう、何を隠そう私もオタク。「深夜になると、あゆみの部屋からアニメの音が聞こえてくる」なんてクレームがあったので(笑)、オタクのハウスメイトを誘ってアニメはリビングで観るように。

日本語を独学で勉強して、アニメーターの専門学校に通う外国人のハウスメイトとアニメを観る前に2人でコンビニへ行き、夜食や飲み物をしっかり準備。

ポテトチップスはおいしいけど、噛むときに音が出ないように食べるの大変*1だから、次からはポップコーンにしよう、なんてオタク魂を見せつけられたり。

「今夜観るアニメの前シリーズで主人公が食べてたカップ麺を静かに食べる*2!」と言う私に「夜中に、そんなカロリー摂って大丈夫?(=太るぞ)」と心配をしてもらったり、オタクとシェアハウスするの楽し過ぎる・・・。もはや外国人とかそういうことではない・・・NO BORDER。

でも、オタクにもいろいろある。相手の好きなものが自分と同じとは限らないし、解釈違い *3により、疎遠になってしまう可能性だって・・・。

私は、意を決して公表しました。「平尾アウリ先生の『推しが武道館いってくれたら死ぬ』が大好きなことは知っていると思うけど、百合漫画のオタクなんだよね」と。すると、ハウスメイトが目を丸くして、「えっ?!・・・私も!」と言うじゃありませんか!なんと、オタクはオタクでも、外国人ハウスメイトがまさかの同じ百合のオタクだったのです!

私たちの盛り上がりに気が付いたほかのオタク外国人ハウスメイトたちも会話に混ざり、全員のオタクの領域をカバーする天国、アニメイトに行くなどして、オタ活を通じて心も通じ合ったのでした。

イラスト

オタクの外国人ハウスメイトが書いてくれた私の似顔絵を見ていただくとわかるとおり、プロフィール写真とは大違い(笑)。

ハウスにいる間は、本当にリラックスできて、すっぴんで髪もぼさぼさのままハウス内をうろうろしていました。赤の他人、それも外国人とひとつ屋根の下で暮らしているのに、こんなにありのまま(?)で過ごせたのです。シェアハウスは本当に私の「家」でした。

今だからこそ、日本で国際交流シェアハウスに住むのがおすすめ!

このシェアハウスに長く住んでいる日本人のハウスメイトに「あゆみはラッキーだよ」と言われたことがあります。なぜなら、コロナの前はみんな学校や仕事に出掛けるし、休みの日は外に遊びに行ってしまって、全員で集まって何かをする機会が少なかったから!だから、国際交流シェアハウスに住むなら「今」なのです!

海外に行けないということは、本当に残念です。でも、海外に行けるときよりも、海外に行けない今、国際交流シェアハウスに住めば、もっと近い距離で外国人と暮らして、毎日もっといろいろな発見ができるのです。

そして、外国人のハウスメイトたちは、日本が好きだから、日本に興味があるから、海外から日本に来ているもの。私の場合は、日本酒や百合漫画のオタクですが、自分が大好きな日本について英語で紹介できたり、話が盛り上がったりするのが本当に楽しかったです。英語を学んでいる方も、日本の伝統や文化・・・なんて堅苦しいことに限らず、自分の推しのアイドルでもなんでもいいので「私の好きな日本の何か」を見つけて、英語で話せるようになるとより交流が活発になりますよ!

コロナ禍で海外に行けないなら、日本で外国の人が集まるコミュニティーに飛び込めばいい。人生は何が起こるかわからないけれど、今いる場所で、今あるもので、なんとかなることも多いのです。この連載が、あなたにとってそんなきっかけになったらうれしいと思っています。

最後に

「ENGLISH JOURNAL ONLINE」でこれまで4つの連載を持たせてもらう機会がありましたが、今回の連載は人生で初めてのエッセイ!お楽しみいただけましたでしょうか?

第1回目から読み返していただくと、不安ばかりだった私が、シェアハウスに住むことで、より日々の暮らしを楽しめるようになったことがわかるのではと思います。成長したな〜!

そして、読み返すとお気付きになられるかもしれません。そう、この滞在記はすべて過去形なのです。1カ月の滞在の予定を延長するほどに楽しかったのに、住み始めてから3カ月ほどたった頃にシェハウスを出ることにしました。理由は、「楽しかったから」。実家では悠々自適に暮らし、シェアハウスでもハウスメイトたちとの毎日が楽しくて、このままじゃまた誰かに甘えてしまうと思ったのです。

▼ハウスメイトにもらった寄せ書き。みんな本当にありがとう!寄せ書き

私はコロナの影響でシンガポールから急遽日本に戻ることとなり、日本にいても国際交流をしたい!という思いから、国際交流シェアハウスに入居しました。

将来が見えなくて、不安でいっぱいだったけれど、幸いなことに、シェアハウスで暮らしている間に、周りのハウスメイトたちに刺激されて、将来のことを真剣に考える時間もありました。

そして、ようやく日本で本腰を入れてやるぞ!と思えることを心に決められたのです。今後は、その傍ら、海外で暮らし、仕事をした経験、学んだことなどをどこかでまた書きたいなあと思っています。

シェアハウスでの3カ月間は、第2の青春!年齢も、国籍も違う人たちと、たくさん笑って暮らした日々の思い出は一生の宝物です。海外に憧れているあなたも、トライしてみませんか?

素敵な思い出をくれたハウスメイト、「ボーダレスハウス」の皆さん、背中を押してくれた母、滞在記を書かせてくださったアルクの「ENGLISH JOURNAL ONLINE」編集部の皆さん(特に担当のHさん!)、そして何よりも読んでくださったあなたに、心からの感謝の意を表して!Cheers!

▼藤代さんが滞在していた国際交流シェアハウス、「ボーダレスハウス」の詳細はこちら! www.borderless-house.jp

藤代あゆみさんの過去連載

シンガポールで7年の駐在経験がある藤代さんが、ご自身の経験を基にシンガポール英語「シングリッシュ(Singlish)」やシンガポールの文化について紹介している連載です。

ej.alc.co.jp

藤代あゆみさんの書籍

藤代さんの連載「日本酒オタクのおもてなし英語」がEJ新書(電子新書)になりました!追加原稿も加わりパワーアップした内容になっています。お酒が好き、英語を使った仕事に興味がある、英語を学習中など、すべての方におすすめの一冊です!

*1:アニメの音声を自分も相手も漏らさずクリアに聴くための配慮。

*2:外国では麺をすする音は敬遠されますので、アニメを観るとき以外もお気を付けください!

*3:同じジャンルのオタクでも、考え方が違う場合がある。

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藤代あゆみ

藤代あゆみ平成元年、東京生まれ、共立女子大学文芸学部劇芸術コース卒。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)公認国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠。「日本酒オタクのあゆみせんせい」として、シンガポールを中心に、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米など世界20カ国以上の人に向けて日本酒を広める活動を経験。好きな漫画は『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(平尾アウリ著、徳間書店)
Official Website:https://www.ayumi-and-sake.tokyo/
Twitter:@ayumi_and_sake
Instagram:@ayumi_and_sake