映画やドラマは生きた英語の宝庫。おすすめ映画・ドラマから、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回一つ紹介します!今回は映画『アイ・オリジンズ』から、「何かたくらんでいる!」「良からぬことを考えているな!?」という言うときの表現です。
今日のおすすめ表現
up to something
今回取り上げるのは、「何かたくらんでいる!」「良からぬことを考えているな!?」という疑念を表すフレーズです。
表現の出どころ
この表現は、アメリカで2014年に公開された映画『アイ・オリジンズ』(原題:I Origins)で使われています。
ジャンルとしてはサイエンス・フィクション(SF)なのですが、かなり変わったテイストの作品です。というのも、SF映画というと、未来とか宇宙とかテクノロジーとかを扱っているのかなと想像しませんか!?でもこの映画のメインテーマは、「生まれ変わり」や「過去生」だからです。
キリスト教は基本的に輪廻転生を否定しているため、英語圏の映画でこのテーマが扱われることはかなり珍しいように思います。
とはいえ、ケネス・ブラナーのハリウッド・デビュー作でもある、1991年の『愛と死の間で』(原題:Dead Again)も、輪廻転生を描いたものでした。これもおもしろい作品だったので、いつか「映画・ドラマで英語」で取り上げたいと思います!
表現の使い方
主人公のイアン(マイケル・ピット)の息子トバイアスは、自閉症の疑いがあると言われ、シモンズ博士(カーラ・シーモア)から簡単なテストを受けるように促されます。
テストは、トバイアスに2枚の写真を見せて反応を見るというもの。しかしテスト手法に違和感を覚えたイアンは、途中でテストをやめさせ、クリニックを後にします。
帰宅したイアンは、シモンズ博士への不信感をあらわにしてこう言います。
This Dr. Simmons is up to something. Child autism my ass.
このシモンズ博士って人は、何かたくらんでいる。小児自閉症だなんて、ふざけやがって。
up to~と言えば、「~まで」とか「~次第」――と覚えている人は、up to somethingを見て、「“何か”まで」という意味かな?と思ってしまうかもしれませんが、それだとあまり意味をなさないですよね!?
ここは、up to somethingで「何かをたくらんでいる」という意味だと、まるっと覚えてしまいましょう!
ちなみに、“Child autism my ass.”のmy assは、「ばかな」とか「まさか」など、相手の言葉を信じられない、というときに口にする言葉です。当然ながら、assという言葉でおわかりのとおり、上品とは言い難い表現なので、使うなら時と場所を選ぶようにしましょう!
まとめ
up to somethingという、簡単な単語の組み合わせでまったく違う意味になるイディオムを取り上げました。up toにもたくさん意味があるので、間違えて解釈してしまわないよう気を付けてくださいね。
今回ご紹介したフレーズが使われているのは、少し変わり種のSF映画でした。ネタばれを避けるためにあまり詳しく登場人物を書けませんでしたが、輪廻転生に興味がある人は、考えさせられる内容かもしれません。生まれ変わりに興味がない人でも、謎解きを楽しめるストーリーですよ。
そうそう、普段はエンドロールが流れてきたら映画を見るのをやめてしまう人は、この作品はぜひ、最後まで見てくださいね。
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松丸さとみフリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)、『限界を乗り超える最強の心身』(CCCメディアハウス)、『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』(サンマーク出版)などがある。
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