中国語人材市場はブルーオーシャン!英語に加えて中国語スキルも手に入れよう

英語に加えて中国語スキルも手に入れよう!

国際教育事業コンサルタントの星野達彦さんが、台湾の魅力と台湾留学がおすすめな理由を3回にわたって教えてくれます。今回は、星野さんが中国語習得をおすすめする理由と、台湾留学のお役立ち情報を紹介してくれます。

台湾大好きで中国語を学習中の、国際教育事業コンサルタントの星野です。

前回では台湾の魅力についてご紹介しましたが、今回は「なぜ中国語を学ぶべきか?」「なぜ台湾留学がおすすめなのか?」「台湾留学で英語も学べる?」などの疑問に答えていこうと思います。

なぜ中国語を学ぶべき?

中国語スキルであなたの市場価値が高まる

まず「なぜ中国語を学ぶべきか?」から説明したいと思います。前回少し触れましたが、それは「中国語が話せると得だから」です。

単純に考えても世界で2番目に多くの人に話されている言語(世界最大の統計ポータルである「Statista 」の2021年の統計)である中国語が話せるといろいろと得なことがあると思いませんか?

また、World Economic Forum(2016年)は、以下5つの項目を数値化してPowerfulな(価値が高い)言語ランキングを発表しました。中国語は第2位。英語に次いで世界で2番目にPowerfulな言語だとされました。つまり中国語は学ぶ価値が高いのです。

  1. 地理力(Geography)
  2. 経済力(Economy)
  3. コミュケーション力(Communication
  4. 知識力・メディア力(Knowledge and Media)
  5. 外交力(Diplomacy

そして忘れてならないのが、中国語を使う人たちは、中国本土や香港、台湾だけでなく、世界中にたくさんいるという事実です。華僑・華人は全世界に約6000万人いると言われています。東南アジアなどではビジネスの分野で、華僑が大きな存在感を持つ場合も多いのです。

大手総合商社の伊藤忠商事は、今後ますます勢いを増す中国関連ビジネスに注力するため2015年に「中国語人材1000人育成プロジェクト」をスタートさせ、すでに1000人の中国語人材を育成しました。それほど中国語人材の需要が大きいということです。

Powerfulな中国語ですが、皆さんの周りには、中国語ができる人がたくさんいるでしょうか?日本では中国語人材は、いまだに英語人材より圧倒的に少ないのです。つまり中国語人材の需給のミスマッチが現在あるということです。そしてこのことで、中国語ができれば「得」だということが成り立つわけです。

日本には英語ができる人材はたくさんいるので、英語ができるだけでは大きな優位性はないですが、もし英語に加えて中国語もできれば、その人材の市場価値(=優位性)はものすごく上がることになります。いわば英語人材市場はレッドオーシャンで、中国語人材市場はまだブルーオーシャンだと言えるでしょう。

中国語は日本人にとって習得しやすい言語

もう1つほかの側面から、日本人である私たちが中国語を学習するのはなぜ「得」かについて述べてみたいと思います。

中国語を学ぶ上で、日本人は漢字を知っているというアドバンテージを持っています。これは、スペイン人やフランス人が英語を学ぶときに持つアドバンテージと同様だと思ってください。

もちろん中国語には4つの声調があり発音は難しいのですが、漢字を見て直感的に意味が想像できることが多いというアドバンテージはとても大きいと言えます。

日本人にとって漢字は親しみのある文字なので、初級学習者でも勉強を始めやすいですし、モチベーションが続きやすいと言えます。この学習のしやすさもお「得」だと言えるでしょう。

中国語が話せると世界が広がる!

世界中にいる中国語話者の人たちと中国語でコミュニケーションが取れたら世界が広がりますよね。前述した「Statista 」によると、世界の中国語話者数は11.2億人だそうです。中国本土や香港、台湾だけでなく、中華系の人が多いシンガポールやマレーシアなどでも、中国語ができると旅行でもビジネスでもとても助かります。

日本にも約30万人の中国人永住者と定住者がいますし、中国人の留学生や就労者も50万人ほど日本に滞在しています。皆さんも、日本で働く中国人や台湾人を見たことがあると思います。そんな彼ら彼女らと中国語で話せたら、あなたの世界は広がるはずです。

私自身も留学中そうでしたが、現地の方が英語ではなく日本語で話し掛けてくれたときは、とてもうれしく親近感を抱いたものです。日本にいる中国語ネイティブの方たちに中国語で会話できると一気に心の距離が縮まります。

「ENGLISH JOURNAL ONLINE」をご覧の皆さんは英語学習者の方がほとんどだと思いますが、中国語の学習も開始してみてはいかがでしょうか?

台湾留学がおすすめな理由

そして、私は中国語学習をする場所として台湾をおすすめします。そのいちばんの理由は、前回説明した、日本と特別なつながりがある親日国の「台湾の魅力」にあります。親日で治安が良く、気候もいい、物価が安く食事もおいしい台湾は、日本人の中国語留学先として最適だと思います。

台湾は日本語を高校や大学で学んでいる学生も多いですし、日本統治下で生活をしていたシニア世代は日本語を話せる人が多いので、中国語学習初心者に優しい国だとも言えます。

学習環境面でも中国との違いがあります。

  台湾

中国

中国語教育機関の形態
  • 国立大学・私立大学ともに、大学付属中国語教育機関がある。
  • 私立の語学学校もある(数は少ない)。
  • 国立大学のみ大学付属中国語教育機関がある。
  • 私立の語学学校もある(数は少ない)。
滞在先 語学留学生は大学寮に入れない場合が多く、個人でアパート、ホステルを借りている学生が多い。 語学留学生が個人でアパートを借りるのが難しく、ほとんどの学生が大学キャンパス内にある留学生用の寮に住む。
学期・入学時期
  • 大学付属の語学学校は4学期制が多い(一部私立大学は毎月入学可の学校もある)。
  • 私立の語学学校は毎月入学可(マンツーマンなら随時入学可)。
  • 大学付属の語学学校は2学期制が多い(春と秋の長期休暇時期に短期コースも開講)。
  • 私立の語学学校は毎月でも入学可(マンツーマンなら随時入学可)。
食事 大学内の現地学生と同じ食堂で食べるか、外食が多い。

基本的には大学内の留学生用の食堂で食べることが多い。

ビザ
  • 90日未満の滞在なら基本的にはビザが免除される。
  • ワーキングホリデーによる滞在でも語学学校に通える(3カ月以内)。
私立の語学学校に短期留学(15日間以内)する場合を除き、必ずビザの取得が必要。
インターネット

日本同様すべてのサイト・サービスにアクセス可能。

インターネットの利用規制があり、Facebook、Twitter、LINEなど利用できないサービスもある。
支払い手段 現金かクレジットカードが一般的。 WeChat PayかAlipayなどのキャッシュレス決済が一般的。
交友関係 食堂やアパートなどで台湾人の友人を作りやすい環境。親日で日本文化に興味がある人の割合も大きい。日本語を話せる学生も多い。 キャンパス内で現地の学生とは生活の場所が分かれているので、現地学生と友人になるのは台湾より難しい。

ここまで読んで「台湾と中国の中国語はどう違うんだろう・・・?」と思う方もいらっしゃるかと思います。そこで皆さんが気になるような疑問を私の知人の台湾人の呉忠恩さん(通称Tadashiさん)に答えてもらいました。彼は台湾の名門大学である国立成功大学を卒業して、日本の神戸市外国語大学の博士課程に進み、日本留学中に個人や企業向けに中国語教師をしていた経験があります。

Q. 台湾で学ぶ中国語は問題なく中国でも伝わる?

よく中国と台湾の中国語は「まったく別の言語」と考える方がいますが、どちらも同じ「中国語」です。そのため、台湾で中国語を勉強しても問題なく中国で通じます。

日本語に方言があるように、中国語にも地域によって発音が異なります。台湾の発音も中国の北京語とは少々違いますが、文法は同じなので特に問題ありません。

文字は「簡体字(かんたいじ)」ではなく日本人によりなじみ深い「繁体字(はんたいじ)」

中国で公用語として定められた「普通話(標準中国語)」と台湾で使われている「華語」のいちばん大きな違いは、文字の形です。台湾では漢詩や史記などの時代から使われてきた漢字とほぼ同じ形の「繁体字」が使われています。

これに対して中国では、伝統的な漢字を略した独自の「簡体字」もたくさん使われています。日本や中国で中国語の勉強を始めた方は、最初、台湾で使われている繁体字の画数の多さに戸惑うこともあるかもしれません。でも、日本で使われている漢字と同じものもたくさんあり、新しく覚えなければならない繁体字の数はそれほど多くないのです。

発音記号は中国と同じピンインで学べる

中国で使われている「普通話」と台湾で使われている「華語」の違いのもう1つは、発音表記です。台湾では、発音記号として、漢字の一部を利用して作られた注音符号(ボポモフォとも呼ばれる)が使われ、中国では、ローマ字を利用したピンインが利用されています。ただし、台湾でも、外国人に対する中国語教育ではピンインを使うのが一般的です。

台湾留学は中国語も英語も学べて一石二鳥!

次に、「台湾で留学すれば英語もブラッシュアップできる!」という話をしたいと思います。

台湾で本格的に中国語を学ぶ場合は、まず大学付属の中国語コースに入学し、そこである程度の中国語力を付けたら、大学の本科に入学することをおすすめします。台湾の大学には、すべて英語で行われるクラスや、英語だけで学位を取得できるコースもあります。

ほとんどの大学が外国人学生入学枠を設け、留学生専用の入試があるので、高校を卒業していて中国語のレベルが一定基準以上あれば、難関と言われる名門大学へ入学するチャンスがあります。

授業料は日本の大学より安く、年間50万円前後(入学金はない)です。私の印象では台湾人の大学生は、日本人の大学生より英語力が上で、英語でのコミュニケーションが取りやすいです。ほかの国から来た留学生とも中国語だけでなく英語でコミュニケーションを取るケースも多々あるので、台湾にいても英語力を上げる機会はたくさんあります。

ぜひ、日本人にとって居心地のいい台湾で中国語と英語の学習をしてみてください。

台湾留学の相談窓口をご紹介

最後に、台湾留学に興味を持たれた方のために、台湾留学の相談機関を紹介したいと思います。

日本台湾教育センター

日本の文部科学省に当たる台湾教育部の機関で、台湾留学につての情報発信、留学フェアや説明会の開催、留学相談などの業務を行っています。

URL: https://tecj.tku.edu.tw/jp/?page_id=7

毎日エデュケーション

台湾留学や中国留学にも力を入れている総合留学エージェント。一般社団法人海外留学協議会(JAOS)の会員企業。

URL: https://ryugaku.myedu.jp/taiwan/

インターサポート

東北をベースに留学サービスを提供している。台湾留学向けサービスも充実している。一般社団法人海外留学協議会(JAOS)の会員企業。

URL: https://www.ispt.co.jp/program/university/taiwan.php

MANDARIN FIRST

今回、中国と台湾の中国語の違いについて教えてくれた呉中恩さん(Tadashiさん)が所属する、台湾にある教育会社。台湾での短期中国語留学やボランティアプログラムなどの手配をしてくれる。もちろん日本語対応も可能。

URL: http://www.mandarinfirst.org/index.php

ここで紹介した機関は、基本的には留学相談は無料なので、気軽に相談してみるといいと思います。また、それぞれの機関のホームページには、役に立つ台湾や留学に関する情報がたくさん掲載されています。

次回は、まず日本国内で中国語学習を始める上で、役に立つツールや教材やYouTubeチャンネル、そして台湾をもっとよく知ることができるおすすめの書籍や映画などについてご紹介したいと思います。

次回は2021年4月21日に公開予定です。

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星野達彦

星野達彦(ほしの・たつひこ) 国際教育事業コンサルタント。
1986年から留学事業のキャリアを積み、多くの大学・政府機関主催のイベントで講演をこなす。世界600校以上の学校を視察。著書に『こうすればなれる留学カウンセラー』(リーダーズノート社刊)、『英語はアジアで学べばうまくいく』(秀和システム社刊)がある。
URL: http://ryugakuth.blog.fc2.com/