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親子でお風呂に入るのはNG?!アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック

親子でお風呂に入るのはNG?!アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック

アメリカのとあるQ&Aサイトに実際にあった質問と回答を取り上げ、よりリアルなアメリカ像を紹介してきた本連載は、今回が最終回!テーマは前回に引き続き「アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック」。日本人とアメリカ人の価値観や文化の違いについて迫っていきます!

こんにちは、英語ジム らいおんとひよこ代表のSalahです。前回は、幼い子どもに一人で留守番をさせることがアメリカではNGであること、小学生の電車通学や自動販売機が屋外にポツンとあることがなぜアメリカ人を驚かせるのかについて、文化的背景を交えてお話ししました。

今回取り上げるのは、前回に引き続きアメリカのQ&Aサイトにあった「アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック」に関する質問と回答です。本記事では「家庭・身近なもののカルチャーショック」というテーマで日米の違いを見ていきます。

日本に訪れた、または在住経験のあるアメリカ人はどんな文化の違いにショックを受けるのでしょうか?アメリカ人が驚く日本文化から見えてくるアメリカの文化や価値観についても考えてみたいと思います。

※Q&Aサイトとは、ユーザーの質問や悩みに対して、ほかのユーザーが回答するプラットフォームのことです。QuoraYahoo Answersなど。

「アメリカではありえない!」日本でのカルチャーショック

まずは今回ピックアップする質問と回答を英語で読んでみましょう。意味の理解が不安なところは日本語訳を参考にしてください(逐語訳ではありません)。

※紹介する英文は、Q&Aサイトの実際のものを基にアルクで作成したものです。

Peterからの質問

What culture shock have you experienced while visiting or living in Japan?

日本を訪れたり、日本で生活したりしていてどんなカルチャーショックを受けたことがありますか?
Susanからの回答

One thing that really surprised me when I first came to Japan was how normal it was for members of a family to bathe with each other – something that would never happen in the U.S. other than with very young children. In Japan, even little girls will have bath time with their dads! The general rule of thumb in the States is that by the time children reach school age, around 5 years old, they should not be bathing or showering with you.

So, I did find this all to be a little strange at first. But I am now quite used to it and understand that bath time could be called “bonding time” for families. Sometimes, parents can have their best talks with children while they are together in the bathtub.

日本に来て本当に驚いたことの一つは、家族で一緒にお風呂に入るのがあまりにも日常的であることだったな。というのも、本当に幼い子どもとの入浴を除いて、これはアメリカではありえないからね。日本では、小さな女の子でもお父さんと一緒にお風呂に入るよね。アメリカでの一般的な経験則では、子どもが就学年齢の5歳くらいになるまでに、親と一緒にお風呂に入ったりシャワーを浴びたりしなくなる。

だから、日本のこの慣習に最初少し違和感があったけど、今ではすっかり慣れたし、お風呂の時間は家族の「絆の時間」とも言えることを理解しているよ。親子が一緒にお風呂に入っている間に、最高の会話が生まれることもあるからね。

Jonathanからの回答

All my life I’ve been told to be careful of raw eggs because of the risk of salmonella infection, but here in Japan people seem to have no problem with them at all. I’ve heard that the eggs are much safer to eat here because they are always checked very carefully for quality.

I used to think of raw eggs as gross, but now I am completely used to them. In fact, I actually really enjoy having them with a dish of natto. I know that everything has been thoroughly cleaned and handled very carefully, and I can consume any egg dish with total peace of mind.

サルモネラ菌感染の危険性があるから、生卵は気を付けるようにアメリカではずっと言われてきたけど、日本ではまったく問題ないようだね。日本の卵は品質が入念にチェックされているので、アメリカよりもずっと安全に食べられると聞いたよ。

生卵は気持ち悪いと以前は思っていたけど、今ではすっかり慣れたね。実際、納豆と一緒に生卵を食べるのをかなり楽しんでいるよ。すべてが徹底的に洗浄され、丁寧に扱われていることを知っているので、どんな卵料理でも安心して食べることができるね。

Janからの回答

The most surprising thing to me was how often people do laundry here. Back in the States, we would do it once a week, if that. Back in the old days, there was a general agreement among homemakers that Monday was “Laundry Day.” But here, that day seems to be every day! To me, it’s just so strange and a total waste of water and resources. I think a lot of women here just see it as part of their job and don’t bother to question it. And they don’t want to be seen as lazy.

One interesting thing is how the local newscasts will tell you if the next day will be good for doing your washing. Weather websites even have special icons that signify “a good day for doing your futon.”

Let me give you a brief rundown of some differences between the U.S. and Japan when it comes to doing laundry. In the States, most homes will have a washer and a dryer, but a lot of homes in Japan only have a washer. On sunny days in Japan, you will find futon mattresses stretched over balcony railings to dry. Even in the evening, you can still see people’s clothes hanging on lines outside their homes. No one grabs them. (Or at least I think they don’t!)

いちばん驚いたのは、日本人が洗濯をする頻度の高さだよ。アメリカでは、せいぜい週に一回しか洗濯をしない。昔、月曜は「洗濯の日」というのが家事をしている人の間では一般的だったけれど、日本では毎日が洗濯の日のようだね!自分としては、ちょっとおかしいし、完全に水と資源の無駄遣いだと思う。日本では多くの女性がこれを仕事の一環として見ているから、それを疑問にすら思わないのだと思う。怠け者だと思われたくないのもあるよね。

面白いのは、地域のニュースキャスターが、明日が洗濯に適しているかどうかを教えてくれることだよ。天気予報のサイトには、「布団を干すのにいい日」を示す特別なアイコンまであるよね。

アメリカと日本の洗濯の違いについて簡単なまとめをするね。アメリカでは、ほとんどの家に洗濯機と乾燥機があるが、日本では洗濯機しかない家が多い。日本では晴れた日には、ベランダの手すりの上に布団を広げて干す。夕方になっても、家の外に洗濯物が干してあるのをまだ見掛ける。誰も取らないけどね。(少なくとも私はそう思っているよ!)

今回の注目フレーズ!

gross 不快な、気持ち悪い

grossは「不快な」や「気持ち悪い」という意味の口語です。Oxford Learner’s Dictionariesではvery unpleasantと定義されています。

grossは、特に食べ物、匂い、不快に感じる行動などに用います。Oh, gross!(あー気持ち悪い!)のように会話の中で、不快感を表すのにもよく使われる語です。

発音はアメリカ英語では/ɡroʊs/、イギリス英語では/ɡrəʊs/で、母音は二重母音で発音されます。

peace of mind 心の平和、心の安らぎ

peace of mindで「心の平和」や「心の安らぎ」、「平穏」という意味です。回答の英文では、I can consume any egg dish with total peace of mind.(どんな卵料理でも安心して食べることができるね)とありました。with peace of mind で「安心して」という意味を表せます。

また、I finally have peace of mind. 「やっと、ほっとした」という意味になります。have peace of mind 「心の安らぎを覚える」で覚えておきましょう。

rundown 概要

rundownは「概要」や「手短な報告」という意味で、特に口頭での簡潔な報告やまとめを言うときによく使われる語です。Longmanではa quick report or explanation of an idea, situation, etc.と定義されています。可算名詞なのでa/anが付くことにも注意しましょう。

上記回答の英文のようにHere’s a rundown of/on ~(これが〜の/に関する概要だよ)という形や、give 人 a rundown of/on ~(人に関する〜の/に関する概要を伝える)という形でも頻出です。Can you give me a rundown on the company?で「その会社についてちょっと説明してくれるかな?」という意味になります。

Q&Aから読むアメリカのリアル

ここからは、アメリカ人が日本で遭遇したカルチャーショックを見ていきます。まずは日本とアメリカの家族での入浴事情から見える、日本人とアメリカ人の価値観の違いを考えてみましょう。

子どもと一緒にお風呂に入るのはNG?!

日本では親子で一緒にお風呂に入るのも「大事なコミュニケーションの時間」と考えられることもありますが、アメリカでは入浴中はプライバシーが守られるべきだという感覚が強く、たとえ幼い子どもでも、基本的には親子で一緒に入浴しません。

回答者Susanは、“…by the time children reach school age, around 5 years old, they should not be bathing or showering with you.”(アメリカでは子どもが就学年齢の5歳くらいになるまでに、親と一緒にお風呂に入ったりシャワーを浴びたりしなくなる)とコメントしていましたね。もちろん家族や子どもによって、個人差はありますが、一般的にアメリカ人はこのような感覚を持っています。

日本では、小学校高学年の子どもでも母親や父親と一緒にバスタブに漬かる、ということもあると思いますが、これはアメリカでは基本的にNGと言えます。

アメリカに移住したばかりの日本人の保護者や子どもが、親子で一緒に入浴していることを何気なく近所の人や学校で話すと、幼児虐待や性犯罪の疑いなどで通報されることもありえます。私の友人の知り合いの日本人は、子どもと一緒にお風呂に入っていることを何気なく近所の人に話したところ、後日、警察が児童虐待の疑いで捜索に来たそうです。

親は子どもが入浴中どうするの?

では、アメリカではどのようにして幼い子どもの体を洗うのでしょうか?

子どもだけがバスタブに入り、親は服を着たままバスタブの外にいる、というのが一般的です。バスタブにお湯が多いと危険なので、腰くらいまでしかお湯をはらないことも多いと言えます。

日本人の感覚からすると、肩までお湯に漬かりたい、と感じるかもしれませんが、お湯をはりすぎることは危険なので、アメリカでは基本的にNGなことが多いようです。

Susanが言っているように、日本ではお風呂の時間は、親子で肩までお湯に漬かり、会話を楽しむbonding timeと呼べる大切な時間ですが、この感覚はアメリカ人にはカルチャーショックと言えるでしょう。

生卵を日常的に食べる日本人

日本では多くの人が日常的に生卵を食べますが、アメリカでは食中毒の危険性から、基本的には生で卵を食べないことが多いです。回答者Jonathanも、最初は生で卵を食べることに抵抗があったとコメントしていましたね。

私は大学院留学で初めてアメリカに住んだのですが、恥ずかしながらアメリカでは普通、生卵を食べないことを知らず、数カ月にわたってかなりの頻度で生卵の卵かけご飯を食べていました。

あるとき、学生寮のフロアメイトがそれを目撃。非常に驚かれ、アメリカではサルモネラ菌感染の危険性があるから、生卵は絶対に生で食べないほうがいいと言われました。幸い体には何も異常は起こりませんでしたが、アメリカでは卵を生で食べるのは避けたほうがよいでしょう。

ほかにも、日本人がホームパーティーですき焼きをするときに、参加者に生卵を振る舞ってしまったということもしばしばあるようです。安心して生卵が食べられる日本は、食品品質管理において世界トップレベルだと改めて感じます。

洗濯物は外干ししない

日本では洗濯物を外干しすることが一般的ですが、アメリカでは(超田舎などを除き)基本的に、洗濯物は乾燥機で乾かします。回答者Janはいちばん驚いたのは、日本人が洗濯をする頻度の高さだと言っていましたね。

日本では毎日〜3日に一度程度の間隔で洗濯をする家庭も多いように思いますが、アメリカでは乾燥機の性能がよく、外干しする文化がないので、せいぜい週に一回しか洗濯をしない家庭も多いようです。

私が留学中は、洗濯物を1.5~2週間ためてから洗濯する人を学生寮でよく見掛けました。もちろん人によりますし、大家族なら洗濯頻度は上がると思いますが、乾燥機を使えば、雨天などに関係なく乾かすことができるので、日本人よりアメリカ人の方が洗濯間隔が長く、まとめて洗濯する傾向があるかもしれませんね。

アメリカでは洗濯機と乾燥機別々が多い?!

ところで、アメリカでは洗濯機と乾燥機が別々なことが多いと言えます。一方、日本では、そもそも洗濯機しかなく乾燥機はない、または乾燥機を使用しないという家庭も多いですし、乾燥機と洗濯機が1台になっていることも多いですね。

アメリカでは乾燥機と洗濯機が一体になっているwasher-dryer comboも売ってはいるのですが、基本的に洗濯乾燥機一体型は浸透していないようです。

私が住んでいた大学院の学生寮でも、洗濯機と乾燥機は別々でしたし、その後ニュージャージー州プリンストンで一軒家の一室を借りて住んでいましたが、やはり別々でした。

晴れの日=洗濯日和、という考え方

日本では天気予報を常にチェックして、洗濯物を外に干せるかを気にする人も多いですね。天気予報で「洗濯日和」や「お布団を干すのに最適な天気」などと言うことも一般的ですが、これも洗濯物を外干しする文化が根づいている日本ならではの文化で、多くのアメリカ人にとってはユニークな文化と言えるでしょう。

私はアメリカで外干ししないで乾燥機で済ませる快適さに慣れすぎて、日本に帰国した時、雨や曇りの日でも外干ししている家庭を見て、逆カルチャーショックだったのを覚えています。

洗濯も買い物もまとめてが好き?!

また、アメリカ人は家事全般で、日本人よりも何かと「まとめて」行う傾向があると言えるかもしれません。日本では、週に2〜3回買い物に行く家庭も少なくないと思いますが、アメリカでは買い物はコストコなど大型スーパーに行き、一週間分まとめて買う、というような家庭も多いです。

私はTrader Joe’s*1というスーパーにいつも行っていましたが、毎回アメリカ人の一度に買う量には驚かされていました。

アメリカにはママチャリがない?

ところで、日本ではいわゆる「ママチャリ」で近くのスーパーに買物に行く、という人もいます。ママチャリには子どもを載せるシートが付いていたりもします。

しかし、アメリカではママチャリはレア。自転車はスポーツタイプが基本で、スカートやワンピースを着ていても気楽に乗れる「ママチャリ」はほとんど見掛けません。

これは前回の記事でもお話ししたように、スーパーまでの物理的距離の問題、防犯上の問題、車社会のアメリカ、子どもの安全を最優先する、大型スーパーでまとめて大量に買い物をする、など、アメリカのさまざまな事情が合わさりママチャリが普及していない、と言えるかもしれませんね。

まとめ

今回の記事ではアメリカ人が日本で感じたカルチャーショックについて見てきました。記事の最後では「ママチャリ」のことを一緒に考えてみましたが、日本のお母さんたちが前カゴと荷台に子どもを乗せ、さらに傘を差しながら両手に買い物袋をぶら下げて都心を走行している姿は、もはやサーカス芸のように映ると私の友人は言っていました。

日本では当たり前のことがアメリカ人にとってカルチャーショックだったり、逆にアメリカで当たり前のことが日本人にとってはあり得ない、ということもあり文化の違いは面白いですね。今回の記事で紹介したことをぜひ参考にしてみてくださいね!

最後に

「Q&Aサイトから読むアメリカのリアル」では全6回にわたって、アメリカ文化についてお話しましたがいかがでしたでしょうか?

アメリカのニュースメディアの背景知識から日本との文化の違いまで、さまざまな視点から「アメリカのリアル」を見てきましたが、いつも読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。

この連載を通してアメリカと日本の文化の違いや、アメリカという国の面白さを再発見していただけたならとてもうれしいです。これからアメリカの映画を見る時やアメリカのニュースを見る時など、ふとした瞬間にこの連載で取り上げたことを少し思い出してみてくださいね!

「ENGLISH JOURNAL ONLINE」では記事が他にもたくさんありますので、興味がある方はぜひバックナンバーもチェックしてくださいね。

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この連載の著者、Salahさんはオンライン英語スクール「英語ジム らいおんとひよこ」の代表を務めています。また、YouTube・note・英語ウェブメディアなどのSNSで英語学習全般についての情報を毎日発信しているのでぜひこちらもご覧ください!

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*1:ロサンゼルス郡を本拠とする、アメリカのグロサリー・ストアチェーン

サラ

サラ 英語ジム らいおんとひよこ®代表。 コロンビア大学大学院 英語教授法修士。 コロンビア大学修了後は、TOEIC、TOEFLなど作成する米最大のテスト作成機関 Educational Testing Service(ETS)本社で問題作成者として勤務(フルタイムインターン)した。 アメリカのニュースとトークショーが大好きで、毎日欠かさず視聴しています。
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