子ども1人で「留守番」はNG?!アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック

子ども1人で「留守番」はNG?!アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック

この連載では、アメリカのとあるQ&Aサイトに実際にあった質問と回答を取り上げ、よりリアルなアメリカ像を紹介しています。第5回のテーマは「アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック」。日本人とアメリカ人の価値観や文化の違いについて迫っていきます!

こんにちは、英語ジム らいおんとひよこ代表のSalahです。前回は、日本人英語学習者がついつい言ってしまいがちな「最近ちょっと太った?」や「鼻が高くてカッコいいね」など身体的特徴についての言及がNGである理由や、トイレ使用中に清掃員がいることがアメリカ人にとっていかに驚きか、などについてお話しました。

今回の連載第5回で取り上げるのは、前回に引き続きアメリカのQ&Aサイトにあった「アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック」に関する質問と回答です。

日本に訪れた、または在住経験のあるアメリカ人はどんな文化の違いにショックを受けるのでしょうか?アメリカ人が驚く日本文化から見えてくるアメリカの文化や価値観についても考えてみたいと思います。

※Q&Aサイトとは、ユーザーの質問や悩みに対して、ほかのユーザーが回答するプラットフォームのことです。QuoraYahoo Answersなど。

「アメリカではありえない!」日本でのカルチャーショック

まずは今回ピックアップする質問と回答を英語で読んでみましょう。意味の理解が不安なところは日本語訳を参考にしてください(逐語訳ではありません)。

※紹介する英文は、Q&Aサイトの実際のものを基にアルクで作成したものです。

Janeからの質問

What culture shock have you experienced while visiting or living in Japan?

日本を訪れたり、日本で生活したりしていてどんなカルチャーショックを受けたことがありますか?
Jackからの回答

I am always surprised to see young kids traveling by themselves on the trains and subways. They just look so cute and seem so unafraid. I would have been terrified to travel by myself like that at their age!

Of course, most children in Japan go to schools that are near their homes, and most parents bring their children to school or the kids walk together in groups. But some parents prefer to send their sons and daughters to private schools that are some distance away, and the kids have to take public transportation to get there. They can be spotted on the train wearing their school uniform and hat and sporting a little backpack.

When I was young, my best friend called on my house every morning at 8:30 and we walked the five blocks to school together. But in the U.S. these days, it seems that school buses pick up kids or their parents drive them, and you see fewer and fewer kids walking along the streets.

幼い子どもたちが、電車や地下鉄で一人で移動しているのを見るといつも驚かされるね。とてもかわいくて、怖いものなしのようにも見える。自分がその子たちの歳だったら、電車で一人で移動することに恐怖を感じると思うな。

もちろん、日本の子どもたちのほとんどは、家の近くの学校に通っているし、ほとんどの親が、子どもを学校に連れて行ったり、子どもが集団で歩いて登校したりしている。でも、中には、息子や娘を少し離れた私立の学校に通わせたいと考える親もいて、そうすると子どもたちは、公共の交通機関を使わなければならない。電車の中で制服と帽子を着て、小さなリュックを堂々と背負っている子も見掛けるよね。

アメリカでは、僕が子どもの頃、毎朝8時半に親友が家に来て、一緒に5ブロック歩いて学校に行っていたよ。でも最近のアメリカでは、スクールバスが子どもを迎えに行ったり、親が車で子どもを送っているようで、道を歩いている子どもを見掛けることが少なくなってきたね。

Timからの回答

I couldn’t get over the number of vending machines here. They are just everywhere and they sell literally everything! Along with hot and cold beverages (and from the same machines!), you can find ones that sell magazines, fresh eggs, vegetables, sandwiches, and even lottery tickets! I doubt if you could find such a variety in any other country.

You don’t see as many as you used to, but some machines sell alcoholic beverages, and they can be accessed all day, every day. In the United States, drinking on the streets is a definite no-no. Not only is it a social taboo, but it is actually illegal in some states. You can probably get away with it if you are being discrete, but if you are too brazen about it, you might catch the eye of a police officer and find yourself in trouble. But in Japan, tired workers can often be spotted relaxing with a beer on their home commute. No one bats an eye.

日本の自動販売機の数は理解できないね。どこにでもあり、文字通りなんでも売ってる。温かい飲み物や冷たい飲み物のほかに(しかも1台の自販機の中で!)、雑誌、新鮮な卵、野菜、サンドイッチ、そして宝くじまで売ってる。ほかの国でこれだけの種類は見つけられないと思う。

昔ほど見掛けることはないけど、お酒を売っている自販機もあるし、一日中利用することができる。アメリカでは、路上での飲酒は絶対にNG。それは社会的タブーであるだけでなく、いくつかの州では実際に違法だ。目立たないようにしていれば多分なんとかなるけど、あまり大げさにやってしまうと警察官の目に留まり、トラブルに巻き込まれてしまうかもしれない。でも、日本では、仕事帰りの疲れた会社員が、帰宅途中にビールを飲みながらくつろいでいる姿がよく見られる。誰も見向きもしないけどね。

Jennieからの回答

When I visited Japan, I was especially blown away by the restrooms. They were very clean and the toilets were quite sophisticated. But sometimes I had trouble trying to figure out how to flush them. Press this button, and you get a flushing sound, but not an actual flush. Press this one, and you get a little water fountain to clean your behind. One time, I had to ask another restroom user how to actually flush the toilet, and she told me that you had to hold your hand over a sensor for three seconds. I had no idea!

日本を訪れたとき、トイレには特に驚かされた。とてもきれいで、かなり洗練されていたよ。でもときどき、どうやって流すのかがわからなくて困ったこともあったよ。このボタンを押したら、水を流す音がしただけで、実際には流れなかった。次に、違うボタンを押すと、水が少し出てきて、お尻をきれいにしてくれる。あるときは、使い方がわからず、トイレにいた人に流し方を聞いてみたら、彼女は「センサーに3秒間手をかざすと流せる」と教えてくれた。そんなこと知らなかった!」

今回の注目フレーズ!

a no-no してはいけないこと

a no-no「してはいけないこと」、「NGなこと」を意味する口語です。可算名詞なのでa/anが付くことにも注意しましょう。

ところで、日本語の「NG」は基本的に和製英語なので気をつけましょう。英語でno-goodという表現は確かにありますが、「無価値・役に立たない人・もの」や「軽蔑に値する人」などを表しニュアンスがずれることも多いので注意が必要です。

日本語の「NG」は基本的に「受け入れられないこと」や「してはいけないこと」という意味が強いと思いますが、それに近い英単語はunacceptableなどですので覚えておきましょう。

catch the eye of~/catch someone’s eye  

人の目に留まる、人の注意を引く

catch the eye of 〜またはcatch someone’s eyeで「人の目に留まる」や「人の注意を引く」を意味します。Timの回答の中にcatch the eye of a police officerという表現が登場していましたが、これは「警察官の目に留まる」という意味になります。

レストランなどでCan you catch the server’s eye?と言えば、 「ウェイターこっちに気づいたかな?」という意味になります。catch the server’s eyeで「ウェイターの視線をこちらに向ける」というコロケーションを覚えておきましょう。

be blown away

度肝を抜かれた、ものすごく感動した

blow away ~またはblow ~ awayは「〜を仰天させる」や「〜の度肝を抜く」、「〜をものすごく感動させる」という意味の超頻出スラング表現です。

His performance blew me away.と言えば「彼のパフォーマンスに度肝を抜かれた」という意味になります 。Jennieの回答にあるI was especially blown away by the restrooms. のように、be blown awayと受動態で使うこともできます。

Q&Aから読むアメリカのリアル

ここからは、アメリカ人が日本で遭遇したカルチャーショックを見ていきます。まずは小学生の通学事情から見える、日本人とアメリカ人の価値観の違いを考えてみましょう。

日本の小学生の電車通学・通塾にビックリ

回答者のJackは、I am always surprised to see young kids traveling by themselves on the trains and subways.(幼い子どもたちが、電車や地下鉄で一人で移動しているのを見て、いつも驚かされる)と言っていますね。日本では、都市部で小学生くらいの子が1人で電車や地下鉄に乗って、通学・通塾するのを見掛けることもありますが、多くのアメリカ人にとって、この光景はかなりのカルチャーショックだと言えます。

一般的に、アメリカではたとえ短い間でも子どもを放置することは厳禁です。具体的な法律は州によって異なりますが、公園で子どもを1人で遊ばせることや、車内で放置すること、自宅での留守番もNGであることが多いのです。

例えば、ワシントン州在住の私の友人によると、エンジンがかかった車の中に、16歳未満の子どもを放置することは州法で禁止されており、10歳以下の子どもを1人で留守番させることもNGと言っています。

子どもの留守番はNG!?

留守番については、8歳以下の留守番を禁止する州や、14歳以下の留守番を禁止する州、そして、そもそも州法が制定されていない州もありますが、基本的なガイドラインとして10~12歳以上から留守番可としているケースが多いようです。

日本では、「ちょっと買い物に行くからお留守番しててね」と言って、小さい子を残して保護者が外出することも珍しくないように思いますが、これはアメリカでは絶対に避けたほうがいいでしょう。

このように「子どもを保護者の目の届かない場所で1人にしない」というのが、アメリカでの基本原則。これは誘拐や、日常に潜む怪我や事故を防ぐこと、そして、何よりも「子どもは守られるべきだ」という子どもの人権に基づいた考え方と言えます。

スクールバス通学や保護者の送迎が基本!

次に、日米の子どもの一般的な通学スタイルについての違いを考えてみましょう。日本では多くの場合(特に首都圏以外では)、小学生は友達同士で歩いて通学というスタイルが多いと思います。

一方アメリカでは、自宅から学校までが1マイル(約1.6 キロメートル)以下など、近い場合は徒歩通学の生徒もいますが、小学生はスクールバスでの通学や、保護者が車で送迎するのも一般的です。ハリウッド映画などでスクールバスの通学シーンを一度は見たことがある人も多いでしょう。

徒歩通学でなく、アメリカでスクールバス通学などが多いのには理由があります。第一の理由は、物理的な距離です。アメリカは非常に大きな国のため家から学校が遠すぎるという場合も多く、そもそも徒歩や自転車で学校に通えない、という子どもも少なくありません。

二つ目の理由は前述もしましたが、犯罪から子どもたちを守るためです。子どもが1人で通学したり、友達同士で子どもだけで通学すると誘拐などの犯罪の危険性が高まります

ただ、回答者のJackがWhen I was young, my best friend called on my house every morning at 8:30 and we walked the five blocks to school together.(子どもの頃は、毎朝8時半に親友が家に来て、一緒に5ブロック歩いて学校に行っていたよ)と言っており、アメリカでもなん十年も昔は、歩いていける距離の場合、徒歩通学者も一定数いたようです。しかし、現在は場所にもよりますが、スクールバス、親の車送迎、親が徒歩で送迎、の3つが多く、子どもだけの徒歩通学は少なくなっているようです。

スクールバスは最優先!

アメリカでは、道路での子どもの安全確保に対する意識が高いため、スクールバスの安全は最優先されます。州によって規制は異なりますが、スクールバスを追い越してはいけない、車間距離を保つ、子どもが安全に乗降車するまで停止する、など細かいルールがあり、子どもの安全第一という考えはアメリカ全土に浸透していると言えます。

アメリカは車社会

ところで、アメリカは都市部を除き、基本的に多くの場所では車社会です。学校が自宅からかなり離れている場合も多いだけでなく、最寄りのスーパーマーケットも車で何十分もかけないと行けない、というアメリカ人も少なくありません。

私はアメリカ大学院修了後、ニュージャージー州プリンストンにあるEducational Testing Service (ETS)というテスト作成機関で働きましたが、オフィスは電車やバスなどの交通機関を使ってもなかなか辿り着けないような場所に位置しており、車がないと行けない場所でした。

プリンストンに引っ越すとき、なるべくETSに近い物件を探しましたが、それでも最も近い物件でも、ETSから車で20分離れている、という感じで、結局同僚アメリカ人にカープールをお願いして毎日出勤していました。私は時間にきっちりしているタイプなのですが、運転手のアメリカ人は少しくらいの遅れは気にしないタイプ。同僚が少し遅れて来たときは、自分も遅刻するのではないかといつも気になっていたことを今でも覚えています。身を持ってアメリカが車社会であることを知った体験でした。

屋外自販機はアメリカではレア?!

さて、ここからはモードを変えて、自動販売機に見る日米の文化的違いを紹介します。回答者のTimは、I couldn’t get over the number of vending machines here.(日本の自動販売機の数は理解できない)とコメントしていますね。

日本には都市部でも田舎でも、至るところに自動販売機が置いてあります。一方、アメリカではジュースやお菓子などが買える自動販売機は、屋内にはありますが、屋外に自販機だけが設置されていることはあまりありません。これは、屋外に自販機だけが置いてあると、すぐに壊されてお金も販売している商品も盗まれてしまうからです。

アメリカでは屋外に自販機がある場合、自販機ごと盗み出されてしまわないように、柵の中に自販機を設置する、など防犯対策がされていることもあります。日本のように、人けの少ない道端などに、自動販売機がポツンとあるのはアメリカ人の感覚からすると驚きのようです。

酒とタバコの自販機はありえない

また、アメリカ人にとってさらに驚きと言えるのが、酒やタバコが自販機で買えるということ。TimがYou don’t see as many as you used to, but some machines sell alcoholic beverages,... (昔ほど見掛けることはないけど、お酒を売っている自販機もあるし、一日中利用することができる)と言っているように、昔ほどは多くはないものの、酒やタバコが自販機で買えてしまうことはアメリカ人にはカルチャーショックです。

アメリカでは、酒やタバコを購入する際に、未成年かどうかの判別が難しい場合、身分証明書の提示が求められることも多く、さらに、…drinking on the streets is a definite no-no. Not only is it a social taboo, but it is actually illegal in some states.(アメリカでは、路上での飲酒は絶対にNG。それは社会的タブーであるだけでなく、いくつかの州では実際に違法だ)というTimのコメントからわかるように、基本的に公共の場所でお酒を飲むことはNGです。州によっては違法となります。

一方、日本では仕事終わりの会社員が帰宅中の電車で飲酒しているのも見かけることがありますが、これもアメリカ人には驚きの光景と言えます。

日本のハイテクトイレは世界最強?!

アメリカ人のみならず、日本に来た外国人の誰もが驚く日本のウォシュレットトイレ。ほとんどのホテルで採用されていることや、最近では多くの商業施設や公共トイレでもウォシュレットトイレを見かけるのは特筆すべきことでしょう。

回答者のJennieは、流水音を流せたり、手をかざしてセンサーで水を流す日本のハイテクトイレに非常に驚いたようですが、このようなトイレをアメリカで見ることはほとんどなく、アメリカ人が日本のトイレの使い方に戸惑うのも無理のないことかもしれません。日本のハイテクトイレは名実ともに世界に誇れるものですね。

Salah

サラ 英語ジム らいおんとひよこ®代表。 コロンビア大学大学院 英語教授法修士。 コロンビア大学修了後は、TOEIC、TOEFLなど作成する米最大のテスト作成機関 Educational Testing Service(ETS)本社で問題作成者として勤務(フルタイムインターン)した。 アメリカのニュースとトークショーが大好きで、毎日欠かさず視聴しています。 YouTube・note ・英語ウェブメディアなどSNSはこちら