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「最近ちょっと太った?」はNG?!アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック

「最近ちょっと太ったね」はNG?!アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック

この連載では、アメリカのとあるQ&Aサイトに実際にあった質問と回答を取り上げ、よりリアルなアメリカ像を紹介しています。第4回のテーマは「アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック」。日本人とアメリカ人の価値観や文化の違いについて迫っていきます!

こんにちは。英語ジム らいおんとひよこ代表のSalahです。前回は、履歴書の書き方や就業についての日本とアメリカの違いをお話ししました。さて、今回取り上げるのは、アメリカのQ&Aサイトにあった「アメリカ人が日本で受けたカルチャーショック」に関する質問と回答です。

日本に訪れた、または在住経験のあるアメリカ人は、どんな文化の違いにショックを受けるのでしょうか?カルチャーショックから見えてくるアメリカの文化や価値観についても考えてみたいと思います。

※Q&Aサイトとは、ユーザーの質問や悩みに対して、ほかのユーザーが回答するプラットフォームのことです。QuoraYahoo Answersなど。

「アメリカではありえない!」日本でのカルチャーショック

まずは今回ピックアップする質問と回答を英語で読んでみましょう。意味の理解が不安なところは日本語訳を参考にしてください(逐語訳ではありません)。

※紹介する英文は、Q&Aサイトの実際のものを基にアルクで作成したものです。

Andersonからの質問

What culture shock have you experienced while visiting or living in Japan?

日本を訪れたり、日本で生活したりしていてどんなカルチャーショックを受けたことがありますか?
Janeからの回答

One thing that really surprised me was how people who are usually so polite can be so rude sometimes! They say things that would be considered way too blunt elsewhere. For example, I often get told how big my nose is. I have never heard that anywhere else in the world! It hurts my feelings and I don’t know why people say it. I wish I knew the best way to respond. Should I say, “Oh, your nose is so puny!”?

The other thing is how people say, “Hey, you’ve put on weight.” One of my friends got married last year to a very good cook. Within a year of settling down, he found he had put on 10 pounds. He was shocked at the number of people who told him that he had become fat. You would never, ever say such a thing in most countries unless you really are trying to be insulting. I also would never say, “Oh, you’ve become thin,” because that could mean that person is unhappy or suffering from some health problem. It’s just a good idea never to mention people’s weight at all, even if you think it’s a compliment. Just say, “You’re looking well” or “You’re looking happy.”

日本で本当に驚いたことの一つは、普段はとても礼儀正しい人たちが、ときにはとても失礼なときがあるということだね!日本以外の国だと、あまりにもぶっきらぼうと捉えられるようなことを日本人は言うよね。例えば、「鼻が高い」と言われることが私は多い。そんなこと世界中のどの国でも言われたことがないね!それは私の気持ちを傷つけるし、日本人がなぜそんなことを言うのかわからない。どう対応すればいいのか知りたいよ。「あなたの鼻はちっぽけだね!」とでも言うべきなのかな?

もう一つは、「ちょっと太ったね 」と言われること。私の友人が昨年、料理上手な人と結婚したんだけど、身を固めて1年も経たないうちに、彼は自分が10ポンドも太ったことに気が付いたんだけど、彼に「太ったね」と言ってくる人が多くて、ショックを受けていたよ。誰かを本気で侮辱しようとしているのでなければ、ほかの国では絶対にそんなことは言わない。あと、「痩せたね」とも絶対に言わない。その人が不幸であるとか、何か健康上の問題を抱えているという意味にもなりえるからね。褒め言葉だと思っていても、人の体重にはとにかく一切触れない方がいい。「元気そうだね 」とか 「幸せそうだね 」とだけ言うね。

Isaacからの回答

There are two things I would like to mention. The first one is about the degree of punctuality in Japan. At the beginning of my first university class here in Japan, the professor made it clear that tardiness would not be tolerated – to the degree that if you were one minute late, you would be marked as late. He said that if you were late because of a train delay, you should present a train delay certificate. I was literally like, “What?” I had no idea that such things existed, but they do indeed in Japan!

When I meet my friends here, I always plan to be about 10 minutes early because I hate getting frowned at if I’m a minute late!

Another thing that has startled me is seeing female staff cleaning the men’s restroom while men are still in there. I have also seen female staff cleaning the men’s side of a public bathhouse. I am always so surprised that others aren’t surprised! But I know the staff just has jobs to do.

言いたいことが二つあるね。一つ目は、日本の時間厳守の度合いについて。私が日本で初めて大学の授業を受けたとき、遅刻は許されないと教授が明言したんだ。1分でも遅れると「遅刻」と見なされるほどだったよ。電車の遅延を理由に授業に遅刻した場合は、遅延証明書を提示するようにと言われた。私は文字通り「え?」と思ったよ。そんなものがあるとは知らなかったんだけど、日本には本当にあるんだね!

日本で友人と会うときは、いつも10分くらい早く行くようにしている。少しでも遅れて顔をしかめられるのが嫌だからね!

もう一つ驚いたのは、男性がトイレを使用しているのに、女性スタッフが男性用トイレを掃除していることだね。銭湯の男湯を女性スタッフが掃除しているのを見たこともある。スタッフは仕事をしているだけとわかってはいるけどね。

Paulからの回答

I have been here in Japan for many years, but I still cannot get used to that “senpai/kohai” thing. Even if you are the one with better ideas, you have no choice but to be subservient to the older person, even if you feel that person is an idiot! This really dampens worker motivation and creativity. I think a lot of companies are suffering from reduced productivity because of this outdated way of thinking.

日本に来てから何年も経つけれど、いまだにあの「先輩・後輩」というものには慣れないな。自分の方が優れたアイデアを持っていても、年上の人に従うしかない。たとえその人をバカだと思っても!これでは、働いている人のモチベーションや創造性がすごく低下してしまうよ。このような時代遅れの考え方が原因で、多くの企業が生産性の低下に悩んでいるんじゃないかな。

今回の注目フレーズ!

blunt ぶっきらぼうな、無遠慮な

be blunt with ~で「~に単刀直入に言う」という意味です。be direct with ~でも同じ日本語訳になりますが、語感が異なります。directは「聞き手に誤解なく明確に理解できるようはっきり言う」というニュアンスなのに対し、bluntは「相手の感情や礼儀正しさなどを考慮せず、言いたいことをはっきり言う」というニュアンスです。

相手にとって不都合なことを言うときは、Can I be blunt with you? 「はっきり言ってもいい?」などと言えるので覚えておきましょう。

I was like, “~” ~だと言った/思った、〜な感じだった

「〜と言う」や「〜と思う」はsayやthinkなどが使えますが、口語ではbe 動詞 + likeで同じ意味で使えます。特に過去の出来事を描写するときなどによく使われます。I said “~” やI thought “~”の言い換えの口語表現として覚えておきましょう。

また英文の中のliterally「文字通り」も口語で非常によく使われる表現です。ただしI was like…やliterallyを多用しすぎると稚拙(ちせつ)な英語にも聞こえるので注意しましょう。

settle down  (結婚して)身を固める、腰を据える

ここでは、間違えやすいsettle downとsettle inの違いを整理しましょう。両方とも「落ち着く」と訳すことができますがニュアンスが異なります。

settle inは「(新しい家・仕事・環境など)に慣れる/落ち着く」という意味で、引越しをして、新しい土地に慣れてきたときなどに使います。

例えば、私は大学院修了時にニューヨーク州からニュージャージー州に引越しをしたのですが、そのとき友人にLet me know when you settle in!と言われました。これは「(新しい環境に慣れて)落ち着いたら、連絡して!」という意味なので、settle inを使うのがピッタリですね。

staff スタッフ

staff集合名詞なので、a staffやstaffsとは言えないことに注意しましょう。staffを英語で定義するなら、all the people employed by a particular organizationとなり、この意味を反映してstaffを正確に訳すと、「雇われているスタッフ全員」となります。「スタッフ1人」はa staff memberと表すことを覚えておきましょう。

なおstafferという単語もあり、この場合はa stafferと言えます。この語は主に報道機関や行政機関などの「職員」という意味で使われることが多いです。

Q&Aから読むアメリカのリアル

ここからは、アメリカ人が日本で遭遇したカルチャーショックを見ていきます。まずは身体的特徴に対しての感覚から見える、日本人とアメリカ人の価値観の違いを考えてみましょう。

「鼻が高い」など身体的特徴に言及するのはNG

一般的に、日本人は「鼻が高い」ことに対してポジティブなイメージを持っています。テレビを見ていて「あの芸能人鼻が高くてかっこいいよね」という会話も日本ではよく聞きますね。

一方、アメリカで「鼻が高い」というのは基本的に褒め言葉になりえず、回答者のJaneがI have never heard that anywhere else in the world! It hurts my feelings and I don’t know why people say it.と言っているように、多くのアメリカ人はこの感覚を持っており、「鼻が高い」と言われれば、むしろ感情を傷つけられる人もいます。日本とはまったく逆の価値観と言えますね。

アメリカに限ったことではありませんが、欧米には鼻が「高い」人も多く、むしろ鼻を低くしたいと感じている人もいるでしょう。では、アメリカで鼻が「低い」人がいたら「鼻が低くていいね!」と褒めるのでしょうか?答えはNOです。

そもそも身体的特徴について話題にしない、言及しないのが普通で、英語では侮辱的に聞こえるときもあるので注意が必要です。いくらその人の鼻が素敵に見えても言及しないことがいちばんです。

「最近ちょっと太った?」もNG

日本では、仲がいい友人との会話で「最近ちょっと太った?」というフレーズを耳にすることがあります。または職場でも、結婚した後のいわゆる「幸せ太り」を同僚や上司などから冗談交じりに指摘されることもあるかもしれません。

しかし、アメリカではこのような体重に関する身体的特徴に言及するのはNGです。本当に仲がいい友人の間ではありえますが、日本語の「ちょっと太ったね」のように気軽には使われることはありません。

おめでたいことがあった後の「幸せ太り」の場合で、祝福したい気持ちがあったとしても、英語ではfatなどと言うのは避けたほうが無難です。JaneがYou would never, ever say such a thing in most countries unless you really are trying to be insulting.と言っているように、fatというのは相手を侮辱しているようにも聞こえます。私の友人のアメリカ人に言わせると、You got fat.などと言うのはYou’re ugly.などと同等の意味があるとのことです。

また、「痩せたね」と言うのは、その人が何か健康上の問題を抱えているという意味にもなりえます。繰り返しますが、身体的特徴は一切触れないのが無難です。You’re looking wellやYou’re looking happy.とだけ言うようにしましょう。

まずは身に付けているアイテムを褒めてみよう

では、どのような褒め方をしたらいいのでしょう?アメリカでは「その靴いいね」「ジャケットいいね」などと、身に付けているアイテムを褒めるのがいいでしょう。友人だけでなく、職場の同僚などにも気軽に「それいいね」と言うことができます。また、「新しい髪型、素敵だね」などももちろん不快に感じません。

「遅延証明書」に見る日本人の徹底した時間厳守

次に紹介するアメリカ人が日本で受けたカルチャーショックは、日本人の「時間厳守」です。Isaacは大学教授の厳格な遅刻のポリシーについて驚いただけでなく、遅延証明書があることにも驚いたと言っていますね。

日本では、電車が15分~30分遅れただけで遅延証明書が発行されることがありますが、これはアメリカ人(もちろん多くの欧米人も)にとって非常に異質な文化と言えるでしょう。アメリカでも列車の車両故障や運営会社のトラブルによって電車が大幅に遅れたり運休になったりする場合は、遅延のアナウンスや証明が発行されることもあるかもしれません。しかし、遅延証明書をもらうために長蛇の列ができたり、会社や大学の授業に遅刻するときに重要な「証拠」となるという日本の文化は独特だと言えます。「並んでいる時間があったら会社に向かえば?」と思うアメリカ人も多いかもしれませんね。

トイレを使用中に清掃員がいるのが落ち着かない?!

Isaacは男性がトイレを使用中なのに、女性スタッフが男性用トイレを掃除していることにもとても驚いたと言っています。アメリカでは一般的に、トイレを掃除する時は「清掃中」のコーンなどが設置され、一時的にトイレを使用禁止にします。使用禁止にしているので男性が女性トイレを掃除することもそれほど珍しいことではありません。

また、アメリカでは防犯などの理由から、個別のトイレのドアや仕切りが大人の膝下から頭くらいまでの高さまでしかないことがほとんどです。よって、誰かがトイレを使用していると、靴が見えることも多いです。このあたりも日米の違いと言えるでしょう。また、アメリカの都市部では最近、gender-neutral bathroomと呼ばれる誰でも使用できるトイレも見かけるようになってきています。

同様に銭湯や温泉の男湯にお客さんが入浴中なのに、女性の清掃員が浴場や更衣室の掃除をしている、ということもアメリカ人にとっては驚きと言えるでしょう。そもそも銭湯や温泉で裸になって他人と一緒にお風呂に入ること自体が多くの欧米人にとってカルチャーショックになります。いろいろな意味で日本の銭湯や温泉文化はユニークですね。

先輩・後輩文化:「先輩は絶対」が理解できない

最後に、アメリカ人に限ったことではありませんが、多くの欧米人にとって日本の「先輩・後輩文化」はやはり独特で理解に苦しむことも多いと言えます。アメリカでは前回記事でもお話しましたが、履歴書に年齢はおろか性別や国籍も記載しません。仕事は年齢でなく経験・実力・実績によって評価されるのが当たり前ですし、そもそも年齢によって物事をきめることはほとんどありません。

まとめ

今回の記事ではアメリカ人が日本で感じたカルチャーショックについて見てきました。日本とは大きく異なることがたくさんありましたね。

アメリカの文化を知っておくことは、アメリカ人を深く理解する上で非常に重要なことでコミュニケーションも円滑にします。最近は洋画やYouTubeなどで日本にいながらもアメリカの様子も学ぶことができます。

「あれ、これって日米の文化の違いかな?」ということに気付いたら、インターネットで検索したり、アメリカ人の友人がいれば質問してみましょう。きっと何か気付きがあるはずです。今回の記事で紹介したこともぜひ参考にしてみてくださいね!

サラ

サラ 英語ジム らいおんとひよこ®代表。 コロンビア大学大学院 英語教授法修士。 コロンビア大学修了後は、TOEIC、TOEFLなど作成する米最大のテスト作成機関 Educational Testing Service(ETS)本社で問題作成者として勤務(フルタイムインターン)した。 アメリカのニュースとトークショーが大好きで、毎日欠かさず視聴しています。
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