ENGLISH JOURNAL ONLINE

ジャズシンガーのように英語を発声する【一流が教えるマル秘発音練習法】

ジャズシンガーのように英語を発声する【一流が教えるマル秘発音練習法】

同時通訳者、企業英語トレーナー、朗読家――英語の世界で活躍する方々に、ご自身が実践するトレーニングやおすすめの発音練習法をご紹介いただきます。第5回は株式会社ブリッジインターナショナル代表の小熊弥生(おぐま・やよい)さんです。

発音を間違えて大笑いされた原体験

19 歳でアメリカを一人旅したときは、タクシーの運転手にラスベガスのホテル名だった
「Circus Circus」すら筆談しないと伝わらないほどでした。アメリカ人5 人と共同生活をしたときには、election(選挙)が正しく発音できず、ここでは恥ずかしくて書けない単語を口にしてしまいました。ルームメイトたちに大爆笑され、私は心に誓いました。絶対に発音はちゃんと学ぼうと。

ほかの方の失敗に遭遇したこともあります。英語から日本語の通訳では聞きほれるほど素晴らしい通訳をされていた同時通訳者の大先輩が、ランチ休憩のときに英語で「貴重品は持参してくださいね」と伝えようとしたのですが、valuables(貴重品)を3 回言っても通じなかったのです。コミュニケーションの場では発音が何より大切であることを痛感する出来事でした。あれからもうすでに10 年近くたっていますが、一生忘れられないでしょう。

腹式呼吸で声を息に乗せる

英語の発音をよくするため、私が真っ先に心掛けるようになったのは、

① L とR の舌と口の形は絶対に守る。

②恥ずかしがらず怠けず、しっかり思い切り発音する。

③腹式呼吸でジャズシンガーのように声をしっかり息に乗せて発音する。

もう少し詳しく説明すると、正しい発音のコツで大切なのは第一に舌と口の形です。例えばL は前歯の裏を舌先で蹴るようにして発音し、R は舌を丸めて口内のどこにも
付けずに発音するというようなことです。そして腹式呼吸。おなかと背中360 度方向に空気をたっぷり入れるような意識で呼吸し、吐く息に乗せて英語を話しましょう。

発音を上達させる上ではモチベーションも欠かせません。なぜなら、発音は文脈に頼れば通じてしまうことが多く、そうなると自分の発音を改善しなくなるからです。従って、ある程度通じる体験をしている中上級者は、自分を律して発音改善に努める必要があるでしょう。

AI の力を借りて発音改善

今はアプリやウェブのサービスでトレーニングに使えるものが多くあります。「発音博士」(p. 39)などのアプリはゲーム感覚で練習できます。スコアが出るのでとてもやりがいがあります。Google ドキュメントには音声入力の機能があり、それを使って英語でスピーチし、どれくらい正しく認識されるか自分の発音力をチェックすることもできます。この特集で紹介している単語や文などを読み上げ、正しく認識されているかを確認してみてください。

学習素材としてはTED Talks の講演などもおすすめです。自分が習得したい発音で話されている英語を、動画のスクリプトを見ながら音読し、それを音声入力機能が正確に書き起こすまで繰り返しトレーニングしてみましょう。

※ 本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年2月号に掲載している記事を再編集したものです。

小熊弥生(おぐま・やよい)株式会社ブリッジインターナショナル代表。TOEIC 280 点から、独自の勉強法で半年後に805 点を取得。短大卒業から3 年半で通訳者デビュー。現在は自身の経験をベースにした英語学習サービスを展開。一人一人の目的に合った効果的な学習プログラム作りを指南し、延べ1000 人以上の英語力アップに貢献している。