短期間で英会話を上達させるにはどうしたらいい?

英語学習者なら「できるだけ早く話せるようになりたい」という思いは多かれ少なかれ持っているのではないでしょうか。今回は「短期間で英会話を上達させるには?」というお悩みに、4人の英語コーチがずばりお答えします。果たして、夢のような解決策はあるのか?ぜひご一読を。

Q. 短期間で英会話を上達させるにはどうしたらいい?

英会話を独学で勉強しているのですが、なかなか伸びが感じられず挫折しそうです。早く上達するには、何をするのが効果的でしょうか?

把握 し、学習内容・学習時間を見直そう">A. 自分のレベルを 把握 し、学習内容・学習時間を見直そう

こんな質問に対して、コーチ陣からは次のような回答が寄せられました。

  • 英語の基礎固めが上達を早める
  • 1日3時間以上勉強してみて
  • 目標があいまいだと伸び悩む
  • 上達具合を「見える化」して!
この質問 に関して は一見各コーチの回答がさまざま、という興味深い結果となりました。しかし、よく読むとある共通点が見えてきます。

それは、現状の英語レベル・目標の英語レベルをできる限り可視化し、自分に今必要な学習内容は何なのか、目標到達のためには1日何時間学習をするべきなのか、を明確にしようということです。

以下、それぞれのコーチからのアドバイス(全4件)にはさらに 具体的な ヒントが紹介されていますので、ぜひご覧ください。各コーチのプロフィールや、これ以外の質問と回答は、 こちらの記事 に。

英語の基礎固めが上達を早める

文法、単語、発音を習得してから英会話に取り組もう(福田圭亮)
英会話を頑張っているのになかなか上達しないという方によくあるパターンは、「基礎が全くできていないのに英会話を行っている」こと。英語力を短期間で効率的に伸ばすためには、英語の基礎をしっかりと固めることが一番重要です。

基礎も身についていないのにいきなり英会話を行う人は多いですが、英語は思ったように上達せずにブロークン英語から抜け出せないまま頭打ちになります。少し遠回りのように感じるかもしれませんが基礎からしっかりと固めていくことが結局は一番の近道です。

ここで言う英語の基礎とは「基礎的な英文法」「中学卒業レベルの英単語の習得」「英語の正しい発音の習得」です。まずはこれらをしっかりと固めていくのが先決です。中学レベルの英文法や英単語があやふやであればそこから学習を始めましょう。それが終わってようやく英会話力向上に取りかかれます。英会話力向上に最適なトレーニングは「瞬間英作文トレーニング」と「エッセイライティング」です。

瞬間英作文トレーニングとは簡単な日本語を瞬間的に英語に変換するトレーニングです。文法や単語などの「知っている知識」を、 すぐに アウトプットできる「使える知識」に変えていきます。エッセイライティングが重要な理由は、「瞬間的に書ける量の3分の1くらいしか瞬間的に話せないから」です。さっと書ける量を増やしていくことが結果的にスピーキング力のアップに繋がります。

1日3時間以上勉強してみて

短期間集中で勉強し、試験も活用して上達を実感しよう(五十嵐未知子)
英語は積み重ねですので、朝起きたらいきなり英語が話せるようになった、ということは絶対に起きません……。でも必ず毎日やっていれば、少しずつでも英語は上達しているはずです。もし英語の上達の実感がないのであれば、1日の勉強時間が足りていない 可能性 が高いです。

人によって差はありますが、英語の上達を感じるのは1日3時間以上勉強して最低でも3カ月経った頃です。それくらい自分で実感するのが難しいです。もし今1日1時間程度の勉強だったら、はっきり言って、上達している実感は薄いと思われます。忘却曲線を思い出していただきたいのですが、人間は忘れていく生き物なので、学習した内容を忘れないように復習する時間と新しい知識を入れていく時間が必要だからです。

そのため、ある程度短期間でもいいので、グッと勉強を長めに3時間以上取って、集中して勉強する期間を作ることがおすすめします。一度英語の上達が感じられると、その後の勉強のモチベーションも上がりますしね。

また、英会話だけだと、自分の上達が感じにくいので、例えば英検などスピーキングが入る試験を受けてモチベーションを高めてはいかがでしょうか。

目標があいまいだと伸び悩む

自分の達成目標を明確に。できればプロに相談を!(金子まりな)
英語を早く身につけるために必要なのは、まず現状レベルと目標とするレベルをきちんと見極め、それに合った学習内容を取り入れることです。英語を「早く身につける」というのは、現在のレベルと目標レベルのギャップを「早く埋める」ことですので、両方を 把握する ことが大事なのです。

独学でやっている方に多くみられるのが、まず、目標とするレベルがあいまいなこと。漠然と話せるようになりたいと思っていても、目標が 具体的に なっていないと、不必要なことまでやってしまったり、またどれくらいの期間でどこまでを目指せるのかを 把握 できないと、「いつまでやっても伸びない」感覚がつきまとい、どんどんとモチベーションが落ちていく……。そんな結果になってしまいます。

例えば、「仕事で海外からの電話内容を聞き取る」ということと、「外国人に道案内をする」という目標では、学習内容は全く変わります。ですので、ご自身がなりたい状態が明確になっているのかを、まず確認しましょう。

そして、独学以外で早く英語を身につけるには、現状レベルと目標レベルを第三者(プロ)に見てもらうのがやはり一番です。それによって、まずやるべきことが集中されて無駄がなくなります。そして、分からないときに聞けたり、学習がきちんと進んでいるかを報告したりす相手がいると、英語力が上がっているのかも確認できますし、モチベーションキープになりますので、挫折もなくなります。

上達具合を「見える化」して!

自分が目指す英語力を数値化すれば挫折を防げるかも(鬼英語コーチ☆サヤコ)
テクノロジーの恩恵で、様々なものやコトが目を見張るような速さで変貌する現代社会。「周りに後れを取らないように!」と、あらゆる分野で時短! 効率化 !が求められていますよね。

ところが自然界から誕生した人間は、大変長い時間をかけて進化します。なので、コンピューターのアップグレードのような急激な変化を求めても、身体や脳がついていけないのです。まずは一度立ち止まって、ご自分に対する「期待値」が現実的 かどうか を、チェックした方が良いかもしれませんね。

そもそも 英語を上達させたいという理由は何でしょうか。そして「早く」というのはどのくらいの期間を指しているのでしょうか。3カ月、半年、1年?そして「伸びを感じる」ために、 具体的に 何をすれば効果的なのでしょうか。

まずはご自分が目指す英語力を数値化して、上達具合の「見える化」を目指してみてはいかがでしょうか。そうすれば、「なかなか伸びが感じられず挫折しそう」というお悩みから、解放される きっかけ になるかもしれません。

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部 「英語を学び、英語で学ぶ」学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!

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