Stay Homeをchanceに変えよう!自宅学習を成功させる3つのポイント

トーキョー通訳日誌

通訳・翻訳者で、エディ・レッドメインやエド・シーランなどの通訳や英語インタビューも行う川合亮平さんの連載「トーキョー通訳日誌」。川合さんが体験したリアルな通訳現場のお話を通して、通訳者として成長していくための「仕事のやり方」や「英語学習法」などを教えていただきます。第2回のテーマは「自宅学習を成功させるコツ」を紹介します。

こんにちは、川合亮平です。

前回の記事では、「有名字幕翻訳者Qさんの一言で、通訳者としての自覚が芽生えたよ」ということを書きました。(未読の方は是非チェックしてみてくださいね)

ej.alc.co.jp

元々の予定では、今回の記事は前回の続き的な内容にしようと思っていました。

でも、“元々の予定”を練っていたときの世界の状況と、現在の状況が少なからず変わったと感じているので、今回の記事では、“今”をより反映させた内容をお届けします。

自宅独学歴20年以上です

そもそも川合さんはどうやって英語を勉強したんですか?」というような質問をたまに受けます。

それに対してはいろいろな角度で回答が可能なんですが、1つ確かな回答としては「自宅で。引きこもって。独学で」です。

今、“Stay Home”が、世界的に大きな(とても大きな)キーワードの1つとなっていますが、振り返ってみると、僕の英語力アップ遍歴にとっても、“Stay Home”は欠かすことのできないキーワードなんです。

そして、通訳者として活動している今も(社会の状況がどうであれ)“Stay Home”での英語学習は僕の人生にとって非常に重要な要素の1つです。

これまで20年以上、自宅英語独習をコツコツと積み上げてきたからこそ今があるという実感があります。自身の経験を踏まえ、自宅学習効果を上げるために大切だと思われる3つのことを紹介してきますね。

僕の場合の学習対象は“英語”ということですが、以下に紹介する項目は広く“自宅で何かに取り組む”際のヒントと捉えていただけると思います。ご自身の場合と照らし合わせながらお役立てください。

とにかく、“Stay Home”は自分自身を成長させることのできる最大のchanceだ、という趣旨で書いてきますね。

1. 学習時間が確保できること自体がラッキー

世界ナンバー1コーチとして名高いトニー・ロビンス氏の有名な言葉:

I always tell people if you want to know the secret to happiness, I can give it to you in one word: progress.
いつも言ってることだけど、幸せになる秘密を知りたいなら、それは一言で表せるんだよ ― プログレスだ。

Progress equals happiness.
プログレス イコール ハピネス。

progressは、進化や向上、成長または前進など、いろいろな日本語に訳せると思いますが、要は現状から自分の理想に向けて前に進んでいく感じですよね。

僕は通訳者としての実力を上げるべく、約1年半前に自宅での本格的英語独習を再開したのですが、それまでと比べてみると、人生全般の充実度はアップしていると実感しています。

そういう意味で、自分の好きな分野における自己向上を図ることができる時間を取れること自体がとても恵まれたことだと感じているのです。

自己学習 = プログレス = ハピネス、ですからね。

さらに、そういう姿勢(というのはつまり“感謝の念を胸に抱きながら取り組む”ということですが)を持つことは、それ自体がやる気の高まりを促し、結果的に学習効果もより出やすくなる、という肯定的なループに入っていけると思っています。

2. When / Where を決めよう

「いや、自己学習の重要性はわかりました。でも、わかっちゃいるけどなかなか取り組めないんだよなぁ」

と思われている方に、僕の個人的な例を紹介します。

ウチにはうるさい盛りの子供が3名います。

学校が休校になり、(4月中旬現在)“Stay Home”が強く推奨される中、親である僕(と妻)に課されている現在進行形の命題は、“屋内に解き放たれた野生生物たちいかにして有意義な時間を過ごさせるか?”となっています。

平たく書くと、彼らを野放しにしておくと、家がめちゃくちゃになり(本当です)、ゲーム・TVなどのスクリーン視聴時間が考えられない量になる、ということ。もちろん勉強なんてまったくしません。

そんな無秩序極まりない状況を打破すべく、スケジュール制を導入しました。

自宅学習のスケジュール

至極簡単なものですが、効果は絶大であると実感しています。

実感している効果としては、

A: 子供達に1日における目的意識が生まれる(カオス感の緩和)

B: 1日の中で何をするのか、が明確になる(優先順位の整理

C: ゲームをしない、TVを見ないことの明確な理由づけになる

D: 親の立場として、その場その場で指導しなければならないストレスが消える(つまり、スケジュールがあるのでそれに沿うように指導すればいいので)

もちろんこれを導入したからといって、解き放たれた野生生物がいきなり、分別のある文明人に変化するかというと、それほどドラマチックな変化は(今のところ)起こっていません。親としての忍耐力が試される日々が継続していることは事実です。
しかし、メリハリをつけた時間を過ごそうとする場合、まずある程度の枠組みを作ることが大変役に立つアクションであることに反対する人は多くないのではないでしょうか。

この例を踏まえ、僕が大人の自宅自己学習について強くおすすめしたいのは、When(いつやるか)と、Where(どこでやるか)をはっきり決める、ということです。

そしてできれば、What/How(何をどのようにするのか)How much(どれくらいするのか)Why(なぜするのか)といった部分についてもはっきり決めると、行動力がもっと高まると個人的体験から実感しています。

When, Where, What / How, How much, Whyを決めることは、自宅独習の継続・習慣化にかなりの威力を発揮してくれると思いますよ。

3. やりたいようにやろう

独習の1つの魅力は当たり前かもしれませんが、自分で好きなようにできる、ということだと思います。自分のやりやすい方法で、やりたいように取り組むことが結果的にいちばん効果が上がるのではないかと思っています。

つまり、“やらされ学習”の真逆、ということですね。

そこで意識したい考え方としては、

A: 真面目度と学習効果は必ずしも比例しない

B: これまでのやり方が一番いい方法とは限らない

です。

例えば、場合によっては、『コーヒーを飲みながらソファでくつろぎなら、海外ドラマを楽しむ』、という行為が、『TOEICの問題集をガリガリ解く』に比べて、はるかにリスニング力を上げるかもしれない、ということです。

僕個人的には、WhenとWhereはガッチリ固定しつつ、取り組むやり方や内容に関しては柔軟に試行錯誤しながら、自ら一番心地よいポイント(そして、自分のゴールに一番合ったやり方)を常に探していく、という姿勢を大切にしています。

Stay Home, Stay Hopeful

いかがでしたでしょうか。今回は、“Stay Home”学習の素晴らしさと、取り組み方について書いてみました。
お役に立ったなら嬉しいです。

ちなみに、“Progress equals happiness.” 「プログレス イコール ハピネス」というメカニズムは、前述のトニー・ロビンスさんだけではなく、ポジティブ心理学の第一人者で、日本でも翻訳本がいくつか出版されているショーン・エイカー氏も度々言及されています(興味があればアマゾンででも検索してみてください)。

では、次回記事でまたお会いしましょう。

I look forward to seeing you in person on the other side of this uncertain times.

Stay safe. Stay well.

川合亮平でした。

新刊のお知らせ

僕が監修を担当させてもらっているシリーズの最新刊が発売しました。大人気キャラクター“自分ツッコミくま”の英語本シリーズ最新第3弾。

川合亮平さんの過去連載が電子書籍に

川合亮平さんのウェブ大人気連載が電子書籍に。満足するまで学習に終わりはない、いつからでも、続けるための方策がある――「英語」のみならず、大人の「学びと向上」に対する多くのヒントも得られる一冊です。

川合亮平

文:川合亮平(かわい・りょうへい)
通訳者。エディ・レッドメイン、ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、エド・シーランなど、俳優・ミュージシャンの通訳・インタビューを多数手掛ける。関西のテレビ番組で紹介され、累計1万部を突破した『なんでやねん」を英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・監修書は現在11冊。

イギリス関連の記事:https://www.british-made.jp/author/kawai