英語で「これ以上はご心配なく」はなんと言う?【マヤ・バーダマン】

やさしい英語で気持ちを伝える「感謝」と「謝罪」【マヤ・バーダマン】

外資系企業で、魅力的な大人の英語力を磨き上げた、マヤ・バーダマンさん。上品で、日本人らしい「奥ゆかしさ」が伝わるような英語表現を、ご自身の経験談をシェアしながら紹介する連載。4回目は、やさしい英語で気持ちを伝える「感謝」と「謝罪」です。

こんにちは。マヤ・バーダマンです。

仕事や生活でコミュニケーションを取る中で「感謝」と「謝罪」の表現を使う場面は多いと思います。(謝罪をする場面はあまりないことを願っていますが・・・)

日本語では感謝の言葉の場合は「ありがとうございます」や「感謝申し上げます」、謝罪の場合は「すみませんでした」「申し訳ございません」など、決まった表現を使うことが多いですが、英語ではそのままThank you.やI’m sorry.だけではなく、具体的に何に対して感謝をしているか、謝っているかを示す必要があります

日本語でしたら、すぐに「〜していただき、ありがとうございました」や、「ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません」など、プラスαで添える言葉はスムーズに出てくるかもしれませんが、英語となると何と言えばよいか迷ってしまい、考えているうちにタイミングを逃してしまうかもしれません。

そこで今回は、誠意が伝わり、心の通ったメッセージが伝わる感謝と謝罪の表現とtipsをご紹介します。この記事をポジティブなトーンで読み終えられるように、まずは少し気が重くなってしまう「謝罪」のテーマから解説していきます。

謝罪は状況や深刻度に合わせてカスタマイズする

ちょっと誰かにぶつかったときと重大なミスがあったときでは深刻度が違うため、謝罪の表現以外に深刻度に合わせたアプローチをとることが必要です。

例えば、クライアントからクレームがあった際に、I’m sorry. の一言だけでは誠意が伝わらず、素っ気なく、その場しのぎに聞こえてしまいます。相手は解決策やその後の対応を求めている場合は、問題は解決しません。

謝罪の表現と基本のパターン

I’m sorry for/that ...

〜について、申し訳ございません。

I apologize for/that ...

〜について、申し訳ございません/お詫びいたします。

I am deeply sorry for/that ...

〜について深くお詫び申し上げます

I sincerely apologize for/that ...

〜について、心よりお詫び申し上げます

比較的軽い場合の謝罪

I’m sorry I’m late.

遅くなってすみません。 

Sorry to keep you waiting.

お待たせしてすみません。

I’m sorry to have kept you waiting.

お待たせしてしまって申し訳ございません。

Sorry. Are you OK? (Are you all right?)

すみません。大丈夫ですか?

ぶつかってしまったときなど

I’m sorry for the inconvenience.

お手数・ご不便をおかけして申し訳ございません。

比較的重い場合の謝罪

比較的軽いミスの場合は簡単な謝罪で十分ですが、重いミスや深刻度が高い場合はそれに加えて原因・理由を述べる、責任を認める、責任の取り方や今後の対応について述べるなど、場面に応じてフォローする必要があります。

I’m very sorry that there was a mistake in the final report.

最終レポートに間違いがありましたこと、大変申し訳ございません。

We deeply apologize for the inconvenience this has caused.

ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。 

We’d like to express our sincerest apologies for the inconvenience this has caused.

ご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます。

Please be assured that we have made every effort to resolve this issue.

この件の解決に力を尽くしております

We will make every effort to prevent this from happening again.

再発防止に全力を尽くします

Thank you for your patience and understanding.

お待ちいただき、またご理解いただきまして感謝申し上げます。

Please do not hesitate to contact me/us if you have any questions or concerns.

ご質問や気になる点などございましたら、ご遠慮なくご連絡ください。

ここに注意

日本語の「すみません」と sorryは同じ意味で使われないこともあるので、代用にはならないことがあります。

「ちょっと失礼します」を意味する英語表現

例えば、以下は謝罪というよりも「ちょっと失礼します」などの一声を意味する「すみません」を英語で表現する例です。

Excuse me, I’d like to get through.

すみません、通していただけますか。

道や廊下を通りたいとき 

Excuse me, I’d like to make a quick phone call.

すみません、ちょっと電話をかけさせてください。

電話をかけるときに一言相手にお断りをするとき

Hello?

すみません。

お店などで店員さんが見当たらないとき

Thank you.

ありがとう。

前の人がドアを開けておいてくれたとき、誰かが何かを持ってきてくれたときなど、日本語では「すみません」と感謝を述べることがよくありるため、英語でSorry.と出てきてしまいそうですが、そこはThank you.と言いましょう。

ここに注意

Apologize.”今まで何度か、別の方々から来たメールで見た言葉です。My apologies. や I’d like to express my apologies. の短縮形でApologies. と言うことがあります。

おそらくその語尾が意図とは別に変わってしまった、あるいは間違ってしまい、「すみません」や「申し訳ございません」と言いたいところ、「謝れ」になってしまっているのです。スペルチェックもキャッチしてくれないミスです。

状況や文脈から、メールを受け取った方は「Apologies の typo (タイポ) なんだろうな」と察することができるかもしれませんが、謝らないといけない側が重要な言葉を間違えてしまうと、意図とは反対であっても、よい印象ではありません。ちょっとしたことですが、気を付けたいですし、短縮形ではなくフルセンテンスで書き出した方が間違いや誤解なく伝わるでしょう。

謝罪に対する返事

謝罪の言葉があったとき、それを受け止め、場面や相手に合った言葉で返事をするようにしましょう。謝罪はストレスの多い場面ですが、対応によって印象が変わり、気持ちのよいコミュニケーションになるでしょう。(状況によっては、この後に今後の対応などを話し合う必要もあります。)

No problem.

気にしないで/問題ないよ。 

カジュアルな場面や、同僚の間で使いますが、目上の人に対しては軽過ぎに聞こえる可能性があるので避けた方が安全です。

No worries.

心配ないよ/気にしないで。 

カジュアルなので、親しい仲の人や同僚との間で使いますが、目上の人に言うのは避けます。 

That’s all right.

大丈夫ですよ。

(Please) don’t worry about it.

心配なく/お気遣いなく。 

Pleaseを付けた方が丁寧。

Don’t give it another thought.

これ以上ご心配なく/考えなくていいですよ/もう忘れましょう。 

気持ちの伝わる感謝の表現

デスクの資料を取ってもらったときと夜遅くまでプレゼン作成を手伝ってもらったときでは感謝する内容の重みが違うので、それに合わせて感謝の言葉も調整します。

謝罪と同じように、感謝を伝えるときも具体性を含ませます。

感謝の表現と基本のパターン

Thank youfor」に続けて、 具体的に何に対して感謝をしているかを言います。

深い感謝や、重みを持たせたいときは以下のように強調できます。

Thank you very/so much for your help/support.

ご協力(ご支援)いただき、誠にありがとうございます。

I greatly appreciate your help.

お手伝い(ご協力)いただきとても感謝しております。

Thank you very/so much for your kind words.

優しいお言葉を誠にありがとうございます。

プラスαの表現

It means a lot to me.

とてもうれしいです。

直訳は「私にとってとても意味があります」ですが、「心に響きます」「うれしいです」「価値のあることです」「大切です」という意味合いもあります。

I really appreciate your time/your helping me.

お時間いただき/ご協力いただき、感謝申し上げます。

That’s very kind of you.

ご親切にありがとうございます。 

I can’t thank you enough for all your support.

いつもサポートしていただき感謝しきれません。

ここに注意

Thank you.の短縮形のThanks.はカジュアルな場面ではよいものの、ビジネスでは注意が必要です。特に上司や目上の人には短縮せずThank you.と言った方が丁寧です。ただ、同僚や親しい人との会話やメールでは、Thanks!やThanks very much!と言うのは問題なく、親しみを込めればフレンドリーになるでしょう。

「どういたしまして」

感謝の言葉を受けたら、「いえいえ、たいしたことありません」「何もしていません」などと謙遜せず、それを受け止める返事をしましょう。You’re welcome. が定番として知られていますが、ほかにも気持ちの通った表現を使ってみてください。

My pleasure.

喜んで。/どういたしまして。

It’s my pleasure.

喜んで。/どういたしまして。

I’m happy to help.

お役に立てて嬉しいです。

I’m glad I could help.

お役に立てて嬉しいです。

No problem.

いいよ。/大丈夫ですよ。 

少しカジュアル。

Not at all.

いえ、どういたしまして。

感謝と謝罪はどちらもドライ過ぎずに伝えたい場面です。気持ちを込めたくてThank you, thank you.やSorry, I’m very sorry.と繰り返すのではなく、上記のようなほかの方法で表現できるようになると自然でいいですね。そして、そのような言葉を受けたら受け止めて、返事をすると、気持ちよいコミュニケーションだけでなく、相手と次に続く関係にもつながるでしょう。

See you next time!

マヤ・バーダマンさんの本

外資系1年目のための英語の教科書

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英語の気配り

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品格のある英語は武器になる

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マヤ・バーダマン

文:マヤ・バーダマン

仙台市生まれ。上智大学比較文化学部(現 国際教養学部)卒業。ハワイ大学へ留学し、帰国後は秘書業を経て、ゴールドマン・サックスに勤務。医学英語に携わったのち、別の外資系企業に勤務。著書に『英語のお手本 そのままマネしたい英語の「敬語」集』『英語の気配り マネしたい「マナー」と「話し方」』『英語の決定版 電話からメール、プレゼンから敬語まで』(朝日新聞出版)『品格のある英語は武器になる』(宝島社)『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)などがある。

編集:増尾美恵子