いつからどうやる?幼児から小学生まで子どもの英語学習法【ブックレビュー】

子どもの英語

大学入試の英語は曖昧な感じになってしまいましたが、これからの時代を生きる子どもたちにとって、英語力が大切なのは言うまでもありません。いつから、何を、どうやったらいいのでしょう?30年以上にわたって子どもの英語教育に携わってきた、船津 洋さんの新刊をチェック!

10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法

10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法

  • 作者:船津 洋
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

船津 洋(ふなつ ひろし)さんってどんな人?

船津さんは、幼児教室や通信教育を通じて子どもの英語教育に携わってきた、いわば「子どもの英語」の専門家。すでに10万人以上の子どもが、船津さんが提唱する学習法で学んでいます。

もちろんできるだけ早く始めた方が有利ですが、「小学生の間であれば、やり方をアレンジすることで、誰でも英語は身に付けられます」と船津さん。

本書でも、取り組みやすい学習法を年代別に紹介してくれています。

「子どもの英語」は英検準2級を目指そう!

子どもの英語1

大人向けの英語学習本では、よく、目標をはっきりさせることや、それに合った学習法を選ぶことが大切だと書いてありますね。

「TOEICのスコアを上げて海外出張したい!」という人が、日常会話の教材で英語学習を始めても、成果が感じられないし、モチベーションを維持するのも大変そうです。

子どもの英語学習でも同じこと。親が英語学習をマネジメントすることになるわけですから、「ここまで」という目標を明確にしておいた方がいいでしょう。

そうでないと、「取りあえず英語教室に通っているから」という自己満足で終わってしまったり、反対に「とにかくネイティブ並みに」とむやみにハイレベルを目指して子どもに無理をさせることにもなりかねません。

本書で進めているのは、小学生のうちに英検準2級に合格すること。

時々、「幼児期に海外で暮らして英語を話していたけど、今はほとんどわからない」という方がいますね。読み書きができない幼児にとっては、言語は「音声」というぼんやりしたもの。ある程度まで身に付けても、その後、英語を聞いたり話したりする機会がなくなれば、「音声」とともに英語そのものが消えてしまいます。

そんな事態を避けるためには、読解力を養うことが必要。本書では次のように説明しています。

雲をつかむように曖昧な英語の音声も、文字(単語の綴り)と関連付けることで、消え去ってしまったり、他の音と置き換わることがなくなります。

音声言語が文字言語でも理解できるようになると、それは頭の中でしっかと整理整頓されて、(中略)消えない英語力になるのです。

そして、合格のために読解力が必要になるのが、英検では準2級です。

3級と準2級の間には、高い壁があります。

5級や4級は、リスニングに加えてリーディングが少しできれば、受かることもあります。3級では英作文が出題されますが、それでも5級・4級と同様、リスニング+若干のリーディングで合格可能だとか。

しかし、準2級となるとそうはいきません。リスニングが満点でも、筆記で50%以上得点しないと合格できないのです。また、リーディングも、長文全体の意味を把握していないと正解にたどり着けない構成になっています。

つまり、英語を確実に身に付けるには、音声だけでなく文字で英語を理解できるようになる必要があり、その実力を証明してくれるのが英検準2級なのです。

もちろん、それ以上の実力が付けばそれに越したことはないでしょうが、当面の目標は英検準2級とするのがよさそうです。

できれば幼児期にスタートを

子どもの英語2

本書では「英語学習は小学生からでも間に合う」としていますが、やはり可能なら幼児期から始めるのがベスト。

まずは、英語の音声を1日90分程度、家庭内でかけ流ししましょう。食事や室内遊びのBGMとして、控えめのボリュームでかけるだけでOK。反応を求めたり、リピートさせたりすることは、むしろしない方がいいそうです。大切なのは習慣化すること。

毎日繰り返し聞きますが、飽きさせないために、1カ月程度で新しい教材に切り替えましょう。

また、マザーグースなどの歌や、英語の絵本に、繰り返し触れるのもおすすめ。この時期は、アウトプットにこだわらず、どんどん英語をインプットしていくことが大切です。

その後は、英語の絵本に触れ、暗唱することで読解力を養成していきましょう。文章が短く、繰り返しの多いもの、そして英語の音声が付いているものがおすすめです。

英語絵本の暗唱を続けていくことで、自然と英検準2級レベルの英語力が身に付くそうです。

まだまだ間に合う!小学校低学年

子どもの英語3

「何もしないまま小学生になってしまった・・・」その場合はどうしたらいいのでしょう?

小学生になると学校で文字を学ぶので、日本語の読解力がどんどん向上します。そのため日本語はしっかり定着していきますが、反対に英語は身に付きにくくなってしまいます。それを克服するカギが「倍速学習」です!進め方は簡単。

英語音声付きのテキストを用意しましょう。

【1】標準スピードで英語を聞く

テキストを見ながら音声を聞きます。音声についていくだけで精一杯になりますが、それでOKです。

【2】2倍速でリスニング

文字は追わずに音声に集中。聞き取れなくても音声に耳を傾けるだけでOKです。

【3】4倍速でリスニング

ここまでスピードを上げると、ほとんど聞き取れません。でもそれでよいので集中して聞きます。

【4】標準スピードに戻してリスニング

テキストを見ながら聞きます。1回目に聞いたときより、ゆっくり聞こえるはず。音声に合わせて英語を言ってみましょう。

この「倍速学習」のいいところは、とにかく音声についていくことに集中するので、英語に対する苦手意識が起きにくいところ。英語のスピードに慣れることもできるし、【4】で「聞き取れた!」という成功体験を味わうこともできます。

小学生ともなると、初めて挑戦することや、苦手意識があることに取り組むのを嫌がります。でも、この方法なら、英語を聞き取れるかどうかは気にしなくていいので、やる気が起きやすいのではないでしょうか。

中学年以上は「フォニックス」と「素読」

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小学校中学年以上で英語学習をスタートする場合も、先ほどの「倍速学習」が有効。それに加えて身に付けたいのが「フォニックス」です。

「フォニックス」は、英語の音と文字(つづり)の間にある法則を学ぶ学習法。例えば、cat はアルファベット通りに読むと「シーエイティー」ですが、フォニックスを学べば「カァトゥ」と読めるようになります(カタカナ表記は発音をかなり簡略化しています)。

日本語にない発音が理解できるようになれば、英語を読めるようになるだけでなく、リスニング力アップにも役立つのです。

子ども向けのフォニックスの本もたくさん出版されていますので、まずは時間のあるときに集中的に取り組んでみるとよさそう。

続いて取り組みたいのが、英語の「素読」です。

英文の意味は理解できなくてもOK。ネイティブスピーカーによる音声を聞きながら、そのペースに遅れないように、とにかく声に出して読んでいきます。これも「今度こそ!」とゲーム感覚で取り組めそう。5回ほど繰り返すのがおすすめです。

素読のポイントは素材選び。まずは超ビギナー向けのごく簡単なものからスタートしましょう。また、正しい発音で行うことが大切なので、ネイティブによる音声があることがマストです。

まとめ

本書では、子どもの年代に合った学習法だけでなく、おすすめの教材も紹介しています。英語絵本やインターネットで無料で利用できるコンテンツなど、手に取りやすいものばかり。あれこれ迷う前に、試してみてはいかがでしょうか?

10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法

10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法

  • 作者:船津 洋
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部

文:尾野七青子
都内某所で働く初老のOL兼ライター。自宅で過ごす時間が増えた今日この頃。一度、じっくり親子で英語に向き合ってみてもいいかもしれません。