HuluやU-NEXTなどの定額制の動画サービスの普及によって、最近海外ドラマを活用した英語学習が一般的になってきています。英語を学ぶ教材としての海外ドラマの選び方と英語レベル別におすすめの海外ドラマを紹介します。
*本ページの情報は2019年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトでご確認ください。またHulu、dTVについても最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
目次
海外ドラマは自然な会話の宝庫!英語学習にぴったり
日本で英語を勉強していると、ネイティブ同士の会話を聞く機会は多くないため、「こう言われたときは何と言い返せばいいのかな?」と思ったことはありませんか?
そんな方におすすめなのが、海外ドラマを見て英語学習をする方法。海外ドラマを見ていると、自然な会話のお手本にたくさん出合えます。例えば、大親友とケンカをするシーンで、「こんなときはこう言い返せばいいのね!」とか、買い物のシーンで、「お店の人に頼むときはこう言うのか」など。
ほかにも、映画ではなく海外ドラマがおすすめのポイントとして、長さが手ごろという点が挙げられます。番組は、25分?1時間程度の作品が多いものです。2時間近い映画と比べると、毎日手軽に取り組める長さですよね。
では具体的にどのように作品を選べば良いでしょうか。英語を学ぶ教材として海外ドラマを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
1.シットコムや恋愛ドラマがおすすめ
まず1つ目のポイントは、「気軽に見られる内容であること」。ハラハラ、ドキドキ、手に汗握るサスペンスだと、英語学習の方に気持ちを集中させることは難しくなります。また、ストーリーに入り込みすぎてしまうと、英語の勉強であることを忘れて字幕ばかりを追ってしまいかねません。
また、叫び声や悲鳴ばかりのパニック・サバイバルだと、英語を学ぶという本来の目的にはそぐいません。逆に次から次へと言葉を畳み掛けてくる作品は、一時停止しないと付いて行かれないかもしれません。
非日常的な専門用語がたくさん出てくる法廷ドラマや医療ドラマは、辞書を引きまくらなければならない可能性があるので、英語学習の教材としては少し難度が高いかもしれません。こうしたドラマを教材として使うのは、もっと英語力が付いたときのためにとっておきましょう!
英語学習には、使われる語彙がそれほど難しくなく、日常会話でのやり取りが多い作品が最適です。具体的には、軽いノリで楽しめるシチュエーション・コメディー(シットコム)や恋愛ドラマを中心に探すのがおすすめです。
2.気になる国の作品を選んでみよう!
コメディーであれヒューマン・ドラマであれ、海外ドラマはその国の言い回しや考え方、文化が色濃く反映されています。同じ英語でも発音やスラングは国によってまったく異なります。なので、自分がなぜ英語を身に付けたいのかをもう1度よく考え、それに見合った国のドラマを選ぶのもいいと思います。
例えば、将来的にアメリカへの留学を考えているならアメリカのドラマ。どの国でもいいからとにかく英語を話せるようになりたい!と思っているなら、英語圏のものは手当たり次第見てみると、違いが分かって面白いかもしれません。そこまで分からない、という人は、まずは話題作が多くエンタメの中心地でもあるアメリカ制作のドラマがいいでしょう。
3.好きな俳優・女優が出ているドラマを選ぼう!
好きな俳優・女優が出ているドラマを選ぶのも、もちろん「大アリ」です! 好きこそものの上手なれ。お気に入りの俳優・女優の演技なら、繰り返し見るのも苦にならないですよね。役者だけでなく、作品として好きなものがある場合は、せりふを覚えてしまうくらいに何度も繰り返し見てしまいましょう。そうすればそこでのせりふが自然と自分のものになっていくはずです。
また、英語力がアップした数年後にまた見直すと、以前は気づかなかったせりふのニュアンスや理解できなかったジョークが分かり、味わいが深いものです。何度も繰り返し見たくなる「お気に入りの1本」を見つけてください。
海外ドラマを使った英語学習の事前準備
海外ドラマを見るなら、定額制の動画配信サービスが便利!
海外ドラマを見て英語学習をするために、とにかくおすすめなのは、定額制の動画配信サービスです。
今回は特に海外ドラマが充実している動画配信サービス、U-NEXT、dTV、Huluの見られる作品の中から、英語力アップに活用できそうな海外ドラマを紹介します。
3つの動画配信サービスのうち、U-NEXTとdTVは残念ながら現時点で日本語の字幕をオフにすることも、英語字幕にすることもできません。英語が聞き取れるようになっても、日本語字幕が出ているとつい目がそちらに行ってしまい、英語が耳に入ってこなくなってしまうものです。
どうしても字幕を見てしまうという場合は、画面の字幕の部分に紙を置いて軽くセロテープで固定するなどして字幕を隠し、見ないようにするといった強硬手段も考えましょう!
Huluでは、日本語字幕のオン・オフが可能なうえ、多くの作品に英語字幕も付いています。
英語字幕がない場合の対処法
英語字幕が付いていない作品を見るときに活躍するのが、せりふを書き起こした「トランスクリプト」です。ヒットしたドラマであれば大抵、ファンがせりふを聞き取って書き起こし、公開しているサイトがいくつもあります。
ここで紹介しているドラマはすべてネット上で見つけることができました。番組名とともに「scripts」や「transcripts」などの言葉を入れて検索してみましょう。見つかったら、目的のエピソードのページをスマートフォンやパソコンの画面に出しておくか、プリントアウトしておくといいかもしれません。
英語辞書も準備しておこう
また、ドラマを見始める前に必ず準備してほしいのは、英語辞典です。紙の辞典よりも、アプリやインターネットのオンライン辞典の方が手早く調べられると思います。間違ったつづりを入力してしまった場合に、「該当なし」とだけ表示される辞書ではなく、近いつづりで正しい単語の候補を表示してくれる 英辞郎 on the Web のようなものだと使いやすいはずです。
海外ドラマを使った勉強のステップ
ステップ1 ストーリーの流れを把握する(初心者はここから)
語彙力や聞き取り能力にあまり自信がない人は、「ステップ1」として、まず日本語字幕や吹き替えでストーリーを把握しながら1つのエピソードを最後まで見ます。
語彙力や聞き取りに自信がある人は、「ステップ1」は飛ばして「ステップ2」へ行き、最初から英語でドラマを理解する努力をしてみましょう。
ステップ2 気になる単語をチェック(中級者はここから)
次に「ステップ2」として、英語字幕が出る作品なら英語字幕で同じエピソードをもう1度最初から見ます。分からない単語が出てきたら、再生を一旦停止して、辞書で調べます。その際に、前述の「海外ドラマを使った英語学習の事前準備」でご紹介した通り、英語辞書を手元に置いておくか、オンライン辞書を準備しておくことを忘れずに。
聞き取りに自信があれば、字幕表示をオフにして見ましょう。聞こえた音からつづりを想像しながら辞書を引いてみます。自分の耳で聞き取り、つづりを想像して辞書を引くことで、どのような発音がどう綴られるかを覚えられ、つづりにも強くなります。
ステップ3 お気に入りの表現を集めよう
もし分からない単語があまりにもありすぎて付いていけない、という場合は、ドラマのすべての英語フレーズを理解しようとする必要はありません。ポイントポイントを抑え、1つのエピソードで1つの表現を覚えよう、くらいの気楽さでOK。
自分の日常で使えそうなせりふや「こういう言い方があるんだ!」と思った表現があったら、ノートに書き込んでオリジナルの「英語表現集」を作るのもおすすめです。
【英語レベル別】おすすめの海外ドラマ
まずは、初級者向けにおすすめの海外ドラマを3つ、ご紹介します。うち2つはHuluで英語字幕が出せますので、ぜひ活用してみてください。
英語初級者におすすめの海外ドラマ
フレンズ(Friends)
1994年から2004年まで全10シーズン放映された、ニューヨークで暮らす20?30代の男女6人の日常を描いたシットコムです。放送当時は英米で絶大な人気を誇った、海外ドラマの「王道」と言ってもいいでしょう。エミー賞(アメリカ放送界のテレビ部門における賞)やゴールデン・グローブ賞(アメリカにおける映画とテレビドラマに与えられる賞)など、数多くの賞を受賞しました。
今改めて見るといろいろなところに古さを感じるドラマではあるのですが、それでもこの番組が英語が初級レベルの人に一番おすすめな理由はいくつかあります。
まず、最近はこういう作り方をしているドラマは少ないようですが、観客の笑い声が入っています。日本で言ったら昔の「8時だョ!全員集合」みたいな感じです。というのも、この番組は実際に観客の前で演じたものを録画して放送していたからなのです。
「フレンズ」は言葉のあやで笑わせるジョークが多く、言葉が分からないと難しいのですが、観客の笑い声が入っているためたとえ英語のギャグが理解できなかったとしても、「ここは面白いシーンなのね」と知ることができます。そのため、あとでトランスクリプトを見て、そのシーンがなぜ面白いのかを調べることができるのです。
他のドラマと比べ、1話あたり20分強と短いのも特徴です。
デスパレートな妻たち(Desparate Housewives)
2004年から2012年まで放映された、コミカルな謎解きミステリードラマです。裕福な街に暮らすご近所の主婦たちが繰り広げる日常を綴っているため、せりふは日常会話が多く、分かりやすい内容です。
2005年と2006年にゴールデン・グローブ賞、2005年と2008年にエミー賞をそれぞれ受賞しました。
間違われた男たち(The wrong mans)
2013年と2014年にBBCで2シーズン放送されたイギリスのコメディーです。さえない男性2人が、ひょんなことから人違いで身代金誘拐事件に巻き込まれてしまいます。マシュー・ベイントンと、今やアメリカでトークショーを持つほどの国際的なコメディアンとなったジェームズ・コーデンの2人が主役と脚本を手がけています。英語やノリがアメリカと少し違うのが分かると思います。英国アカデミー賞(イギリスのその年の映画に関連した業績に対して授与される賞。通称BAFTA バフタ)には2年連続でノミネートされました。
この作品は英語字幕がありませんが、言葉をまくし立てたりせりふが飛び交ったりするような作品ではないので、スクリプトを活用しながら楽しめるかなと思います。
英語中級者におすすめの海外ドラマ
さて次は英語力が中級レベルの人におすすめのドラマです。英語字幕が付かないものばかりになりますので、トランスクリプトを用意しておきましょう。
デビアスなメイドたち(Devious Maids)
2013年から2016年に放映されたドラマで、ビバリーヒルズのお金持ちとそこで働くメイドたちの生活をコメディータッチで描きます。メイドたちはメキシコなどスペイン語圏出身という設定のため、スペイン語のアクセントで話す「非英語ネイティブ」の登場人物がたくさん出てきます。英語ネイティブばかりではない今の英語圏を反映している作品と言えるでしょう。
ミストレス(Mistresses)
2008年から2010年まで3シーズン放映されたイギリスの作品で、4人の女友達とその男女関係を中心に話が展開していく、セクシーなドラマです。本記事では主にコメディ色の強い作品を紹介していますが、この番組に笑いは一切ありません。ズルズルと優柔不断に男女関係を続ける登場人物が多くイライラしてしまうシーンも多々ありますが(笑)、セクシーなやり取りやアメリカ英語との違いを楽しんでください。
英語上級者におすすめの海外ドラマ
最後に、英語に自信はあるけどもっと上達したいという人や海外ドラマを通じて語彙力アップを図りたい人にご紹介する、上級の人向けのおすすめドラマです。
NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち(The Bold Type)
2017年にアメリカでスタートし、現在も継続中の作品です。かつて大ヒットし映画にも発展したドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(SATC)を彷彿とさせ、「SATCの21世紀版」といった感じ。人気雑誌に勤務する20代のおしゃれなニューヨーカー3人組が、恋愛やキャリアで悩みながらも成長する姿を描いています。登場人物のファッションも見ていて楽しく、また「嫌な奴」が誰1人として出てこないハッピーな作品です。
イスラム教やフェミニズムなど、「今」の話題が盛り込まれており、ここでやり取りされる会話はまさに「生きた英語」と言えます。
私はラブ・リーガル(Drop Dead Diva)
2009年から2014年まで全6シーズン放映されました。モデルのデビーは交通事故で死んだものの、天国から地上に落ちてきて太り気味の女性弁護士ジェーンの体に入ってしまう、というありえない筋書きのドタバタ・コメディーです。とはいえ、人は外見が変わってしまったら中身は同じでも恋に落ちないのか?など、考えさせられ、ほろりとさせられる場面がたくさんあります。裁判のシーンや訴訟について話し合うシーンが豊富なので、法律用語の語彙が増えます。
インポスターズ(The Impostors)
2017年と2018年の2シーズン放映された作品で、女性詐欺師マディの正体を暴くために3人の「元配偶者」が奮闘するクライム・コメディーです。話自体がとてもおもしろいのですがストーリー展開が少し複雑なので、せりふをしっかりと聴きながら、単語が分からないところは止めて辞書を調べながら進めましょう。繰り返し、何度見ても楽しめるドラマです。
まとめ
初級、中級、上級の人向けにそれぞれドラマをおすすめしました。今回ご紹介した海外ドラマで英語を学ぶ際のポイントのまとめです。
- 気軽に見られる作品を選ぶ
- 日常会話のやりとりが多い作品を選ぶ
- 大好きな作品、何度も繰り返し見たいと思える作品を選ぶ
- 字幕を消せるものは消して「日本語に頼らない環境」を作る
- 手元に辞書を用意し、分からない単語や表現は すぐに 調べる
- 気に入ったフレーズはノートに書きとめ、自分だけの「英語表現集」を作る
英語でドラマを楽しめるようになれば、海外ドラマを見る楽しさが何倍も膨らむうえに、日常の語彙力や表現力もアップします。ここで紹介した動画配信サービスを活用して、楽しみながら英語力をつけてくださいね!
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編集:GOTCHA!編集部
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