グローバル企業のITプロジェクトにおいて、英語コミュニケーションで苦労している、多文化・リモート環境のせいで意思疎通がうまくいかない――。そんなあなたの悩みを解決する書籍『現役シニア・エンジニアが教える チームを動かすIT英語実践マニュアル』が12月19日(月)に発売されます。現役シニア・エンジニアとして日々ITチームを率いている著者が、「人を動かす英語コミュニケーション」のコツを教えます。
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英語ができるだけではチームは動かない
「少し込み入った場面になると、英語で意思疎通がうまくいかない」
「多文化・リモート環境で、思うように仕事がはかどらない」
「受験で覚えた難しい単語や表現を使ってしまい、伝わらない」
IT企業など、多文化のチームを率いる日本人の悩みは尽きません。その理由は、「英語ができる」だけではなく、日本語を話すときと同様、「効果的なコミュニケーションを取る」ことを第一に考えなければならず、そこに苦労する方が多いためです。
では、どうすれば?
12月19日発売の本『現役シニア・エンジニアが教える チームを動かすIT英語実践マニュアル』の著者、ラファエル・ヴィアナさんは次のように話します。
私は、技術サポートやソフトウェア開発を行う日本のIT企業で、素晴らしい人たちと一緒に仕事をする機会に恵まれてきました。英語はIT業界における共通語ですが、彼らは英語が母語ではありません。日本以外にも、ベトナムやインド、ポーランド、セルビアなど多様なバックグラウンドを持つ人たちでした。
技術的に、彼らより優れた人もいました。しかし、もしまたプロジェクトメンバーを選べるなら、私は必ず彼らにお願いします。なぜなら、TPOや相手のタイプに応じて言葉遣いや伝え方を柔軟にカスタマイズできる、コミュニケーション能力が非常に高い人たちだからです。彼らのおかげでプロジェクトがとてもスムーズに進み、チームのメンバーも著しく成長します。
本書では、そんな人たちと共に仕事をする中でヴィアナさんが学んだ、「人を動かす英語コミュニケーション」のコツが紹介されています。
本書の構成
では、ビジネスの場で効果的なコミュニケーションを取るためには、具体的にどんなことを身に付けるとよいのでしょうか。本書の学習ユニット(Chapter 1 Unit 1)を見ていきましょう。
Unit 1 Onboarding オンボーディング
本書ではまず、各場面に必須のキーワードを確認します(一部、キーワードがないUnitもあります)。Unit 1のキーワードは「onboarding」です。次に、学習する場面設定を確認します。
onboarding
オンボーディング。新人研修。新入社員や新メンバーをプロジェクトに迎えること。または、その際に行う講習会や勉強会。
Scene 場面
あなたは技術責任者です。現在進行中のプロジェクトで、新たに英語を話す開発者を迎え入れることになりました。これから初めてのオンライン会議をしようとしています。
Mission 課題
ここでは、あなたが「遂行すべきミッション」が説明されています。オンボーディングの目的は、新しく入ったスタッフにプロジェクトの概要や役割などを説明することです。プロジェクトを円滑に進めるために注意すべき点や必要な英語表現を考えてみましょう。
Points 相手を動かすポイント解説
相手を動かして、ミッションを遂行するために必要なポイント、重要表現とその使い方を確認しましょう。
① 概要から始める
まず、プロジェクトの全体像を説明しましょう。よく使われる表現はThis is a birdʼs-eye view of ~(これが~の全体像です)、Let me give you an overview of ~(~の概要を説明します)などです。
② プランと目標を明確にする
国籍やバックグラウンドが異なる人たちと一緒に仕事をする場合は特に、プロジェクトのプランと達成目標を明確にする必要があります。「予定」を表す現在進行形を使い、We are building ~(~ を構築します)、We are working on ~(~に取り組みます)、We are developing ~(~を開発します)といった表現でプランと目標を示しましょう。
③ 予定と時間軸を説明する
プランと目標がはっきりしたら、次はスケジュールです。時間軸を説明する際によく使われる表現には、We have XX days to ~(あとXX日で~します)、It should take XX months to ~(~するのにXXカ月かかるはずです)などがあります。
④ 役割と責任の明確化
IT系の人はリモートで働くことが多く、プロジェクトを成功させるには、各メンバーが自分の役割・責任をしっかり理解していることがとても重要です。各自の役割を伝えるには、You are in charge of ~(~の担当です)、You are responsible for ~(~の責任者です)などを使ってみてください。
⑤ 許可を与える
リモートワークを成功させるためのコツは、スタッフの要望に柔軟に対応すること。「~してよい」と許可を与えるための一般的な表現は、Feel free to ~(気兼ねなく~してください)です。
NG やりがちだけど、これはダメ!
× Do you understand?(分かりますか?)
口調にもよりますが、「あなたは私の話に付いてきていますか?」のように高圧的に響くので、あまり使わないほうがいいでしょう。例えば、Does that make sense?(分かりますか?)などを使ってください。
読んで、聞いて、瞬間英作文でアウトプット
遂行すべきプロジェクトの内容、流れを学んだら、本書ではその場面で交わされる英語のやりとりを英文、音声、訳、表現解説で学びます。
Simple & Real Sentences 成功するシンプル英文
Unit 1で紹介されるのは「技術責任者のあなたが、新人社員を迎えて、プロジェクトの説明を初めて行う」設定のやりとりです。
専門用語解説
各Unitの会話に登場するIT専門用語の解説もあります。Unit 1ではfront-end development(フロントエンド デベロップメント)、QA(キューエー)という語の解説を掲載しています。ちなみに、
front-end development(フロントエンド デベロップメント):フロントエンド開発。フロントエンドとは、ユーザーが閲覧して操作できる部分のこと。ウェブサイトのグラフィカルユーザーインターフェース(コンピューターへ出す命令や指示などを、ユーザーが画面上で視覚的に捉え、行動を指定できる仕組み)の開発を指します。
QA(キューエー):quality assurance(品質保証)の略。ある製品が企業や業界の品質要求を満たしているかどうかを検証するプロセス、および、その検証を行うチームのこと。
Sentence Building 重要表現で英作トレーニング
各ユニットの仕上げは「瞬間英作文」です。ここまでに学習してきたことを参考にしながら、左ページに提示されている日本語を、吹き出しに記載されているヒントを参考にしながら英語にしてみましょう。
例題にチャレンジ!
本書の作文問題をいくつか紹介します。日本語を見てさっと英語にできるか挑戦してみましょう(もちろん、本書で学習をしてきた方であれば、必要な表現はここまでで全て頭に入っているはずです)。
1.これがプロジェクトの全体像です。
※ a bird’s-eye viewを使って
2.新方針の概要を説明します。
※ Let me give you ~とan overviewを使って
3.このプログラムを組み立てる(put together)のに5営業日かかるはずです。
※ It should take XX business days to ~を使って
4.あなたのチームは、そのアプリケーションをテストすることに責任があります。
※ Your team is responsible for ~を使って
英語でさっと言うことができましたか? 本書では見開きの左ページに日本語、右ページに英語が掲載されています。英語を確認したら、音声を聞いて(ぜひ本書を購入して体験してください!)何度も声に出して練習します。
解答例
1.This is a bird’s-eye view of the project.
2.Let me give you an overview of the new policy.
3.It should take five business days to put this program together.
4.Your team is responsible for testing the application.
ミーティングから交渉、プレゼン、Slackのやりとりまで
本書は全4章で構成されています。
1.1対1のミーティングを成功させる!
2.グループミーティングを成功させる!
3.交渉とプレゼンテーションを成功させる!
4.EメールとSlackで成功する!
IT企業の現場でのコミュニケーション問題を解決する一冊!
多文化のチームを率いるエンジニアの方、リモート環境でのコミュニケーションに苦労しているIT戦士の方は、ぜひ、本書を手に取って「伝わるコミュニケーション」の術を身に付けてください。
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著者プロフィール
ラファエル・ヴィアナ(Rafael Viana)
1987年生まれ。ソフトウエアエンジニア。ブラジルのリオデジャネイロ出身。大学在学中にオーストラリア、日本へ語学留学。日本語・英語・ポルトガル語を生かして日系企業でヘッドハンターや、ドコモグループのドコモ・サポート株式会社で通訳として勤務。問題解決能力とコミュニケーションスキルの高さから、優秀コミュニケーター賞などを受賞。
プログラミング学校で教師として外国人・日本人にプログラミングを教えたほか、IT企業とともに採用イベントなどを多数行う中で、現役のエンジニアと企業の間にコミュニケーションの壁があることに気が付く。
現在はアメリカに本社があるデジタルエージェンシーでプリンシパルエンジニアとして勤務。テックジャイアントや日本の大手企業などクライアントからの要望を吸い上げ、エンジニアに分かりやすく指示を出す日々。今後も日本企業独自のやり方に戸惑う外国人プログラマーや「彼らに的確なアドバイスやニュアンスが伝えられない」と悩む企業の間に立つべく活動を拡大予定。
SERIES連載
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