勤務先が外資系だったり、上司や 同僚 に外国人がいたり。仕事で英語を使う方なら押さえておきたいのが、自分の意図を伝える「機能表現」です。覚えておけば、仕事がぐっとスムーズに。書籍 『相手と場面で使い分ける 英語表現ハンドブック』 から紹介します。今回は「依頼を断る」表現です。
相手との距離を確認しよう
「機能表現」のポイントとなるのは、相手との距離感です。こちらの図を見てください。
あなたと相手との、心理的、社会的距離によって、使う表現が変わってきます 。特に今回は、「相手の依頼を断る」という、難しい状況。相手との距離感をしっかりつかんでください。
カジュアル:相手は仲のいい友だち
図の左上Ⅰの領域。心理的にも社会的にも近い場合です。
相手:Can you come over and help me with my homework tonight?相手が仲のいい友だちで、ストレートに断りたいときは、“ No way.”。それでも、ただ「だめ!」と断りっぱなしにするのではなく、「明日試験が二つあるんだ」というように理由を付け加えるのが普通です。(今晩、宿題を手伝いに来てくれない?)
あなた: No way! I've got two exams tomorrow.
(だめ!明日試験が二つあるんだ。)
“ Sorry, I can't. (悪いけど、だめだ)" といったカジュアルな断り方もできます。
カジュアル:相手は近所に引っ越してきたばかりの隣人
次は図の左下、Ⅲの領域。「社会的には近いけれど、心理的には遠い」という関係です。
相手:Do you think you could come to my school this Sunday and give a talk about your experience living in China?心理的に距離がある相手とのやり取りでは、どの状況でも使われる万能表現、“ I’m sorry, I can't. ” が使われます。ここでもやはり、そのあとに理由を続けるのが普通です。(今週の日曜日、学校に来て、あなたの中国在住経験について話をしてくれませんか。)
あなた: I’m sorry, I can't. I've been invited to a wedding on that day.
(申し訳ないんですが、だめです。その日は結婚式に招待されているものですから。)
ややフォーマル:相手は長年の付き合いで信頼する部下
図の右上、Ⅱの領域。長年付き合いがあり「心理的には近い」のですが、職場の関係なので「社会的には遠い」という関係です。
相手: Would you help me configure this graphics software?こうした状況では、ほかと比べて理由を付ける断り方が多いようです。理由のほかに、代案やアドバイスを付けるのも一般的。(このグラフィックソフトの設定をお手伝いいただけませんか。)
あなた: I wish I could, but I haven't used it, either . Ask Brenda. She knows everything.
(できればそうしてあげたいけど、私も使ったことがないから。ブレンダに聞いてみて。彼女は何でも知ってるから。)
よりフォーマル:相手は着任したばかりの上司
図の右下、Ⅳの領域。社会的にも心理的にも距離がある関係です。ここは丁寧に断りたいもの。さて、どんな表現を使うのでしょうか。
相手:Megumi, I'm wondering if you could work this Saturday.誰に対しても使われる「残念だ」+「できない」+「理由」という言い方がここでも登場。ですが、相手が相手なので、あらたまった感じの言い回しを使います。(メグミ、今度の土曜日に出勤してもらえないかと思っているんだが。)
あなた: I really love to , but I can't. I'm going to see my sister in Osaka this weekend.
(そうしたいのはやまやまですが、できないのです。今週末は、大阪にいる妹に会いに行くものですから。)
単に “ I can't.” という代わりに、“ That’s impossible.” や “ It's not possible .” もよく使われます。
まとめ
いかがでしたか? 頼まれごとを断るのは、日本語でもなかなか気が重いもの。でも、曖昧にしておくよりきちんと断ったほうが、結局はお互いのためです。
相手との距離感に応じた「依頼を断る」表現を、ぜひマスターしておきましょう。
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構成・文:GOTCHA!編集部
GOTCHA(ガチャ、g?t??)は、I GOT YOUから生まれた英語の日常表現。「わかっ た!」「やったぜ!」という意味です。英語や仕事、勉強など、さまざまなテー マで、あなたの毎日に「わかった!」をお届けします。