強気かつ前向きな気分で新年を迎えつつ、英語力もアップさせたい。そんな人におすすめの本を紹介します。その名も『ROLAND ENGLISH』。ホスト界の帝王として知られるローランドの名言を、英語で味わってみませんか?
ホスト界の帝王ローランドとは?
最近ではテレビなどで見かけることも多い、ホスト界の帝王ことローランド。写真を見ればわかると思いますが、この方です。
このページにも載っている名言で知られていますね。
Only two kinds of men exist :
Me and who else.
世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か。
歌舞伎町でホストとして活躍し、数々の記録を達成して引退。今では、8つもの会社を経営する実業家であり、メディアにしょっちゅう登場する人気タレントでもあります。揺るぎない自己肯定感と、圧倒的な信念、美学。そこから文字通り息を吐くように生まれる名言が魅力です。
本書は、ローランドの70の名言を取り上げて英訳。ローランドの世界観に酔いしれつつ、英文法や英語フレーズを学べる貴重な1冊です。
文法解説が充実!練られた構成
ローランドの名言を日英で楽しめる本書ですが、決して彼の魅力だけに頼った本ではありません。英語学習にもしっかり役立つよう、さまざまな工夫がされています。
まずはこの章立てを見てください。
Part1. 揺るぎない自信で世界を変える
‐主語・動詞など英語の基礎を学び、土台固めをPart2. ひと匙のロマンを胸に
‐受動態・仮定法などさまざまな表現を身につけるPart3. 人生の主役は自分
‐関係代名詞を筆頭に、一歩先ゆく英文法を学習Part4. 悔しさを燃料に、その先へ
‐人生のあらゆるシーンで役立つ粋な表現をマスターPart5. そして、夢を叶え続ける
‐助動詞や定型表現で、思いを自在に伝えるための総仕上げを
章のタイトルに圧倒されてしまいますが、注目してほしいのは副題です。英文法の基礎を網羅し、順を追って学べるようになっているのです。
ページの構成にも注目を。1題の名言を日本語訳と共に見開きで掲載し、文法項目を詳細に解説しています。
有名人の名前を冠した英語本だと、グラビアページばかりで英語は添え物という例も見かけます(本書もローランドの写真はたくさん載っていますが)。
しかし、本書は見てのとおり、英語学習に役立つ内容がぎっしり。ちなみに監修は、慶應義塾大学の名誉教授、田中茂範氏。英語関連の著書が多数ある他、NHKの語学番組への出演歴もある方です。
ローランドの写真と名言がたっぷり詰まっている上に、学習書としても信頼できるとは、何ともぜいたくな1冊です。
見習いたい!ローランドのマインドセット
何かと先が見えない世の中ですが、悩んでいても仕方ありません。ローランドのこのマインドセットを見よ!
「不可能」の対義語は、「ローランド」。
The antonym of “impossible” is ROLAND.
さすがだ~。ちなみに「同義語」はsynonym。まとめて覚えておきましょう。
カニですら、俺が接客したら前向きに歩くよ。
If I waited on a crab, even the crab would walk straight.
こんな仮定法の使い方、見たことない。解説では、「ローランドがカニを接客する可能性は極めて低く、単なる想像上の話だということが明らかなので仮定法を用いています」となっていますが、ローランドならいずれカニだって接客するかもしれません。いいなあ、カニ・・・。
しかし、カニをうらやむ必要はないのです。
俺と同じ時代に生まれた君は、すでに勝ち組だ!
Being born in the same generation as me, you have won at life already!
こちらは現在完了形を用いた例文。「have+動詞の過去分詞」の形をとり、「継続」「完了・結果」「経験」を表します。この場合は、「完了・結果」ですね。もうすでに勝っている!
そして、ぜひ覚えておきたいのがこんなフレーズ。
自分自身は自分の最大の味方であり、最後に支えてくれる存在。
You are the greatest ally to yourself and the one who stands there for you at the end.
こちらは最上級の例文です。最上級って、ローランドがよく使いそう。allyは「味方」という意味です。頑張っているのになかなか人に理解してもらえない。そんなこともありますが、自分だけは常に自分の味方でいたいもの。
それでも弱気になりそうなときは、こう考えてみましょう。
「できない」とか「無理」とかいう言葉は、限界まで頑張ったヤツが言う言葉だ。
You can't use the word “impossible” or “no way” until you have done your best to the limit.
「not A until B」で、「Bして初めてAする」という意味。落ち着いて考えれば、どんなピンチでも何かしらできることはあるはず。ローランドになったつもりでこうつぶやくことで、一歩踏み出せるかもしれません。
まとめ
この時季になると、「来年はどんな年になるだろう」と気になりますよね。何があっても、自分は自分。自分を信じてコツコツ努力を続ければ、いずれ結果は出ます。英語はもちろん、ローランドの自信と魅力にあふれたマインドセットが伝わるこの本を、今こそ手に取ってみませんか?
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。