【サムライENGLISH】 第4回:松尾芭蕉もハマった!魅惑の「松島」

あの俳聖・松尾芭蕉に、「おくのほそ道」の旅で最も訪れたかった場所のひとつ松島について、伊達武将隊の松尾芭蕉様にご紹介いただきます。

「日本三景」の一つとして有名な景勝地・松島。あの俳聖・松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で最も訪れたかった場所のひとつが、この松島だったというのはご存知でしょうか。 今回はそんな魅惑の松島を、伊達武将隊の松尾芭蕉様にご紹介いただきます。

なんと今回は、伊達政宗様にも友情(?)出演いただき、いつもよりボリュームアップしてお届けします!独眼竜と俳聖のぶらり二人旅、ぜひお楽しみください♪

【芭蕉様のおすすめ・その1】国宝・瑞巌寺で、新旧の美を堪能しましょう♪

写真提供:瑞巌寺

瑞巌寺(Zuiganji Temple)

Zuiganji Temple was originally established in 828 by Jikaku Daishi, a renowned Buddhist priest. The current building was rebuilt in 1609 by Masamune DATE as his family temple. It is one of the most famous Zen Buddhist temples in the Tohoku area, and its Hondo, or main hall, is designated as a National Treasure in Japan.

  • a renowned Buddhist priest ⇒renowned(高名な)+Buddhist priest (僧)
    ※慈覚大師は最澄の弟子で第3代天台座主。瑞巌寺のほか、平泉の毛越寺と中尊寺 、山寺の立石寺を開創しました。
  • family temple ⇒菩提寺
  • Zen Buddhist temple(s)⇒禅寺
  • is designated as a National Treasure in Japan ⇒国宝に指定された

連載2回目でご紹介した仙台城跡3回目の瑞鳳殿・大崎八幡宮 同様、瑞巌寺も伊達政宗公が桃山文化の粋を集めて築かれたものでございます。今年4月に再オープンしたばかりの本堂は、7年にわたる平成の大修理を経て、ますます美しくなりました。

この本堂奥の上段の間や上々段の間は復元されたもので、政宗公が建立されたオリジナル版は宝物館の「青龍殿」に保管されています。こちらは通常公開はされていませんが、期間限定で公開されますので、ぜひそのチャンスを狙って、本堂の復元版と見比べていただきたいですね(※)。

それともうひとつ。瑞巌寺中門の手前に大きな杉の木がございます。政宗公が建立された頃からあるという老杉ですが、ぜひ天辺のほうをご覧ください。地上20メートルほどの枝に石斛(せっこく)という蘭の一種が自生していて、6月頃に咲く淡いピンクの花はとても可憐で可愛らしいんですよ。

※上段・上々段の間は本堂の復刻版、宝物館「青龍殿」のオリジナル版ともに写真撮影ができませんのでご注意ください。また、オリジナル版の期間限定公開については、瑞巌寺の公式サイトでスケジュールを確認してからお出かけください。(編集部)

写真提供:瑞巌寺

【芭蕉様のおすすめ・その2】これぞ松島!西行戻しの松公園で絶景を愛でましょう♪

西行戻しの松公園(Saigyo Modoshi no Matsu Park )

The park is named for a story about a poet-priest named Saigyo and his encounter with a young boy under a pine tree.

It’s well-known for its magnificent cherry blossoms, but the autumn leaves and the snowscapes are also extremely beautiful.

  • is named for ~ ⇒~にちなむ、由来する
  • poet-priest ⇒poet(詩人)+priest(僧)⇒歌僧、歌人であり僧である
    ※西行法師は平安後期の僧。高名な歌人として知られ、「新古今和歌集」など多くの勅撰和歌集に歌が収められています。
  • pine tree ⇒松の木
  • magnificent ⇒壮大な、素晴らしい
  • snowscape(s) ⇒雪景色
  • extremely ⇒極めて、とても

あたくし松尾芭蕉の憧れ、西行法師ゆかりの地でございます。

その昔、西行法師は東北の有名な禅寺である瑞巌寺に詣でようとやって来ました。あと少しで瑞巌寺、という時に小さな子供に謎かけをされます。「冬に青々と茂り、夏に枯れる植物は何ですか?」と。答えは麦なのですが、答えられなかった西行法師は、「こんな小さな子供でもこれほどの学識を持っている。自分などが行っても恥をかくだけかも…」と瑞巌寺行きを断念し、引き返してしまいました。

・・・それが「西行戻し」の名の由来と言われております。春の桜を筆頭に、季節ごとに美しい絶景が楽しめる場所ですよ。

【芭蕉様のおすすめ・その3】雄島で松島の海と自然を体感しましょう♪

雄島(Oshima Island)

Oshima Island is a small island just southeast of Matsushima-Kaigan Station. It used to be a training place for Buddhist priests, and Buddha statues can still be found on the island. The original short, red bridge to Oshima Island was destroyed in the 2011 tsunami, but it was rebuilt and reopened in 2013.

  • southeast of ⇒~の南東に位置する
  • a training place for Buddhist priests ⇒僧の修行場
  • Buddha statues ⇒仏像

元禄二年(1689年)、『おくのほそ道』の旅であたくし松尾芭蕉と弟子の河合曾良(かわい・そら)さんは塩釜から船に乗り、この雄島を訪れました。ウミネコが大変多くてすぐそばまでやってきますし、海も間近です。松島の自然を味わえる絶好の場所ですね。 古くは多くの僧が修行した霊場で、無数の岩窟の中には今も仏像や卒塔婆などがあり、なんとも言えぬ雰囲気もございますよ。

ちなみに、あたくし芭蕉は松島で歌を詠まなかったと言われていますが、「おくの細」には曾良さんが詠んだ歌が載っています。ここ雄島にはその歌碑がありますので、ぜひ探してみてくださいね。

【芭蕉様のおすすめ・その4】やはり旅にはこれ!円通院で特製スイーツを味わいましょう♪

円通院(Entsuin Temple )

Entsuin Temple was built in 1646 next to Zuiganji Temple. It was built to house the mousoleum of Mitsumune DATE, who was a grandson of Masamune DATE. Entsuin Temple is also famous for its Western -style rose garden that was influenced by the mausoleum’s paintings.

  • that was influenced by ~ ⇒~に影響された

続いては、瑞巌寺のお隣にある円通院です。政宗公の嫡孫・光宗(みつむね)公の菩提寺で、霊廟である三慧殿の厨子には支倉常長が西洋から持ち帰ったと伝わるバラが描かれています。円通院はこのバラを題材にしたお庭のある「バラ寺」としても有名なんですよ。また、バラの他にも春の山野草、秋の紅葉はとても見事で、いつまでも眺めていたくなる美しさです。

そしてこの円通院を拝観した後は、ぜひお隣の「洗心庵」でスイーツを召し上がってみてください。特製の梅味くずきりは、なんと円通院で採れた梅を使っているんですよ。梅のほのかな酸味は夏の暑さも吹き飛ばす爽やかさとおいしさでございます♪

【芭蕉様のおすすめ・おまけ編】これぞとっておき♪「馬の背」と「富山」にも行ってみましょう♪

さて、ここからはおまけ編です。せっかくなので、更なるとっておきを2か所、特別にお教えしてしまいしょう♪訪れたことのある方はあまりいらっしゃらないのでは?という、ちょっと上級者編です。

まずは、JR仙石線「陸前浜田」駅下車の「馬の背」。馬の背にも蛇のようにも見える細長い陸地がに伸びていて、天然の桟橋と呼ばれています。なかなかの迫力でしょう?危ないですので、足元には十分お気を付けて散策ください。

・・・おや。さすが政宗様。お手を差し出されるとはなんとお優しい!

そしてもう一つが同じくJR仙石線「陸前富山(とみやま)」駅下車の富山観音堂。こちらは政宗公のご息女である五郎八(いろは)姫ゆかりの場所です。隣接する大仰寺(だいぎょうじ)やこの富山観音堂からの眺めはまさしく絶景で、古くから四大観(※)の一つ「麗観」と呼ばれています。あたくしおすすめのパワースポット!でございます。

馬の背も富山も駅からは40分ほどは歩きますので、車で行かれるか、ハイキング気分でゆっくりのんびり行程を楽しみながら訪ねてみてくださいね。

※松島湾の260余りの島々を一望できる名所で、それぞれの眺めの印象から、大高森の壮観、富山の麗観、多聞山(たもんざん)の偉観、扇谷(おうぎだに)の幽観をあわせ四大観と称します。(編集部)

松島へのアクセス

電車利用の場合:仙台よりJR仙石線 (石巻行・高城町行)乗車。松島海岸駅下車。(仙台から約40分)※今回ご紹介した各所(馬の背と富山を除く)はここから行くことができます。詳細は下記のサイトなどでご確認ください。 

参考サイト:日本三景松島 電脳松島絵巻 松島観光協会

 

次回予告

更新日:7月27日(水)
担当:全員
テーマ:「仙台最大の夏フェス・仙台七夕まつりを浴衣で楽しもう!」

奥州仙台おもてなし集団・伊達武将隊(The Oshu Sendai Welcome Squad Date Busho-tai)
奥州仙台おもてなし集団・伊達武将隊(The Oshu Sendai Welcome Squad Date Busho-tai)

杜の都・仙台の魅力を広めるため、 仙台藩祖である伊達政宗公と家臣団などで結成。 仙台城跡を拠点に、日本国内から海外まで、仙台をPRするために日夜出陣中。 最新情報は公式サイトやTwitterで随時配信。また、週2回の英語更新があるFacebookや、今すぐ仙台に行きたくなる美麗なInstagramも要チェック!

公式ホームページ

企画・構成:理桜
企画・構成:理桜

先祖は東北武士。今は東京女子。

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