フリーランスTOEIC講師を経て、現在は「猛牛ちゃんねる」でTOEIC対策動画を配信するTOEIC YouTuberの加藤草平さん(またの名をJet Bull、猛牛)。この連載「TOEIC満点者の頭ン中」では、TOEIC満点を通算60回以上取得している加藤さんが、TOEIC満点レベル以上の英語力を獲得する方法を紹介します。第2回は「TOEIC満点取得に必要な意識の高さ」です。
目次
TOEIC満点に必要な「意識」
連載の第1回では、TOEIC満点レベルになって、「英語を英語のまま理解」できるようになるとはどういう状態なのか、について書きました。未読の方は下記リンクからどうぞ。
▼第1回はこちら↓
gotcha.alc.co.jpこの第2回では、TOEIC満点を取るに当たっての「意識」の話をしていこうと思います。
僕は、TOEICという試験 に関して ある「意識」をいつも持っています。この「意識」のおかげでTOEIC満点を取ることができた、と言っても過言ではありません。
どんな「意識」を持っていたのか。
結論を 先に 書いてしまうと、それは「TOEICは簡単な試験だから、満点は必ず取れる」という意識でした。この意識を持っていれば、TOEIC満点は必ず取ることができると考えています。
「TOEICは簡単な試験だから、満点は必ず取れる」という意識を持っていると、「学習の 基準 」と「学習の時間軸」が変わってくる からです。
そもそも 難しいのか問題">TOEICは そもそも 難しいのか問題
そもそも 、TOEICというのは難しい試験なのでしょうか。例えば、英語母語話者が受験しても満点が取れないようなレベルの試験なのでしょうか。
昔は「ネイティブでも満点が取れない」とうわさされたこともありましたが、実際はそんなことはありませんね。
TOEICというのはノンネイティブの英語学習者向けに作られたテストであって、英語母語話者には簡単過ぎるテスト です。英語母語話者にとっては簡単過ぎて集中力が続かず、眠気に襲われるくらいのレベルです。
「え?そうなの?」と思われる方は、「TOEICの問題が全て日本語だったら・・・」と考えてみてください。TOEICの問題の日本語訳を読んでみると分かるのですが、「何を言っているのか理解できない」という部分はないと思います。日本語訳を見ながら問題を解けば、ほとんどの方が「これなら満点を取れる」と感じるでしょう。
TOEICというのは、英語母語話者にとっては簡単な試験なのです。
従う と、TOEICは簡単に思える">英語への憧れに素直に 従う と、TOEICは簡単に思える
さて、少し話は飛びますが、僕が英語学習を開始したころに目指していたゴールは、「英語母語話者と同じように英語を使えるようになる」です。
皆さんも、「ネイティブみたいに英語を話せるようになりたい!」なんて思ったことはありませんか。僕も、英語学習を始めたころは特に、その憧れの気持ちを強く持っていました。漠然と「英語をマスターしたい!」と思っていたんですね。
そんなことを思っていた当時の僕は、「日本人向け英語教材は全て、英語のネイティブスピーカーから見たら簡単なのだろう」と思っていました。こう思えたのはやはり、「日本語訳を見たときに、内容自体が理解できないものがなかった」からです。
そして、「英語をマスターしたいのであれば、日本で売られている 英語教材に登場する英語くらいは全部理解できるようにならねば 」と思うようになりました。
もちろん当時は、どの英語教材の英文を見ても理解できないものだらけでした。しかし、英語をマスターするステップのどこかでそのレベルは通過しなければいけないと思っていましたし、当然そのレベルは通過できると思っていました。
つまり、英語をマスターするという憧れに素直に従った結果、「英語教材は簡単→そこに登場する英語を全て余裕で理解できるレベルに到達するのは難しくないはず」という意識が出てきたわけです。
そのうちの一つとして、「TOEICは簡単な試験だから、当然満点も取れるようになるはず」という意識を持っていたのです。
基準 が高くなる">「意識」を変えると、学習の 基準 が高くなる
「TOEICで満点を取ろう」と考えて学習に 取り組む のと、「英語をマスターしよう」と考えて学習に 取り組む のとでは、学習の 基準 に大きな差が出てきます。
「TOEICで満点を取ろう」という意識で学習すると、「問題に正解できるようになるにはどうすればいいのか」と考えて勉強します。この場合、「〇〇さえ知っていれば正解できたのに」の「〇〇」の部分だけ吸収すれば、そこで学習は終わりです。
一方、 「英語をマスターしよう」という意識で学習すると、「目の前にある英語をきちんと理解するにはどうすればいいのか」と考えて勉強 します。すると、問題に直接は関わりのない部分の英語も吸収するようになります。
長い目で見ると、後者の方が英語力が伸びそうな気がしませんか。
例えば「単語」でも、「TOEICなんて簡単な試験なんだから、知らない単語があっちゃまずい。全部覚えよう」というように、学習の 基準 が自然に高くなるわけですね。
「意識」を変えると、学習の時間軸が長くなる
「英語をマスターする」というのは長期にわたるプロジェクトですから、英語学習を長い時間軸で捉えるようになります。
僕の場合は、「生きているうちに英語をマスターできればいいかな」と考えるようになりました。当然その過程のどこかでTOEIC満点は通過するのですが、これ に関して も実は、「生きているうちに満点を取れればいいかな」と考えていました。
自分の場合は、こう考えることで変にプレッシャーを感じることなく伸び伸びと学習を続けることができました。正直なところ、もしも当時の自分が「TOEICの満点を取る!」と強く考えていたら、途中で心が折れてしまっていたかもしれません。
実際、TOEICスコアが2年間全く変わらない時期もあったのですが、 「英語をマスターする」という長い時間軸の中で英語学習に取り組んでいたので、スコアの停滞は全く気になりませんでした 。長い時間軸の中で学習をしていたため、スコア停滞期にも、「学習を続けていればそのうち嫌でも上がるはず」と思えることができたのです。
その結果、コツコツと英語学習を続けることができ、TOEIC満点というポイントも無事通過することができました。
時間はかかっても、TOEIC満点は必ず取れる
「英語をマスターしたい」という気持ちに素直になると、「TOEIC満点は簡単なはず」と思えるようになります。
「知らないものは何でも吸収しよう」と思えるので、自分の中での学習の 基準 が上がります。
「時間はかかって当然」ですから、長い時間軸の中で淡々と学習を続けることができます。
学習の 基準 が高い状態でコツコツ勉強できれば、TOEIC満点は必ず取れます 。
TOEIC満点を取れるかはやっぱり意識次第
もちろん、TOEICの満点を 取得 するまでには相当の勉強が必要ですが、この「TOEICは簡単」という意識は、英語学習をする中でとても大事だと思います。
僕としては、「TOEICは簡単」という意識を持つ人が増え、学習の 基準 が上がる人が増え、高得点者、つまり英語上級者が増えていくといいなと思っています。
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加藤草平(Jet Bull、猛牛)
TOEIC YouTuber。TOEIC対策動画を配信する「猛牛ちゃんねる」でYouTuberとして活動中。YouTuberになる前はフリーランスTOEIC講師。TOEIC満点は通算60回以上 取得 、最高で40回連続満点を 取得 したこともある。書籍 『TOEIC(R) L&Rテスト プライム模試400問』 (アルク)を監修するなど、TOEIC教材の制作にも携わっている。
「猛牛ちゃんねる」: https://www.youtube.com/channel/UCv8HudXBy1Hyd-R2v1jqTvg
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