ゆりやんレトリィバァが世界No.1 TOEICアプリ「Santaアルク」の新ブランドミューズに、アルク記者会見で新事業を発表

アルクは15日、都内で新戦略発表会を開催し、世界No.1のTOEIC専門AIアプリ「Santaアルク」の新ブランドミューズに、ゆりやんレトリィバァを起用すると発表した。あわせて、短期集中型の英語コーチングサービス「AUTHENTECH」や、外国人材の採用・教育・定着を支援する新組織「アルク外国人雇用支援機構(JESI)」についても紹介。AIを活用しながら、英語学習から日本語教育、企業研修まで領域を広げていく同社の新たな取り組みが示された。

時代のニーズは英語学習を「続ける力」、アルクの挑戦

発表会の冒頭、田中伸明代表取締役社長は、英語学習に対して多くの人が抱く期待と不安について、こう語りかけた。

ひとつ、想像してみてください。英語ができるようになったら、ビジネスの現場で英語が使えるようになったら――きっと胸が高まるはずです。一方で、そこには不安も生まれます。英語学習を、うまく始められるだろうか、そして続けられるだろうか、という不安です

アルクは、「キクタン」シリーズをはじめとする書籍、TOEICアプリ「Santaアルク」、企業向け研修プログラムなど、50年以上にわたり英語教育に取り組んできた老舗企業だ。

一方で、英語教育を取り巻く環境は、AIの進化によって大きく変わりつつある。英会話の練習相手はAIが担い、英文の読み書きも生成AIが支援する時代になった。田中社長は、こうした変化を前向きに捉えながらも、次のように語った。

「AIで多くのことができるようになったからこそ、逆に“AIではできないこと”が、よりはっきりと見えてきました。高度な会話力や、ビジネスの現場で求められる実践力、そして何より、英語学習を『続ける力』です

アルクは、教材やアプリを提供するだけでなく、学習者の成果に寄り添い、最後まで伴走する企業へと進化していく考えを示した。

「Santaアルクをはじめとする三つのビジネスを軸に、AIの力を生かしながら、人にしかできない支援で、英語学習の成果までしっかりと導いていきます」

ゆりやんレトリィバァが体現する「挑戦し続ける英語学習」

今回の発表会で、ひときわ存在感を放っていたのが、「Santaアルク」のブランドミューズに就任した、ゆりやんレトリィバァだ

お笑い芸人としての活躍にとどまらず、海外のコメディ番組への出演、映画監督への挑戦、そしてロサンゼルスへの拠点移転など、常に新しい舞台に挑み続けてきた。その姿勢が、「なりたい自分に挑戦し続ける」という「Santaアルク」のメッセージと重なったことが、起用の理由だという。

発表会当日、ゆりやんはCMと同じサンタクロースの衣装で登場。会場からは大きな拍手が起こり、場の空気が一気に和らいだ。

CM撮影について聞かれると、ユニークなスタジオセットを振り返り、

「毎回パネルが着替わるような面白いセットで、『次はここに顔をはめるんですか?』って驚くことも多かったです。すごく楽しくて、完成したCMがどうなるのか、ずっと楽しみにしていました」と語った。

完成したCMを見た感想については、「とても軽快で、見ていてうれしくなるコマーシャル」と笑顔でコメント。自身の視点で採点すると何点か、という質問には、

「AIスコア診断ならぬ“ゆりやんスコア診断”で言うなら、100億点です。単位はAIと違って適当ですけど(笑)」

と、場を和ませた。

また、CMで着用したサンタクロースの衣装についても、「クリスマスは一番好きなシーズン」と前置きしながら、

「そのワクワクする街の雰囲気の一部に、自分も入らせてもらえるのがすごくうれしいです。街を歩いている人が『あ、ゆりやんだ』って思ってくれたらいいなと思っています」

と語った。12月15日(月)からは、ゆりやんレトリィバァのビジュアルをあしらった宣伝トラックが首都圏を走行する。走行中には、ゆりやん本人が歌う「Santaアルク」のCMソングも放送される予定で、街中でも注目を集めそうだ。

「続けられる」ことへの共感と、AI成果伴走への期待

またゆりやんは自身の英語学習について、ロサンゼルスでの生活を通じて感じたことを率直にこう明かす。

『ここ、聞き取りにくいな』『ここ、苦手だな』っていう部分って、正直あまり向き合いたくないところなんですよね。聞き取れなかったりすると、どうしてもネガティブな気持ちになってしまって

そんな中で、「Santaアルク」のAIスコア診断や成果伴走の仕組みに触れ、

「誰かに寄り添ってもらって、『あなたはここが苦手ですよ』って教えてもらえて、『じゃあこうしよう』って目に見える形で分かると、前向きに取り組める。それが本当にありがたいなと思いました」

と語った。

AIを相手にした学習についても、人に対して感じがちな緊張や遠慮が少ない点を評価する。

「人と話すのも大事ですけど、その前に自分の中で噛み砕いて、整理できるのがいいですね。『こう言えば伝わるんだ』って体験できると、自信にもなるし、そこからどんどん広がっていく気がします」

新しい挑戦を始める人へ、ゆりやんからのメッセージ

最後に、Santaアルクのブランドミューズとして、そして一人の挑戦者として、これから新しい一歩を踏み出そうとする人たちへ向けたメッセージが送られた。

「新しいことに挑戦するのって、怖くないですか?ってよく聞かれるんですけど、私はそんなに怖くないと思っていて。『できないかも』って最初から制限をかけずに、とりあえずやってみることが大事だと思います」

そして、「Santaアルク」の名前にかけるように、こんな言葉で締めくくった。

Santaアルクと一緒に、一歩、二歩、三歩、四歩、五歩。少しずつでも進んでいきましょう。きっと、いい感じで前に進めると思います

世界1,000万人以上が利用する「Santaアルク」がさらに進化

今回の新戦略の柱の一つが、TOEIC対策アプリ「 Santaアルク 」の大型アップデートだ。

同アプリは、全世界で1,000万人以上のユーザーに利用され、4.5億件を超える解答データをAIが解析。弱点分析や予測スコアの算出を通じて、短時間で効率的なスコアアップを可能にしてきた。20時間の学習で平均195点アップという実績もあり、忙しい社会人を中心に支持を集めている。

また今回新たに導入されたのが、「AI成果伴走サービス」だ。TOEICスコアアップの最短ルートを示すだけでなく、学習の“続け方”までAIがサポートする点が特徴となっている。

日々の学習を支えるデイリー学習やミニ目標管理、学習ログからモチベーションの低下を察知する仕組み、詳細な分析レポートなどを通じて、無理なく学習を続けられる設計となっている。

さらに、「30日間の学習とスコア診断に納得できなければ全額返金」という制度も導入され、初めての人でも安心して学習を始められる環境が整えられた。

本気で英語力を伸ばしたい人へ――短期集中コーチング「AUTHENTECH」

二つ目の取り組みとして紹介されたのが、短期集中型の英語コーチングサービス「 AUTHENTECH by アルク 」だ。

AUTHENTECHは、50年以上にわたるアルクの英語教育ノウハウと、3,500社以上の法人研修実績をもとに開発されたプログラム。「ティーチング(教える)」と「コーチング(伴走する)」を組み合わせ、理解と継続の両立を目指している。

専任コーチが、受講者の目標や英語レベル、生活リズムを丁寧にヒアリングし、「何を・どの順番で・どこまで学ぶか」を個別に設計。学習を途中で止めさせない仕組みを構築している

受講料は3か月66万円(税込)と決して安くはないが、田中社長は「中途半端な折り合いはつけなかった。本気で英語を武器にしたい人、本物の英語力を身につけたい人に向けたサービスです」と語り、狙いを明確にした。

特定技能の“言葉の壁”に向き合う新組織「JESI」

記者会見では、外国人材の採用・教育・定着を支援する新組織「 アルク外国人雇用支援機構(JESI) 」についても紹介された。

日本では、外国人労働者が約230万人、特定技能の在留者も27万人を超え、外国人材の受け入れが進んでいる。一方で、試験には合格していても、現場で必要とされる日本語が十分に理解できず、早期離職につながるケースも少なくない。

JESIは、介護・建設・製造など現場で実際に使われる日本語をAIで学べる環境づくり、生活支援にとどまらない学習伴走型の定着支援、スコアだけでなく対話力を重視した採用設計という三つの軸で、こうした課題に向き合う。

サービス開始は2026年2月を予定しており、自治体や企業との連携も視野に入れている。田中社長は「外国人材の定着は、日本社会全体にとって重要なテーマ。アルクの教育ノウハウで力になりたい」と語った。

「成果に伴走する企業」として、次のステージへ

発表会は、新CMのお披露目やフォトセッションなどを含め、約1時間にわたって行われた。

田中社長は、「語学を通じて人が前向きになり、キャリアが拓かれ、社会がより良くなる。アルクは、そんな“成果に伴走する企業”として、これからも挑戦を続けていきたい」と語った。

ENGLISH JOURNAL編集部
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