「下戸(げこ)」って英語で言える?【キムタツ式クイックレスポンス:お酒編】

どんなに英語を学習しても意外と言えないのが「身の回り」の出来事。キムタツ先生印の「クイックレスポンス」トレーニング(日→英を高速変換)で「言いたいことを英語で言える」ようになりましょう!

第7回 お酒編

今回のテーマはお酒に関する表現です。下の指示に従って、Let’s get started!

「クイックレスポンス」トレーニングの手順

  1. それぞれの表現を確認します。わからない単語や文法があれば、印を付けておきましょう。
  2. 音声を聞き、表現の意味や発音を確認します。その後、自分で英文を読み上げ、自信のない箇所は音声を聞き直して再確認しましょう。
  3. 音声の英語に合わせて10回ほどシャドーイングしましょう。ネイティブスピーカーと同じように発音することが目標です。
  4. 何度も声に出して読み上げ、英語と日本語をセットにして、しっかりと表現を覚えます。
  5. 日本語だけを見て、即座に英語の表現が言えるようになるまで頭にたたき込みます。何度も何度も反復して練習しましょう。
  6. 音声を流し、日本語が聞こえたら、英語の音声が聞こえてくる前に、自分で英語表現を口に出してみましょう。

これができるまで、挫折禁止!

Japanese
  1. 帰りにちょっと一杯ひっかけていこう。
  2. 僕はウイスキーの水割りではあまり酔わない。
  3. 酒を飲み過ぎると明日は仕事にならないよ。
  4. 私は下戸ですが、飲み会に行くのは大好きです。
  5. 昨日は飲み過ぎまして、軽い二日酔いなんです。
  6. 一次会の後、二次会に誘われたの。
  7. よかったらこの後2人だけで飲みませんか?
  8. この刺身は、日本酒に本当によく合う。
  9. 君の美しい瞳に酔っちゃったよ。
  10. 酔って女性を口説く男って大嫌い!
English
  1. Let’s grab a drink on our way home.
  2. I don’t really get drunk if I drink whiskey and water.
  3. You won’t be able to get any work done tomorrow if you drink too much.
  4. I’m a lightweight drinker but I love to go out drinking.
  5. I have a slight hangover from last night’s heavy drinking.
  6. I was invited for another drink after the main party.
  7. After this, how about just the two of us going for a drink?
  8. This sashimi goes really well with sake.
  9. I’ve been intoxicated by your beautiful eyes.
  10. I hate men who get drunk and then make a move on women!

お酒の席で、英語力の腕試し!?

普段の生活で英語を話す機会をあらためて考えてみると、僕の場合は夜が多いように思います。日本語があまり得意ではない外国人とお酒を飲んだり、寿司屋のカウンターでたまたま隣に座った外国人にネタの説明をしたり、ほかの学校を訪問したときに外国人講師が懇親会に参加していたり。もしかしたら僕だけかもしれないけれど、お酒を飲みながら英語を話していることが多いことに気付きました。

お酒が入っていても、うまく話せないとやっぱり悔しいんですよね。「あれ、『タコの唐揚げ』ってなんていえばいいんだろう?」なんて思っているうちに嫌な汗が噴き出してきますし、僕の友達は「ウイスキーの水割り」のことをwater divided whiskey と言ってまったく通じませんでした(笑)。ちなみに、タコの唐揚げは deep-friedoctopus、水割りは左ページにもあるように whiskey andwater なんて言います。

今月掲載した表現はお酒にまつわるものですから、学校では教わることが少ないものばかりで、知らなかったという人も多いかもしれません。知らなかったことは問題ではないのですが、中には新しい表現を見たときに「へえ、そう言うのか」で終わってしまう人もいるようです。これは、「○○は英語で×× と言う」という表現をいっぱい載せている本を読んでみた場合でも同じです。

いつも言っていますが、実際に英語が話せるようになる人は、クイックレスポンスができるようになるまで何度も何度も反復するんです。もちろん知ることは大切なのですが、もっと重要なのはその表現を確実に身に付けることです。

反復練習をしてクイックレスポンスができるようになったら、言うまでもなく実際に使ってみることも必要です。それで失敗して、「またうまく話せなかった!」という悔しい経験をすることこそが、英語を上達させる原動力になるのです。英語学習ってなんだかんだ言って、気迫とか負けん気がとても大事なんじゃないかなと思っています。

お酒の席はシリアスな話題にもなりにくいですし、「ミスしてもいいか!」という大きな気持ちになれるので、意外とうまく話せることがあるもんです。相手も酔っているので細かいことは気にしなくて大丈夫、というくらいの気持ちで、いろいろな場所を英語学習に生かしてください。それに、ナイトライフで英語がスラスラと話せれば格好いいですからね! でも、くれぐれも飲み過ぎにはご注意を!

これもついでに覚えてしまおう!

  • binge(どんちゃん騒ぎ)
  • dry([お酒が]辛口の)
  • abstinence(禁酒)last call(ラストオーダー)
  • split the bill(割り勘にする)
  • salted squid innards(イカの塩辛)
  • alcoholic poisoning(アルコール中毒)
  • alcohol-related harassment(アルハラ)
  • He was sipping whiskey while eating bitter chocolates.(彼はビターチョコをつまみにウイスキーをちびちび飲んでいた)
  • Why don’t you try this? It’s on the house!(これ、試してみませんか? 店からのサービスです!)
木村達哉(きむらたつや)
木村達哉(きむらたつや)

1964 年生まれ。関西学院大学文学部英文科卒業。西大和学園中学校・高等学校で10年間、灘中学校・高等学校で23年間教えた後、2021年4月より本格的に作家としての道を歩む。また、全国の中学校・高等学校での講演や英語の先生向け勉強会の開催など、教育活動に精力的に取り組んでいる。著書に『新ユメタン』『東大英語』シリーズ(いずれもアルク)ほか、多数。
ウェブサイト https://www.kimu-tatsu.com/

●Narration:Greg Dale、戸田ダリオ
●本記事は『ENGLISH JOURNAL』2018年10月号に掲載された記事を再編集したものです。
●作成:2016年1月7日、更新:2023年6月23日

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