「世界レベル」は英語でなんて言う?海外の著名研究者が東大教員としてオンラインで授業

ビジネスの場で英語を話すなら、国際情勢や経済動向、企業戦略など、世界の最新事情に触れる機会が必ず訪れます。そんなとき、「今話題のあれを英語でなんて言うのか」を学ぶのに最適の素材が英語のニュースです。日経LissNで配信されている最新情報を、英語講師の天満嗣雄先生がわかりやすく解説します!

今回のニュース

東京大学が海外の著名な研究者を「グローバルフェロー」という名称で、教員として招くというニュース。オンラインでの授業が可能になった今ならではの取り組みですね。

Renowned foreign researchers to conduct online classes as faculty at the University of Tokyo
海外の著名研究者、東大教員に オンラインで授業

2021年4月1日に配信されました。

まずは聞いてみよう!

音声は以下から聞くことができます。一体、どんなことが話されているのか、概要を把握するつもりで聞き取りましょう。

※ノーマルスピード(1速)の音声です

理解度をチェック!

ニュースの内容について、しっかり聞き取って理解できているか確認しましょう。次の問題について、正解の選択肢を選んでください。

Which statement is true?
(A) The university will create world-class education opportunities for students after the restrictions on travel are over.
(B) The university will not create world-class education opportunities for students, even though the restrictions on travel are continuing.
(C) The university will create world-class education opportunities for students, even though the restrictions on travel are continuing.

詳細を聞き取ろう

今度は、スクリプトや翻訳を確認しながら、もう一度音声を聞いてみてください。聞き取れていなかった箇所や、意味がわからなかったところなどを重点的に確認してください。

スクリプト

Renowned foreign researchers to conduct online classes as faculty at the University of Tokyo

On the 18th, the University of Tokyo decided on a basic policy of establishing a new system in the academic year of 2021 to appoint renowned researchers from overseas universities as faculty members under the name of “Global Fellows.” In addition to streaming classes online from overseas, such researchers will be able to participate in joint research. Even as the restrictions on travel to and from overseas continue due to the effects of the novel coronavirus, the university will create opportunities for students to come into contact with world-class education and research, and strengthen its international competitiveness.

The conditions for eligibility will be stipulated in the university’s regulations as “has outstanding academic or educational achievements and can contribute to the promotion of (University of Tokyo’s) global educational and research activities.” Each faculty or graduate school of the University of Tokyo will select people. It is also assumed that each faculty member can make use of their personal connections to invite cutting-edge researchers.

All education and research activities will be conducted online. The term and remuneration will vary depending on the individual’s contract. If the person is in charge of] classes, they will be required to take on at least one term out of four per year.

They will have the same authority to award credits and such as faculty members belonging to the University of Tokyo, and they can apply for public research funds. It has been trialed at the Graduate School of Economics since the academic year of 2020, with one researcher from the University of California and one from Northwestern University appointed. It is expected that the Graduate School of Engineering will ntroduce it soon.

翻訳

海外の著名研究者、東大教員に オンラインで授業

東京大は18日、海外大学などの著名な研究者を「グローバルフェロー」の名称で教員として登用する制度を2021年度に新設する方針を固めた。海外からオンラインで授業を配信するほか、共同研究に参加できるようにする。新型コロナウイルスの影響で海外との往来制限が続くなかでも学生らが世界レベルの教育や研究に触れられる機会をつくり、国際競争力を強化する。

対象者の条件は内規で「学術上または教育上の顕著な業績を有し、(東大の)グローバルな教育研究活動の推進に貢献できる」と定める。東大の学部や研究科ごとに人選する。各教員の人脈を生かし、最先端の研究者を呼び込んでもらうことも想定する。

教育研究活動はすべてオンラインで実施する。任期や報酬は各人の契約で異なる。授業を受け持つ場合は年4回の学期(ターム)のうち1ターム以上を担うよう求める。

単位授与などの権限は東大に所属する教員と同等とし、公的研究費の申請もできる。20年度から経済学研究科で試行し、米国のカリフォルニア大とノースウエスタン大の研究者を1人ずつ登用している。工学研究科でも近く導入する見込みという。

覚えておきたい単語リスト

ニュースに出てきた表現のうち、難しいものや、特に知っておいた方がいいものをまとめました。一つずつ、意味を確認してください。

  • renowned:著名な
  • faculty:教員陣
  • appoint:任命する
  • come into contact with:~と触れ合う
  • competitiveness:競争力
  • condition:条件
  • eligibility:適格性
  • stipulate:定める
  • outstanding:傑出した
  • graduate school:大学院
  • personal connection:人脈
  • cutting-edge:最先端の
  • remuneration:報酬
  • credit:単位

ニュースのポイント

第1段落第1文のfaculty「教員陣」という意味で、大学や院で教える教員全体を表す言葉です。一人一人の教員を表す場合はfaculty memberという表現になります。staff、crew、audienceなどと同じ使われ方です。オンラインで授業を提供する以外にも、共同研究者として参加することも可能とのこと。第3文のthe restrictions on travel to and from overseasでは to and fromという海外への旅行も海外からの旅行もまとめてしまう表現が便利です。world-classは「世界レベル」のという意味ですね。

第2段落に登場するconditionは日本語の「コンディション」という意味以外に「条件」という意味でもよく使われる言葉。その後のeligibilityは「適格性」という意味ですが、形容詞のeligibleもbe eligible for~「~の資格がある」、be eligible to do「~する資格がある」という形でよく使われます。cutting-edgeは「最先端の」という意味で、似た意味のstate-of-the-artと共に頻繁に用いられる表現です。

第3段落のremunerationは「報酬」という意味ですが、給料を表す言葉はsalary(給料)、wage(賃金)、compensation(給与)などたくさんありますね。

第4段落第2文のwith one researcher from the University of California and one from Northwestern University appointedは便利な構造。one researcher from the University of California and one from Northwestern Universityまでがwithの目的語で、その後のappointedがその補語になっています。2名の研究者が任命された状態で試験運用が始まっているという意味ですね。

今週のキーワード

renowned
著名な

ニュースに登場する著名な人物や機関を修飾する形容詞です。renowned economist(著名な経済学者)、renowned entrepreneur(著名な起業家)、renowned educational institute(著名な教育機関)などよく登場します。

クイズの正解

(C

いかがでしたか?来週はどんなニュースが飛び込んでくるのでしょうか。毎週月曜日の更新をお楽しみに!

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天満嗣雄(てんまひでお)
天満嗣雄(てんまひでお)

中学・高校時代にNHKラジオの語学番組で英語を学び、神戸大学ESSを経て英会話学校に就職。学校運営・レッスン(英会話・国連英検・TOEIC・Speech)および、講師研修を担当。企業派遣講師を経てプロセス英語会を開設。専門学校や企業でも教える。著書に『 TOEIC(R) L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング1 TTT速習シリーズ 』『 TOEIC(R) L&Rテスト 「直前」模試3回分 (いずれも共著、アルク)などがある。
ホームページ: https://processeigo.com/
Twitter: @ProcessE

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