ビジネスの場で英語を話すなら、国際情勢や経済動向、企業戦略など、世界の最新事情に触れる機会が必ず訪れます。そんなとき、「今話題のあれを英語でなんて言うのか」を学ぶのに最適の素材が英語のニュースです。日経LissNで配信されている最新情報を、英語講師の天満嗣雄先生がわかりやすく解説します!
今回のニュース
コンタクトレンズのように目に入れて画像を表示できる次世代端末スマートグラスの開発に関するニュースです。アメリカの新興企業Mojo Visionがメニコンと連携して開発しているとのこと。
Contact lens type for next-generation smart glasses device ; video before one’s eyes2021年3月30日に配信されました。次世代端末スマートグラスにコンタクト型 目の前に映像
まずは聞いてみよう!
音声は以下から聞くことができます。一体、どんなことが話されているのか、概要を 把握する つもりで聞き取りましょう。
※ノーマルスピード(1倍速)の音声です
理解度をチェック!
ニュースの内容について、しっかり聞き取って理解できているか確認しましょう。次の問題について、正解の選択肢を選んでください。
Which statement is true?(A) The lenses are expected to be commercialized within the year.
(B) The lenses are not expected to be commercialized within the year.
(C) The lenses are expected to never be available commercially.
詳細を聞き取ろう
今度は、スクリプトや翻訳を確認しながら、もう一度音声を聞いてみてください。聞き取れていなかった箇所や、意味がわからなかったところなどを重点的に確認してください。
スクリプト
Contact lens type for next-generation smart glasses device ; video before one’s eyes
As a next-generation information device following smartphones, “smart glasses” technology that displays images in front of one’s eyes has entered a new stage. US company Mojo Vision is developing a contact lens type that is inserted into the eye and aims to put it into practical use with Menicon. QD lasers will project images directly onto the retina. Utilizing the high-speed communication standard “5G,” there is a possibility of discovering demand in a wide range of fields such as manufacturing sites and games.
The contact lens type device developed by US startup Mojo Vision consists of things such as lenses and displays, and is used in the eyes. The device connects to the Internet through a relay device for communication . It is possible to project an extremely small image in front of one’s eyes.
For example , it is expected to be used for things such as a car navigation system displaying data including directions and location names in front of one’s eyes by overlaying it on actual roads and buildings, as well as visually instructing things such as processes in the manufacturing industry and logistics.
Drew Perkins, co-founder and chief executive officer (CEO) of Mojo Vision, said, “We need to get certification as a medical device , and it will take three years ( to commercialize), but we will continue to improve it.” The company has partnered with Menicon, a Japanese contact lens company that has expertise in areas such as material development , cleaning, and approval . Aspects such as ensuring safety as a device will be an issue .
翻訳
次世代端末スマートグラスにコンタクト型 目の前に映像
スマホに続く次世代情報端末として目の前に映像を表示する「スマートグラス」の技術が新たな段階に入ってきた。米モジョ・ビジョンは目に入れるコンタクトレンズ型を開発し、メニコンと実用化を目指す。QDレーザは網膜に映像を直接投影する。高速通信規格「5G」を活用し、製造現場やゲームなど幅広い分野の需要を掘り起こす 可能性がある 。
米スタートアップのモジョ・ビジョンが開発したコンタクトレンズ型の端末はレンズやディスプレーなどで構成されており、目にはめて使う。通信をするための中継装置を通じて、ネットに接続する。超小型の画像を眼前に映し出すことが可能だ。
例えば、カーナビゲーションシステムとして、現実の道路やビルに重ねる形で方向や地名などのデータを目の前に表示したり、製造業や物流では 工程 などを視覚的に 指示 したりする用途を想定している。
モジョ・ビジョンの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のドリュー・パーキンス氏は「医療機器として認証を得る必要があり、(商品化までには)3年はかかるが改良を続けていく」と話す。素材開発や洗浄、 承認 などで知見がある日本のコンタクトレンズ会社、メニコンと提携した。デバイスとしての安全性確保などが課題となる。
覚えておきたい単語リスト
ニュースに出てきた表現のうち、難しいものや、特に知っておいた方がいいものをまとめました。一つずつ、意味を確認してください。
- entered a new stage:新たな段階に入る
- image:画像
- insert :入れる
- retina:網膜
- consist of :で構成される
- communication :通信
- directions:道順
- overlay:重ね合わせる
- logistics:物流
- certification:認証
- partner with :と連携する
- expertise :専門技術、専門知識
ニュースのポイント
目の前に画像を表示する次世代情報機器、smart glassesが新しい段階に入ったというニュース。
第1段落2文目のput it into practical use は「実用化する」という意味です。 practical の名詞 practice は「練習」というイメージが強いかも知れませんが、「実践、慣行」というような意味もありますね。繰り返し行うことというイメージ。「投影する」という意味の project は後ろの音節に強勢があり、声が高くなります。
the high-speed communication standard 5Gは「高速通信規格である5G」という意味。固有名詞の5Gの前にその内容を表す普通名詞the high-speed communication standard が置かれている構造で、頻繁に登場する形です。 ちなみに communication は「コミュニケーション」というだけでなく「通信」の意味でも頻繁に用いられます。
第3段落は段落全体が1文ですから文としてはかなり長い文になります。a car navigation system displaying data はdisplaying data がsystemを説明していて、全体で「データを表示するカーナビシステム」ということ。さらにどんなデータなのか(including directions and location names)、どこに表示するか(in front of one’s eyes)、どのように表示するか( by overlaying it on actual roads and buildings)の説明が続きます。さらに、別の使われ方が後に続いています。聞こえた順番で意味の塊を積み上げていって全体が理解できるように、構造に慣れましょう。
第4段落は、この機器を開発しているMojo Visionの創業者の発言を引用し、 今後の 展開 やこれまでの経緯を説明しています。
今週のキーワード
a wide range of幅広い非常に頻繁に使われるフレーズです。 range は「幅、範囲」などの意味の単語ですが、a lot ofや a number of と同様、意味の中心は後ろに続く名詞で、a wide range of全体が形容詞のように使われます。
クイズの正解">クイズの正解
(B )
いかがでしたか?来週はどんなニュースが飛び込んでくるのでしょうか。毎週月曜日の 更新 をお楽しみに!
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※土日祝日は3本となります。
天満嗣雄(てんまひでお) 中学・高校時代にNHKラジオの語学番組で英語を学び、神戸大学ESSを経て英会話学校に就職。学校運営・レッスン(英会話・国連英検・TOEIC・Speech)および、講師研修を担当。企業派遣講師を経てプロセス英語会を開設。専門学校や企業でも教える。著書に『 TOEIC(R) L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング1 TTT速習シリーズ 』『 TOEIC(R) L&Rテスト 「直前」模試3回分 (いずれも共著、アルク)などがある。
ホームページ: https://processeigo.com/
Twitter: @ProcessE
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