連載「英語パートナーシップ学習」では、英語学習コーチ・メンタルコーチの船橋由紀子さんが、NLP(神経言語プログラミング)やアドラー心理学も生かして、「英語学習を楽しく頑張れる」方法を一緒に見つけていきます。第1回は、「ナカマ学習のススメ」です。
目次
「英語パートナーシップ学習」とは?
こんにちは!英語学習コーチの船橋由紀子です。今回から、連載「英語パートナーシップ学習」を担当させていただきます。
学習者の皆さんが「自分と、周りと、そして英語と、上手にパートナーシップを結びながら、楽しく英語力をアップ!」していけますようにという思いの下、心理学の要素やコーチとして経験した実例を併せて紹介していきます。
「旦那さんのダイエットが順調に進み始めた!」話
さて、冒頭でお伝えするのは、英語学習とは全く関係のないエピソードです。それは、「旦那さんのダイエットが順調に進み始めた!」という最近のわが家の出来事。
私の主人はこれまで、ファスティング(断食)を何度か試したり、トレーニングで体を鍛えたりと、ダイエットにトライしています。
その結果はどうだったかというと、残念ながら、ここ数年、成功とリバウンドを繰り返しているようでした。
が、しかし!
最近はどうやら続いているようなのです。
痩せるというより体を鍛えて格闘家のようなベクトルに進んでいきたいようで、「目標の人は?」と聞くと、世界で人気No. 1とも言われるアクション俳優「ジェイソン・ステイサム」という答えが返ってきます(笑)。
主人が筋トレへの努力を継続できている理由は幾つかあると考えられるのですが、その一つは・・・私です(!)。
実は、この数カ月、私自身がボディメイクにハマり始めてしまったのです。
そして、日々鍛えては変化していく上腕二頭筋を主人に見せたり、私が自宅でトレーニングするところに彼が帰宅したり。
まあ、チョコチョコ彼の視界に私の筋トレ・モードが映り込むわけですね。
すると!
彼も、放置していたダンベルを持ち出して筋トレを再開するなど、日に日にトレーニングモードが強くなり、ついには鏡の前で自分の姿をちょくちょくチェックするまでに(笑)。
さて、ここまではわが家の事例を筋トレ&ダイエットでお伝えしましたが、英語学習でも、似たようなことが起こったりしませんか?
それは、「誰かとやると、頑張れる」という現象。そう、「ナカマ(仲間)」が威力を発揮するということ。
では、なぜ誰かとやると頑張れるのでしょうか?
「他者の存在」は、私たちの「価値観」を満たしてくれる
実際に仲間と学習グループなどを作ったときには、次のようにかなり具体的な「仲間と頑張るメリット」を感じられることでしょう。
- 誰かが一緒だと励みになる
- 切磋琢磨して、互いを高め合える
- 知識の共有ができて、学びが広がる・深まる
しかし、こんなにしっかりと「ナカマ」を作らないまでも、「他者の存在」というのは、心理学的に非常に有効に働いてくれます。
「他者の存在」は、「人が誰しも普遍的に大事にしたい価値観」を満たしてくれる のです。
その価値観とは、例えば次のようなものです。
- 貢献感(誰かのために頑張りたいという思い)
- 一体感、つながり(一緒に頑張りたいという思い)
- 支え、安心感(支えがあるから頑張れそうという思い)
- 楽しさ(誰かと一緒だから生まれるゲーム感覚、競争、笑い)
家族の協力で、TOEIC300点台から805点にアップした実例
「他者の存在」が背中を押して、英語学習で大きな成果を出した事例]を紹介します。
私がかつてサポートさせていただいた学習者のAさんは、TOEIC L&Rのスコアが当初は300点台でした。しかし、そこから真剣にTOEICの学習を始めました。
理由を聞くと、どうやら勤務先で、TOEICスコアアップで「昇給」という待遇アップが得られるようでした。
一般的に、「昇給」とくれば十分にやる気が刺激されるでしょう。ただし、Aさんのやる気はまれに見る高い状態でした。
高いやる気の理由は、「TOEICスコアがアップすると給与が上がる」ことを、Aさんが家族と共有していたからです。それにより、家族が一丸となってAさんの学習を応援するという構図が出来上がり、Aさんは「家族の期待に応えたい」という思いがみなぎっていたのです。
Aさんは、1日3時間の学習を開始。みるみる英語が「理解できる」ようになり、「勉強そのものが楽しい」と感じるという好循環が生まれていました。
そして、TOEIC公開テストの2週間前には、Aさんの学習時間は1日3時間から4~5時間半に増えました。
何が起きたのか?と聞いてみると、「TOEICスコアアップを応援する妻が、小さな子どもを連れて2週間だけ実家に帰った」と言うのです。これにより、週末、お子さんと一緒に遊ぶための時間を取るという役割から一時的に解放されて(なんという家族の応援スタイルでしょう!)、猛烈なラストスパートをされました。
その結果、学習を始めてから2カ月後に受けた公開テストで、300点台だったところから、見事805点を取られたのです(実話です)!
こんなふうに、AさんのTOEICスコアアップは、それが家族全員の願いとなったことで、Aさんのすさまじい行動量につながり、実現したわけです。
他者との関わりにはいろいろなパターンがあってイイ
Aさんのケースは「家族の応援」でしたが、「他者との関わり」は他にもいろいろな形で英語学習を後押ししてくれます。さらに、実は「『自分に合う』他者との関わり」というのもあるのです。
ここで、私の旦那さんの話を再開します(英語学習ではありませんが笑)。
彼は、「最強のNo. 2タイプ」です。自分より頑張っている人のそばで努力すると、伸び伸びと成果を上げる傾向にあります。一方、いざ自分が主役になると居心地が悪くなるようです。今回も、私が猛烈に筋トレを始めた様子を後追いするように頑張り始めたという構図でした。
こんなふうに、人にはその人なりのパターンがあるのです。
例えば、リーダーとして、勉強会を仕切ることで充実感を感じるタイプもいるでしょう。
逆に、イチ参加者のポジションの方が居心地が良く、生き生きするタイプもいるはずです。
他には、英語が話せなくても、外国人の友人を作り、心のつながりを持つことで、やる気を出す人もいます。
一方で、そういう環境には不安を覚えるので、もう少し安心感がある英会話スクールなどの環境で、指導者とのつながりに支えられる人もいるでしょう。
あるいは、心理的には他者と距離を置きつつも、学習者の多いカフェなどの環境で勉強し、間接的に他者の存在を刺激とするのがちょうどイイと感じる方もいるでしょう。
自分に合った、他者との関わり方に気付くヒントとは?
「自分に合った、他者との関わり方」を探すには、実はこれまでの皆さんの経験に、そのヒントが眠っています。
英語学習でなくても構いません。何かがうまくいったときの「周りとの関係性はどうだったか?」を振り返ってみると、皆さんそれぞれの、「他者との関わりの成功パターン」が見えてくることがあります。
- 家族と目標を共有する
- 子どもと一緒に勉強する
- SNSでゆるくつながる仲間と共に頑張る
- 目標達成したら仲間と飲みに行くと決める
- 尊敬する有名講師の発信をフォローすることで頑張れる
どんな形にせよ、他者とうまくパートナーシップを築くことは、あなたの学習にたくさんのイイことをもたらしてくれるはずです。
そして、いざ誰かに協力を仰ぐときには、「どんな形なら、相手が快く応援してくれるだろうか?」と考えることをお忘れなく!
ご参考になりますように。
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編集:GOTCHA!編集部
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