3分あれば、学べることがたくさんあります!TOEIC 対策特化型スクール「トイク゛ル」の講師であり、代表の田邉竜彦(たなべ たつひこ)さんに、3分で英語の上達法を教えていただく連載。2回目の今回は、TOEIC スコアアップに欠かせない単語力の付け方を教えていただきます。
こんにちは。トイグルの田邉竜彦です。TOEICR Listening and Reading Test(以下、TOEIC)でスコアを上げる最大のポイントは単語力です。
単語力があれば、リーディング長文読解の速度が上がり、時間内に最後まで解き終えられるようになります。リスニングでも内容理解度が上がり、正答率の向上につながります。
しかし、単語習得に悩みを抱える方は少なくありません。あなたは、TOEIC の勉強をしていて、次のように感じることはありませんか?
- 単語を勉強してもすぐに忘れてしまう。
- 単語の効果的な学び方が分からない。
- どの単語帳を使えばいいか分からない。
この記事では、 TOEIC でスコアアップできる単語勉強法 について解説します。ぜひ実践してくださいね。
TOEIC は1回の試験で1万語以上を読んだり聞いたりする
初めに、TOEIC ではどの程度の単語力が必要なのか、定量的なデータを使って考えていきます。私が『公式 TOEICR Listening and Reading 問題集』を分析したところ、試験1回辺りの出現語彙数は次のようになりました。
セクション | 出現語彙数 |
---|---|
リスニング | 約4,900語 |
リーディング | 約6,100語 |
試験全体 | 約11,000語 |
リスニングセクション(100問/約46分間)は、約4,900語の単語を聞いたり読んだりします。これは、音声だけでなく、問題用紙に記載されている設問文を含みます。
リーディングセクション(100問/75分間)は、約6,100語の単語を読みます。こちらも本文だけでなく、選択肢を含んだ単語数です。
まとめると、 TOEIC 試験は200問の設問を解く過程で、約11,000語を処理する ことになります。単語力はスコアを上げる重要な要素であることが、お分かりいただけるでしょう。
スコアアップに必要な単語は最低3000語
ところで、試験は英単語が1万回以上「出現」するだけで、すべてが異なる語で構成されているわけではありません。特定の単語は文中に繰り返し出るので、実際はもっと少ない語で内容を理解できます。
文中に最もよく出る語が冠詞です。冠詞は a(an)や the などの語で、主に名詞の前で使われます。他にも、前置詞( to 、of など)、代名詞(I、it、they など)、助動詞(will、can など)が、繰り返し出る単語です。
文法的な要因によって、1つの語が別の形に変化することもあります。例えば、work(働く)は works(三単現の s)、working(動名詞/現在分詞形)、worked(過去形/過去分詞形)など、さまざまな形で出現します。
このようにして、出現語数から、重複語彙、同じ語の形違い、その他除外してよいもの(数字や記号など)を差し引いて計算したところ、次のような結論が出ました:
「TOEIC を満足に解くには、最低でも3000語の知識が必要」
3000語を知っていれば、試験のおおよそ95パーセントの単語をカバー できます。95パーセントのカバー率は、英文を正しく聞いて読む最低ラインと言われていますので、これから単語を学ぶ上で一つの指標になるでしょう。
市販の単語帳を1冊やり込む
それでは、どんな英単語をどのようにして覚えればよいのでしょうか?単語の勉強方法はさまざまありますが、試験対策としておすすめなのが、単語帳を使った学習です。工夫を凝らしたさまざまな本が出ていますが、筆者のおすすめは『TOEICR テスト スーパー英単語』です。
本書はスコアアップに必要な英単語が重要度順に紹介されています。派生語・関連語を含めて約3,000語を学べるので、スコアアップに必要な基本単語をカバーできます。
TOEIC の学習をすると決めたら、まずは本書で単語を覚えるところから始めましょう。 「単語帳で新規語彙に出合う→他の問題集を解く→単語帳に戻って既存語彙を 強化する 」を繰り返せ ば、実力向上を実感できるはずです。
この記事では、TOEIC スコアアップに必要な単語力と、その勉強方法について説明してきました。内容をまとめると次のようになります。
- TOEIC では1回の試験で1万語以上を読んだり聞いたりする
- スコアアップを目指すなら最低3000語を習得する
- 単語帳を使って学習する
単語の習得は長くて時間のかかるプロセスですが、勉強をすれば潜在的な能力は必ず身に付きます。諦めずにコツコツと学習を続けて、目標スコアを達成しましょう。この記事の詳細は トイグルのウェブサイト でご覧いただけます。
次回もお楽しみに!
編集:増尾美恵子
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