イラスト:高田 真弓
英語をめぐる環境の変化やAIの活躍がさらに著しくなりそうな2020年、オンライン英会話はどんな時代を迎えているのでしょうか?嬉野克也さんの電子書籍『新しいオンライン英会話の使い方』の一部をご紹介する第5回は、「オンライン英会話の未来」をお伝えします。
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第2回 「そこそこわかるけど全然話せない!人のための練習法」
Q:オンライン英会話はこの先どう進化するでしょうか?
影響 は大きいと思います。">A:やはり、AIの 影響 は大きいと思います。
レッスンの質を高めるAIが欲しい
僕はコールセンター関連の仕事をしているのですが、コールセンター業界でも、AIの話題は非常にホットです。「今は人が電話を取っているが、それがどんどん機械に代わる。人の仕事がなくなるのでは?」などと言われています。
オンライン英会話も同様です。音声認識の精度も上がっているので、文字の書き起こしなどは全部AIがしてくれて、それを基に会話例を出してくるようになるでしょう。そこから先が、人間が行うべきコミュニケーションなので、人間の先生は、生徒一人一人のそのときの状況に応じた会話のスキルを鍛えるべきです。例えば、生徒の後ろで赤ちゃんの声が聞こえたら、「赤ちゃんの声が聞こえますね。お忙しいでしょうね」などと、感情を表しながら言ってもらえると、コミュニケーションの質が高まりますよね。
AIの導入によって、人は、人にしかできない部分にどんどん特化していけるようになるでしょう。
例えば今、オンライン英会話でレッスンの復習をしようとすると、先生の許可を得て録音するか、チャットで入力していくことになります。先生にも、話しながら入力してもらう必要が出てきます。
コールセンターのオペレーターでも同じですが、話しながら入力すると、入力している間の反応がおろそかになりますから、レッスンの集中度は下がってしまいます。 今後は 、そういう部分は音声認識機能を活用して行うという形になっていくと思います。そんなふうにどんどんAIを取り込んでくれるようなオンライン英会話のサービスがあれば、すごく魅力的です。
人間の先生は、人間にしかできないことを
音声認識とAIが発達すれば、「この生徒はボキャブラリーに偏りがあるな」「こういう文法を間違えやすいな」といったこともわかるようになります。こういった情報に基づいて教材を提案したり、レベル分けをしたりなども、今は人がやっている部分ですが、 今後は AIに任せられるでしょう。
一方、目標設定を手伝ったり、人を励ましたりするのは、AIではなく、 引き続き 人間に担ってほしいところです。なぜかというと、AIは疲れないし、やる気を失わないからです。「やる気がなくなりましたか?疲れましたか?その気持ちわかりますよ」とAIに言われても、「うそつけ~、あんたは疲れないでしょ。電源さえ入っていれば、どれだけでも動くでしょ!」とツッコミたくなりますよね。そういった意味では、コーチングには「人がやる価値」があると思います。
2020年には英語教育も大きく変わる
2020年は人工知能時代と言われています。AIやディープラーニングの 仕組み が出てきたのがだいたい2013年ごろで、新しく登場したテクノロジーが普及するのは登場からおよそ7年後くらいという先例があり、2020年がちょうどその7年後に当たるからです。(2007年に創業したレアジョブの知名度も、2014年にはかなり上がっていました)
2020年は、小学校5・6年で英語が教科化されたり、大学入試でスピーキングが導入されたり、東京オリンピック・パラリンピックが開催されたりと、すごく注目されている年でもあります。オンライン英会話にとっても、2020年は大きな変化の年になるでしょう。
まとめ
2020年を迎えるころには、レッスンの記録や 今後の 学習のためのデータ 分析 と提案などはAIが行ってくれるようになっているでしょう。そうなれば、任せられるところはAIに任せて、人間同士では、血の通ったコミュニケーションのスキルをもっと深める練習をしていきたいですね。
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文:嬉野 克也
1973年生まれ・大阪府出身。関西大学文学部英文学科卒業。36歳から学生時代以来の英語学習を再スタートした、元々は英語をやる必要がなかった会社員。オンライン英会話の徹底活用とTOEICテスト900点突破を経て、外資系企業担当として日常的に英語を使うようになった経験を、ブログや書籍、雑誌などで発信している。オンライン英会話、英語学習法についての著書多数。
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