日本にいながら英語漬けになる、短期習得メソッド誕生秘話!【スパルタ英会話インタビュー】

写真:左からスパルタ英会話 創業者の小茂鳥雅史氏と2代目CEOの田井譲氏

テレビ番組「マツコ会議」で取り上げられ、短期間で確実に成果を上げると話題沸騰中の英会話教室「スパルタ英会話」。創業者の小茂鳥雅史さんと2代目CEOの田井譲さんに、ご自身の英語学習に対する思いや、独自のスパルタメソッドを確立した経緯などをお伺いします。「英語が学びたくなる」モチベーションを手に入れるにはどうしたらいいのかがわかります。

日本で?海外で?英語を習得するまでの道

編集部:まずはこれまでの英語学習経験はどのようなものだったか、聞かせていただけますか。

小茂鳥:僕はもともと英語がすごく苦手でした。でも外資系起業への内定が決まって、同期になる予定の人たちは全員TOEICスコアが900点超えで、留学経験も半年から1年はある人たちばかりだったんです。

一方、僕は留学経験ゼロで当時のTOEICスコアが380点ぐらいだったので、「やばいぞ」と思いました。会社からも「入社するまでにTOEIC800点越えろ」と言われて、そこからめちゃくちゃ勉強し始めたのがスタートですね。最終的には、半年かからずに800点を超えるに至りました。本当にめっちゃ勉強しましたと言えますよね。

編集部:その 「めっちゃ」の中身 としては、具体的にどんなことをしていましたか?

小茂鳥:まさに今、スパルタ英会話でやっているメソッドと似ているんですが、 単語をとにかく覚えることから始めて、TOEICのセンテンスも声に出して目と耳と口、すべて使って覚える、ということをやっていました ね。あとは『 英単語ターゲット1900 6訂版 』(旺文社)にハマって、「1週間でこれを全部覚えよう」と友達と2人で1週間、朝起きてから夜寝るまでずーっとやっていたんですよ。

編集部:英単語の暗記やTOEICスコアを上げるための勉強は割とインプットの作業だと思うんですが、実際に仕事をするには話をしなきゃいけないじゃないですか。スピーキング力をつけるにはどうしていましたか?

小茂鳥:実は、スパルタ英会話を設立する前に英会話サークルを作ったんです。10人、20人毎回集まる場で英語を練習していました。

編集部:田井さんはいかがですか?

田井:僕はカナダのブリティッシュコロンビア大学に1年間留学してIntensive English Programというプログラムを受けました。朝から晩までずっと英語でした。

日本人の留学生たちもいましたが、留学できる期間は1年しかないから、向こうにいる間は 日本人ともできる限り英語で話すようにしていました ね。そのときの財産で、そこから先ずっと英語で話す力を維持できているという感じです。

編集部:留学に行かれる前の英語力はどのぐらいでしたか?海外で暮らすことに不安はありませんでしたか?

田井:英語力は普通に大学受験レベルでした。ただ、実は10歳ぐらいの頃に2年ほどマレーシアに住んでいて、日常的に外国人の人たちと触れ合う機会があったので、「外国の方は別に怖くない」と。心理的なハードルみたいなものは全然なかったですね。

英語が苦手なのに、なぜ英会話スクールをオープン?

編集部:スパルタ英会を作ったときの話に移りたいと思います。小茂鳥さんは英語が苦手なのに、なぜ英会話スクールを作ろうと思ったのでしょうか?

小茂鳥:大学院生の頃、「どうやったら戦争をなくせるんだ」という話をしていたときに、つきつめたら「コミュニケーション不足が原因だろう」と。そこで小さなことからやってみようと、留学生交流会を作って、留学生と日本人でディスカッションをする場を作ったんですよ。

その学生たちと一緒に「渋谷のハチ公前を全員で掃除しようぜ」とかいろいろ企画をしながら、徐々に「英語の文脈があるから、サークルを作ろうぜ」という流れになったんですよね。それがスパルタ英会話につながっていると思います。

編集部:田井さんはどの時点で入られたんですか?

田井:英会話サークルの頃からときどき出入りはしていたんですが、ちょうど今から2年半前ぐらいに小茂鳥と1年ぶりの再会をしたんです。英会話講師を辞めて次のことをやろうかと考えている頃でした。そのときに、「英語で話せるようになるためにはどうしたらいいのか」という話をしたんですよね。

英語は「コミュニケーションを取るためのツール」であるといういちばん大切なことが結構忘れられがち だよね、という話だとか。そのほかにも、モチベーション論や方法論を話す中で、自分たちの英語に対する考え方がとてもよく似ていることがわかりました。

小茂鳥:そうそう。それで、意気投合して「ぜひ仲間に加わってくれ!」と(笑)。僕たちの熱意がそのまま、スパルタ英会話のメソッドにも表れていると思います。

「文法よりメッセージ」プレゼンで英語力を伸ばす

写真:スパルタ英会話 CEO、田井譲氏

編集部:ご自身が英語力を伸ばすことができた一番の理由は何だと思いますか?

田井: プレゼンテーションです ね。留学中、授業のレベルが上がってくると、「このテーマについて話してください、来週15分間プレゼンテーション、もちろんカンペなしで」という課題がよく出るんです。

そのテーマについて調べることからスタートして、英語のプレゼンを作って、原稿を書いて、覚えて、言えるようにする。文章を 何度も何度も口に馴染むまで声に出してトレーニング するというのは、スパルタ英会話でもまさしく取り入れているメソッドなのですが、自分も当時からやっていましたね。

小茂鳥:僕も完全にそうですね。外資系企業に勤めていた頃、今日はこのディスカッションがある、ネゴシエーションがあるという日はしっかり準備して臨んでいました。 原稿を作って、何回も声に出して覚える。そして、不安なときは手元にカンペを用意して本番 、みたいな。そうするともう、そのときに準備した英語は生きた英語になるから、すごく使えるようになるんです。

編集部:自分でプレゼンを作っていると、多くの日本人は「文法が間違っていないかな」と気にしてしまいがちかと思います。小茂鳥さんはどのぐらい気にしていましたか?

小茂鳥:僕はまったく気にしていなかったです。もちろんフォーマルな場に臨むときは添削してもらいましたが、そんな時間も毎日は取れませんからね。

田井:僕もそんなに細かくは気にしていなかったですね。一応、原稿を書くときには文法に気を使いますが、話すときには複雑なことまでは考えないです。

プレゼンテーションって結局、伝えたいメッセージが相手の心に響けば正解 なので、細かい文法はチェックしている先生も別に見ていないんですよね。それよりは、話の構成がしっかりしているか、for exampleで本当に具体例を出しているかとか、そういった中身のほうが重要だと考えられていました。

英語を話したくなる!スパルタ英会話のメソッドとは

編集部:スパルタ英会話では何を目指してレッスンをしていますか?

田井:“You will want to learn English.” 英語を学びたくなる、というのをの理念にしています。

小茂鳥:その上で、英語を勉強したくなるような環境を作ってあげようというのが、スパルタ英会話のやっていることですね。

編集部:それはすてきですね。 英語を学ぶ、ではなく、学びたくなる。 その「英語が学びたくなる」を実現する、スパルタ英会話の学習メソッドはどのようなものでしょうか?

小茂鳥:スパルタ英会話の学習メソッドを大きく分けると、勉強方法と、学習環境の2つに特徴があります。勉強方法というのは、声に出して勉強しましょうという、脳科学的なメソッドです。

ただ、それがいくら いい勉強方法でも、なかなか勉強って続けられない んですよね。だから、 モチベーションをキープするために、1対1のコーチングを取り入れています

コミュニケーションの楽しみを実感しつつ、コンサルタントに弱点を書き出してもらう。さらに、グループレッスンでそれを実践して、「できるようになった」という実感を得たり、一緒に英語を勉強する仲間ができたり、という環境を作っています。

編集部: 「通い放題」というのも一つの環境として魅力的 だと思いました。ただ実際のところ、どれぐらい通えるものなのでしょうか?

小茂鳥:通い放題にしているのは、 その人に最適な学習環境を提供する というのが一番の目的です。

「毎週火曜日の夜に行かなきゃいけない」ではなくて、「今日は時間が空いたから行ってみよう」「週末は一日中行ってみよう」という使い方ができるように設計しています。夜の6時ぐらいから9時ぐらいまで毎日来られる方もいらっしゃるし、もっと少ない人もいます。そういう感じですね。

小茂鳥:留学直前で授業がない大学生の場合、朝10時にスタートして、昼ごはんもろくに食べずに、合間の10分休憩でバナナをササッと食べて次の授業をまた受けて、朝から晩まで7、8時間連続で受ける、という方もいらっしゃいました。

編集部: 日本にいながらにして英語漬けが可能 ということですね。留学するより効率的かもしれません。

小茂鳥:だから僕らの競合他社は、日本にある英会話教室ではなく留学だと考えています。フィリピンに留学するとやはりそれなりにお金がかかります。さらに時間も拘束される。同じぐらいお金はかかるかもしれないけれど、僕らの場合は、日本にいて、仕事をしたり学校に通ったりしながらでも学習環境は作れるんだ、というところ強みだと考えています。

3カ月、成功体験を積み重ねて自信をつける

写真:スパルタ英会話 創業者、小茂鳥雅史氏

編集部:コースが終わるとき、受講生の方がどんな姿になっていることを望みますか?

小茂鳥:英語を話す上での自信を思いきり持ってほしいですね。スパルタ英会話に入会する理由の一つとして「自信がない」というのが多いんですよ。でも「中学校の頃から英語が苦手」という人に1分間自己紹介してくださいと言うと、意外と1分間話せちゃったりするんです。だから、おそらくできないわけではないんですが、「できた経験」がない。スパルタ英会話では、その体験をしてほしいんです。

自分の知っている単語や知識が誰かに話して伝わった、という 成功体験が積み上がると「自分は英語が話せるんだ」という自信につながっていく 。そこまで得て卒業してほしいなという思いはありますね。

田井:実際に、卒業して「外国の方と話すのが怖くなくなりました」といった声は一番多く聞きます。

小茂鳥:先日、卒業生の方にインタビューしたのですが、「カフェで日本語を勉強している海外の方に話しかけたら会話が盛り上がって、連絡先を交換した」という話をしてくれました。海外の方とのコミュニケーションの心理的なハードルも、ここに3カ月いれば下がるんだという感じがしましたね。

ちなみに3カ月というのはギリギリのラインなんです。例えば、外に留学していても「あれ?いつの間にかできるようになったぞ」と自分で感じられるのがだいたい3カ月ぐらいと言われています。

モチベーションのキープも3カ月ぐらいが限界なので、その間は本気でやりきってほしいですね。やりきれば絶対できるようになりますし。

編集部:とはいえ、やはりいろいろな事情から、通学は厳しい、という方もいると思います。そんな人が英語を頑張りたい場合、どうしたらいいでしょう?

小茂鳥:それはもう、本を読んでいただければ(笑)。

それから、僕らから提供できるのは、 Instagram での情報発信や、Slackというアプリで無料の オンラインコミュニティ もあります。そこに登録してもらえれば、無料で英語を話せる環境です。

僕の場合は単語を1週間がんばって覚えたけれど、語学学習は本当にその1週間だけなんです。次にやったのは、『 One Piece 』や『 Vagabond 』を英語の漫画で読むこと。

少しできるようになってきたら、今度はニュースを読めるようになろう、いろいろな新しい知見を英語で学べるようになろう、と思って『 ENGLISH JOURNAL 』(EJ)を読んだり、次は『 The Economist 』の英語版を読んだりもしました。そうすると、いつの間にかできるようになっているんですよね。

編集部:たしかに、いきなり『 The Economist 』に挑戦するのはハードルが高いですが、日本語も織り交ぜているEJは段階を踏むのにいいですね。

小茂鳥:EJのPodcast(公式Podcast「 勝手にENGLISH JOURNAL! 」)を聞いて勉強しています、という生徒さんも結構いらっしゃいますよ。教室にも置いてありますが、生徒さんが手に取っている光景をよく見かけますね。

編集部:Podcastは、日本人のJunさんの話し相手として、スパルタ英会話の講師の方が登場しますよね。2人の会話を楽しく聞いているだけで勉強になると、更新を楽しみにしているリスナーさんが多いそうです。

小茂鳥:それはよかった(笑)。うれしいです。

編集部:先日は、Podcastを飛び出し、リアルな教室でのイベントも行い、大盛況だったそうですね。第2弾を望む声もあるようです。

小茂鳥:ぜひお願いします!いろんな方法で、とにかく英語に触れる環境を作ってほしいですね。

お二人のお話を聞いて、英語を本気で身に付けたいなら、一定の期間集中して英語に真剣に向き合うことが重要ということが、よくわかりました。スパルタ英会話は 無料体験 もあるそうなので、興味のある人はぜひ、お試しください!

株式会社スパルタ英会話 / 株式会社We& 代表取締役 小茂鳥雅史
小茂鳥雅史

慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレー証券に入社。退職後、NPO法人JAVO (ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、語学教育事業 株式会社スパルタ英会話 を立ち上げる。会社規模を拡大させ、世界を一つのビックファミリーにという想いのもと、語学、グローバルコンサルティング、起業スクール、ITなど6つの会社を束ねる 株式会社We& を設立。

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スパルタ英会話2代目CEO、現起業スクールCash Engine代表 田井譲
田井譲

幼少期、マレーシアに住みながらシンガポールにパスポートを使って通学する「毎日越境通学」を経験。帰国後も、学生時代にカナダのバンクーバーへ留学。大卒後、青年海外協力隊として2年間南米ボリビアの小学校で空手と算数を指導。帰国後は富士通で法人営業、サイエイ・インターナショナルで英会話講師・マネージャーを経て、スパルタ英会話スクールマネージャーに就任。就任後11ヶ月で収益倍増を達成し、2018年6月に2代目代表取締役社長に抜擢される。その後、「すべての日本人に、起業という選択肢を」を理念として、起業スクールCash Engineを創立、代表を務める。

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写真:山本高裕(GOTCHA!編集部)

『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」

現在、ChatGPTをはじめとする生成AIが驚異的な成長を見せていますが、EJは、PCの黎明れいめい期からITの隆盛期まで、その進化を伝えてきました。EJに掲載されたパイオニアたちの言葉を通して、テクノロジーの歴史と現在、そして、未来に目を向けましょう。

日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!

【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明

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