英語圏でのプレゼンテーションに不安を抱える方へ。英語プレゼンの達人・愛場吉子先生が、効果的なプレゼンの構成方法や話し方のポイント、英語表現などをわかりやすく指導します。成功するプレゼンに向けて、留意すべきポイントをお伝えします。
目次
英語と日本語のプレゼン、異なるポイントとは?
皆さんこんにちは!ビジネス英語研修Q-Leapの講師、愛場吉子です。これから6回にわたり、効果的なビジネス英語プレゼンに関する記事をお届けします。
実を言うと英語プレゼンも、日本語のプレゼンもそう大きくは変わらないのです。ただし、日本語を母語として使っている人が、第二言語である英語を使ってプレゼンをするということは、プレゼンをする側にとってハードルが上がるだけではなく、それを聞くオーディエンス側にとっても理解する難易度が上がるという点を認識する必要があります。この難易度をできるだけ下げるための3つのポイントを今回はご紹介いたします。
1.シンプルで分かりやすい構成・流れで話す
あなたが伝えようをしていることをオーディエンスが確実に理解してくれるよう、まずはスピーチの流れを明確にしましょう。テーマやトピックに合わせて、効果的なアウトライン(筋書き・構成)を考え、特にビジネスシーンでは、あらかじめイントロダクション(序章)でアウトラインを伝えておくことが好ましいでしょう。
一般的なプレゼンの構成
Introduction(序章)
自己紹介、プレゼンの目的、アウトライン(所要時間含む)等を共有しましょう。このプレゼンで何をしようとしているのかを伝え、オーディエンスの注意を引きつけましょう。
Body(本論)
プレゼンの目的に合わせ、複数にわたるトピックで話を展開しましょう。トピックの数は3つまでに絞るとオーディエンスに記憶に残りやすく効果的ですよ! 写真、動画、表、グラフなど必要に応じて具体的なデータを見せながら説明します。
Conclusion(結論)
Bodyで話した内容を要約し、最も伝えたいメッセージを補強して、印象強く締めくくります。
この3つを私は「英語の黄金のプレゼン構成」と呼んでいます。詳細は著書『英語のプレゼン直前5日間の技術』で紹介しているのでぜひご参考にしてください。
2.日本語台本の直訳はNG。英語の組み立てで話す
もともと日本語で作ってあるプレゼンを土台にして英語プレゼンを準備しようとすると、台本をそのまま英訳しようとする人がいますが、不自然な英語になったり、非常に伝わりにくくなったりすることがあるので気をつけましょう。
1でお話ししたプレゼンの全体構成を分かりやすくすることは当然ですが、更にトピック単位、パワーポイントのスライド単位でも、分かりやすく英語らしい伝え方、説明の仕方が必要なのです。
日本語の「起承転結」のような話し方に慣れていないオーディエンスを意識し、「結論・メインメッセージを始めに」、そして「詳しい理由や詳細はその後から述べる」癖をつけるようにしましょう。
例えば、自社の紹介をしようとして、会社の沿革や所在地、従業員数といった背景や詳細データから入るのではなく、まずは「私たちは〇〇をやる会社です!」ということを明確に伝えた上で、その後、詳細に話を移していくことが重要です。
英語らしい話の組み立て例
メインメッセージ
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詳細
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3. 棒読みをしない
真面目さが取り柄としてよく知られている日本人のプレゼンですが、残念ながら国際舞台ではどんなに一生懸命英語で話しているつもりでも「単調なリズムで一本調子の英語で理解できない」「強弱、メリハリが無くつまらない」といった印象をもたれることが多いようです。
これは、英語が特定の強勢を持つ音節でビートを踏みながら発音するstress-timed rhythmであるのに対し、日本語はすべての音節に同じウェイトを置いて発音するsyllable-timed rhythmであるという言語上の大きな違いに起因しています。
分かりやすく言うと、日本語はすべての音を同じ強さとリズムで読んでおり、英語では、強勢がかかる語の音節のみが強く発せられるリズムを持っているということです。
例えば、Thank you for coming.という短い文でも、日本語的に読むと4つの単語をすべて同じ強さと長さで捉えて発音してしまいがちですが、実際には
Thank you / for coming.
と2カ所のみに強勢が置かれ、2拍で発音されます。
この強勢を置く場所は、通常conten words(内容語)の中の強勢がかかる音節と言われています。一方function words(機能語)には、特別な意図が無いかぎり強勢がかかりません。
内容語:名詞、動詞、形容詞、副詞、感嘆詞など意味のある単語
機能語:前置詞、代名詞、助動詞、接続詞、冠詞、関係詞など主に機能を果たす単語
意識的に内容語を強めにメリハリをつけて話すことで、あなたの英語もぐっとオーディエンスに伝わりやすくなりますよ。ぜひ音読やリハーサルのときに意識してください。
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構成・編集:Natsue Tanaka
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