日本の自宅にいながら、海外の語学学校が開講している英語のオンラインクラスに参加するのが可能な時代です。連休中にイギリスの語学学校が1日2時間半×4日間の一般英語コースの無料体験レッスンを提供していたので、参加してみました。
イギリスの語学学校がオンライン授業を無料提供
新型コロナウイルスの感染防止対策で、ロックダウン( 厳しい 外出制限)が 実施 されているイギリス。その 影響 で、語学学校でもオンラインでのレッスン提供が進んでいるようです。
その中の一つ、スコットランド・グラスゴーにある語学学校「Live Language School」(ライブ・ランゲージ・スクール)が、ちょうど日本のゴールデンウイーク中、オンラインのレッスンを無料提供するという情報をTwitterで知りました。
英語の授業に4日間参加できて、Zoom(ビデオ会議システム)を使用するらしいことはわかったものの、ウェブサイトを見ても、受けられる授業の内容や開講時間(時差もあり、重要!)は不明でした。そのため、ひとまず、ツイートに書いてあった詳細の 問い合わせ メールアドレスに連絡してみることにしました。
live-language.com twitter.com問い合わせ ・申し込みへの対応がスムーズ">メールでの 問い合わせ ・申し込みへの対応がスムーズ
メールでは英語で、「〇月〇日~△日の無料オンラインレッスンに興味があるのですが、詳細を教えてもらえますか?」といった簡単な内容を送りました。
先方の営業時間内だったようで、 すぐに 返信が来て、必要事項の記入フォーム(PDF)とオンラインの英語レベルテスト(URL)が送られてきました。フォームに記入して返送し、レベルテストの結果(スコア)を知らせてくださいとのこと。
レベルテストは、選択式で、語彙と文法の力を試すもの。確か10分もかからないくらいで終わりました。25点満点で、結果は23点でした。
記入フォームは、通常の有料のコース申込書と同じもののようで、パスポート番号やクレジットカード番号、宿泊場所などについての項目もありました。しかし、それらは無視して、氏名、メールアドレス、国だけを記入し、「もっと記入する必要があれば、知らせてください」とメールに書き、返送しました。結局、それ以上の情報提供を求められることはありませんでした。
レベルテストの結果とフォームを送ると すぐに 、「後日、 別途 、ZoomのURLを送ります」と返事が来ました。 問い合わせ のメールを送ってから、ここまでわずか30分ほど。事務 手続き が簡単でスムーズで、かなり好印象です。
後日、担当になる先生から直接、クラスの種類と時間とZoomのURLが送られてきました。クラスは General English Online Course(一般英語オンラインコース)のupper intermediate (中上級)、時間はイギリスの午前中、日本では夕方開始で、1日3時間(休憩30分含む)。
レベルは、筆記テストだけで 判断 されると上の方のクラスに入れられるという「日本で英語を学んだ人あるある」ですね・・・。テスト結果を知らせる際、「話すのは苦手です」と書き添えたことが、クラス決めに 影響 したかは不明です。
時間は、日本からでも参加しやすい時間でよかったです。
ちなみに 、レッスン開始後に先生が教えてくれてわかったのですが、月曜から木曜の4日間なのは、その週は金曜日がイギリスのバンクホリデーで祝日(名称はもともと銀行の休業日だったことに由来)だったからだそうです。
先生はスコティッシュ、生徒は世界各地から参加
先生はスコットランドの人で、スペインなどで英語を教えたり、小学生に教えたり、大学では法律専攻だったので法律英語を教えたりしてきたと自己紹介していました。経験豊かで頼もしく、親切な先生でした。
先生の英語にはスコットランド(特に出身地のグラスゴー)のアクセントがやや入っていますが、個人的にはむしろそこがよくて、イギリス英語にある程度慣れていれば、聞き取りやすい発音です。
このクラスには16人が登録しているとのことでしたが、実際の参加者は、日によって ばらつき があるものの、10人程度でした。私のように今週だけ参加している人もいれば、普段からこの学校に通っている(新型コロナウイルス感染症が発生してからはオンラインで受講している)人もいました。
日本人は私だけ。ほかの参加者の出身地は、ヨーロッパの国やイギリスと歴史的に関わりの深い国が多めだったかもしれません。ロシア、ウクライナ、ルーマニア、サウジアラビア、エクアドル、コロンビアなど。イギリスの大学院に在籍中の人や入学を目指す人でグラスゴーに住んでいる人もいれば、私のように自国から参加する人もいました(エクアドルは真夜中過ぎから早朝の時間帯!)。大学院生のほか、大学(学部)生、英語教員、エンジニア、医師など。全体的にやはりインテリで裕福そうな人たちでした。
レッスンは自己紹介から始まり、その途端、こういう語学クラスで最も大変なことの一つは、「クラスメートの発音を聞き取る」ことだと思い出しました。もちろん、聞き取りやすい英語で話す人もいましたが、クセの強い人もいます。とはいえ、自分も日本語発音なのでお互いさま、必死に耳を澄ませるしかありません(笑)。
毎回、開始時のあいさつや授業中のワークで、新型コロナウイルスの各国での状況や、世界各地の社会や文化、生活習慣などについて情報交換できるのがとても興味深く、楽しかったです。コロナについてはどこも暗い状況でしたが、情報や気持ちをシェアすることで、少しだけ心が軽くなりました。
なお、先生はビデオを使って顔を見せていましたが(おそらく自宅からでしょう)、生徒はビデオをオフにしていてもOKでした。
学習テーマは「旅行」、ペアやグループワークも
4日間の学習のテーマは「旅行」。教材として、海外で出版されている英語学習者向けの教科書の数ページ分を、PDFで先生がメールで送ってくれました。
初日は、まずトピックの導入として、旅行についてこれまで行った場所について述べたり、教科書にインドに関する文章が載っているので、インドを表す形容詞を挙げたりしました。
その後、教科書に沿って語彙クイズ、リーディング、順番に音読して発音の確認。語彙の確認や読解では、Zoomの「ブレイクアウトルーム」機能を使って、2人のペアワークや、3人のグループワークが取り入れられていました。その活動中、時折ルームに先生が顔を出して、進捗(しんちょく)を見て、質問に答えたりアドバイスしたりしてくれます。オンライン机間指導だ・・・となぜか感動(笑)。
翌日までの宿題も出ました。初日は、リーディングをした文章から知らなかった単語を3つ選び、その定義を調べ、例文を作ることと、文章を読んでインドについてどう思ったか(行きたいと思うか)を1段落くらいで書くこと、でした。
語彙や文法、発音からアウトプットまで4技能を活用
2日目以降は、冒頭では宿題の確認をし、 引き続き 教科書を使って、文法なども学んでいきます。4日間を通して、聞く、話す、読む、書く、の4技能を使いながら、語彙、文法、発音、リスニング、読解、作文などを総合的に学べるレッスンでした。
また、徐々に教科書から離れて、自分の意見を話したり書いたりする練習もするので、スピーキングやライティングのアウトプット力も磨かれます。先生がその場で意見に関連した質問もしてくれるため、英会話の瞬発力も付きそうですし、話題が広がって楽しくもありました。
受講期間中は無料で参加できる毎週開催の「クラブ」
レッスン中に先生から、受講中の生徒が無料で参加できる「English Club」(英語クラブ)や「International Quiz」(国際クイズ大会)、「 Fitness 」(フィットネスクラス。ヨガなどをするそうです)といったクラブやイベントの案内もありました。毎週開催され、ロックダウン中はオンラインで行われているとのこと。
日本時間では深夜開催になってしまうものもありましたが、「English Club」は日本からも参加しやすい時間帯だったので、出てみました。これは、先生が1人ずつ担当して主催者となり、週に数回開催されているようです。1回1時間。
私が参加した回の参加者は、私も含めて5人。「Connect Four」という、ビンゴのような英語ゲームをしました。
ゲームでは、2人ずつのチームに分かれ、1チームずつ、何か言葉を決めて、その言葉に関するヒントを出します。それに対して、ほかのチームが1人1つずつ質問をしつつ、その言葉を当てます。当てたチームは、ビンゴのようなシートでマス目を1つ選び、塗りつぶします。最初にマス目を縦か横か斜めに4つ塗りつぶしたチームが勝ちです。
ビンゴのようなシートは、先生が作成してくれた「Google スプレッドシート」のURLをメールで共有し、参加者みんながマス目を塗りつぶせるようにしていました。また、チーム内で言葉を決めるのには、Zoomの1対1のチャット機能を使いました。
私がペアを組んだ人は、私がちょっと遅れて参加したので出身国などはわかりませんが、以前もこのクラブに何度か参加しているようでした。その人のサポートもあり、このゲームを2ラウンドして、2回とも優勝しました!子どもに戻ったようで、面白かったです。
英語のレベルがさまざまな人が一緒に遊べて、言葉当てクイズの難易度を調整しながら、ものを描写する表現も学べるので、なかなか工夫されているなあと思いました。
4日間の語学学校オンラインレッスンで学んだこと
今回のコースを体験受講して、自分には語彙力がやはり足りないと 改めて 感じました。教科書には、聞いたことはあるがパッと意味が出てこない単語や、意味は文脈から推測できるが聞いたこともなかったフレーズなどがあり、勉強になりました。学んだ表現を盛り込んで話したり書いたりすることを求められるので、その後も意識的に使うようにすれば、記憶に定着させられそうです。
callous(冷淡な) 、 frivolous(取るに足りない) 、 octogenarian(80代の人) 、 lush(繁茂した、豊富な) 、 pageant(伝統的なパレードなど) 、 heady(気分を高揚させる) 、 concoction(混合物、組み合わせ) 、 haggle(値切る) 、 throng of people(多数の人々) 、 gloss over ~(~を言い繕う) 、 off the beaten track (人けの 少ない ) 、 a stone’s throw from ~(~のすぐ近く) 、 as the crow flies(直線距離で) といった英語表現を、スッと言えるようになれるといいなあと思います。この中には、特にイギリスで使われる意味や表現もあるようです。
意見や感想を述べる場面では、みんないろいろと表現豊かに語ろうとするので、刺激になりますし、語学に対する励みにもなりました。
また、いろいろな国や性格の人と話せるのは、とにかく楽しい!近所への外出さえままならない状況で、インターネットを通して見知らぬ人たちとつながれるなんてすごいことだと実感しました。
体験したLive Language Schoolはどんな語学学校?
Live Language Schoolがあるイギリスのグラスゴーは、スコットランド最大の都市。歴史のある大規模なグラスゴー大学があり、かなり小規模ながら、スコットランドの首都エディンバラにはない地下鉄もあります。ショッピング街がにぎわい、建築家・デザイナー・画家だったマッキントッシュの建築もあり、美術館も充実している魅力的な街です。
そのため、もし現地の学校に通えるのなら、学校の授業以外にも豊かな体験ができそうで、それに越したことはないかもしれません。でもオンラインのレッスンも、渡航費と宿泊費がかからない、仕事を辞めたり長期休暇を取ったりしなくても受けられる、といった点で、大いに利点を感じます。
この学校の英語コースは、一般英語、アカデミック英語、IELTS準備クラス/大学等入学準備用などがあります。ロックダウン中の現在は、オンラインで提供中。
パートタイムの英語オンラインコースなら、1時間半の授業を週に2回で計3時間、それが6週間で145ポンドです(ほかに登録料など諸費用あり)。1クラス10人までの少人数制。開講レベルは初中級から上級まで、別にIELTS準備コースもあります。時間はイギリスの午前からお昼にかけてなので、日本では夕方から夜。スケジュールや内容が合えば、日本に 拠点 があるイギリスなどの語学学校よりお得感があるかもしれません。一緒に受講する生徒の多様性にも期待できます。
ロックダウンが解除になっても、 今後は 世界中から受講できるオンラインレッスンが各国の語学学校で増えていくのではないかと思います。そうなれば、継続的な受講も可能かもしれません。
Live Language Schoolは、英語に加えて、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、中国語(日本語も!)など、多言語のコースを提供しています。それらのコースはオンラインでの提供は行っていないようですが、もし通学できるようになれば、英語環境でほかの言語を学ぶのも有意義そうです。
ちなみに 、無料体験レッスンの申込書で「 今後 、 お知らせ を受け取らない」にチェックして 提出 したのですが、個人情報の取り扱いとして法律で決まっているのでしょうけど、本当にその後なんの案内も送ってきません(笑)。
4日目のレッスン終了直後に先生に短いお礼メールを送ったら、「今度グラスゴーに来ることがあったら、学校に顔を出してくださいね」と すぐに 返事が来たのもうれしくて、いろいろと好印象なスクールです。
live-language.com海外の語学学校のオンラインレッスンをすすめる理由
問題なく外出できる状況では、語学ができる場の選択肢はいろいろあります。日本でおなじみのオンライン英会話、日本に 拠点 を置く海外の語学スクールの通学講座やオンライン講座、そして海外に渡航する語学留学など。
その中でも、特に「海外の語学学校のオンラインレッスン」のおすすめポイント、利点をお伝えします。
多様なクラスメートと学べる
これは大きいと思います。
オンライン英会話の多くは先生と1対1でたくさん話せるのがメリットですが、出会いの範囲が狭まるとも言えると思います。それに比べて、海外の語学学校には(学校にもよりますが)、世界各地から生徒が集まってきます。実際に会えるのがいちばんですが、画面越しにでもさまざまな出会いがあるのはうれしいものです。逆に言えば、自宅から一歩も出なくても、世界中の人と安全な環境で交流できるわけです。
日本に 拠点 がある(主に大都市に限られますが)、海外の団体によって運営されている語学学校にも、日本に住む外国人も通っているという話を聞きますが、オンラインで世界中から参加している人がいると、現地のまさに今の社会状況を教えてもらえます。そうすると、天気の話さえ新鮮です。
これまで行ったことも、話に聞いたこともほとんどなかった場所の特徴や、そこに住む人々の習慣や生活を垣間見られるのはとても興味深く、もっと知りたいという気持ちが湧いてきて、語学にも力が入ります。
渡航費や宿泊費なしで海外気分が味わえる
社会状況、そしてお金と時間があれば本当は海外に飛んでいきたいところですが、そのどれもが許さなくても、海外の語学学校のオンラインレッスンなら、プチ海外気分を体験できます。エージェントを通さずに語学学校と直接やりとりすれば、基本はすべて英語。事務 手続き ですら、英語の勉強にもなるのです。
また、日本で英語を教えている英語圏出身の先生と、海外で英語を教えている先生とでは、言語や文化に対する感覚などが違ってくることがあります。日本にある語学学校に通うなら、たとえ先生がいわゆる「ネイティブスピーカー」であっても、日本社会について知識や理解がありますし、授業中にこちらがうっかり言ってしまった日本語が通じることも多いでしょう。でも、イギリスにいる先生だと、特殊な場合を除いて、日本語はひと言も理解してもらえません。チャレンジングですが、その分、海外にいるときと同じように「逃げられない」ため、度胸や英語スキルを磨くにはよいと思います。
資格や指導経験のある先生に効果的なカリキュラムで教えてもらえる
語学学校はオンライン英会話に比べて高価という印象があるかもしれません。しかし、オンライン英会話では先生に当たり外れがあるのに対し、語学学校ではたいてい、高等教育機関で英語教授法などを修めた人や、すでに指導経験が豊富な人が務めています。そのため、(もちろん性格や指導方法に合う、合わないはあるものの)総じて満足がいく授業が受けられることが多いと思います。
また、オンライン英会話ではスピーキング(や人によってはリスニング)の練習が中心になりますが、海外の語学学校の一般英語コースでは、語彙、文法、発音、リスニング、読解、発信などを、4技能を駆使して総合的に学ぶスタイルがよくみられるようです。その際、海外で発行されているノンネイティブ向けの英語教科書などが使われますが、英語圏で実際に使われる表現や用法が掲載され、アクティビティー/ワークも、身に付きやすいよう、楽しく取り組めるよう、工夫されていると感じます。
1回のレッスンが90分(以上)など、たっぷり、じっくりと集中的に学べるのも魅力です。しかも、毎日は難しくても毎週授業があれば、定期的に英語に触れられて、吸収率も上がるでしょう。
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文:Irene
日本にある語学学校のフランス語講座や、ダンスのワークショップも、オンラインで受けてみたところ、フランス語講座はほぼ違和感がなく、ダンスも狭い自室で意外としっかり汗をかきました。普段は行けない遠方のレッスンも受けられるのは、オンラインの大きな利点ですね。コンテンポラリーダンスには「コンタクト」という、もろ密着型のものもあるのですが、もしそれが遠隔でできるようになったら・・・仙人みたいな域に到達できるかもしれません(笑)。
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