「胸アツ(胸が熱くなる)」は英語でなんて言う?

「胸が熱い」という表現や、そこから生まれた「胸アツ」を英語でどう伝えるのか。例文を豊富に交えてその方法を紹介します。

「胸が熱くなる」「胸アツ」とは?

「胸が熱くなる」は、感動や興奮など、何かに深く心を打たれるときの感情を表す日本語の表現ですよね。映画や音楽、スピーチなどに心を動かされ、その深い感情が胸の中で熱くなる、というイメージから来ています。そして「胸アツ」は、もちろん「胸が熱くなる」の略で、特に若い人たちの間で使われています。

「胸が熱くなる」を英語で言うと?

「胸が熱くなる」という感情を英語で伝えるには、moved(心を動かされた、感動した)やtouched(心を打たれた、感動した)などが使えます。

(deeply) moved

何かに感動したり、深く心を動かされたりする感じを表します。

I was deeply moved by the movie.
その映画に胸が熱くなった。

touched

これも、感動的な瞬間や心を打つ出来事に関して使用される語です。

I was touched by her kindness.
彼女の優しさに胸が熱くなった。

ちなみに、上で紹介した2つは「胸が熱くなった人」が主語ですが、「胸を熱くするもの」を主語にすることもできます。

The final song at that concert was so moving!
あのライブの最後の曲、本当に胸アツだった!

When he walked back onto the soccer field after a year out injured, it deeply touching, wasn't it?
けがで1年を棒に振った彼がサッカー場に戻ってきたのは、胸アツだったよね。

「胸アツ」を伝えるその他の語句

movedとtouchedという基本的な語を紹介しましたが、「胸が熱くなる」に近いニュアンスは、他の英語でも表現できます。

overwhelmed

「圧倒された、打ちのめされた」という意味です。感情が強く、管理できないほどになったとき、overwhelmed(形容詞)と表現されることがよくあります。

I was overwhelmed by the beauty of the scenery.
その景色の美しさに胸が熱くなった。

teary-eyed

文字通り「涙が目にたまっている(=涙ぐんでいる、涙目の)」状態を指す形容詞です。

The story made me teary-eyed.
その話に胸が熱くなった。

stir

stirは「~をかき回す、~を混ぜる」という意味の動詞。そこから派生して、人の感情や心を動かす、刺激する、といった意味でも使うことができます。

The speech stirred me deeply.
そのスピーチに胸が熱くなった。

pull at the heartstrings

「心の琴線(heartstrings)に触れる」という意味です。

That story really pulls at the heartstrings.
その話には本当に胸が熱くなる。

warm/melt one’s heart

warmは「~を温める」、meltは「~を溶かす」。どちらの語も、愛らしさや幸せなどポジティブな感情を持つことを示す際に使います。

Seeing children help each other always warms my heart.
子供たちが助け合っているのを見ると、私はいつも胸が熱くなる。

Your kind words truly melt my heart.
あなたの優しい言葉は、私の胸を本当に熱くする。

evoke deep emotions

evokeは「~(感情など)を呼び起こす」という意味です。

Such sympathetic characters in the movie evoked deep emotions in me.
映画のとても思いやりがある登場人物たちは、私の胸を熱くした。

まとめ

「胸が熱くなる」「胸アツ」と同様の意味を持つ、さまざまな英語表現を紹介しました。いろいろ使い分けることで、英語の会話をさらに熱いものにしていきましょう。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

英語を学び、英語で学ぶための語学情報ウェブサイト「ENGLISH JOURNAL」が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。 単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!

英文校正:Peter Branscombe

語彙力&フレーズ力を磨く、おすすめの本

ネイティブと渡り合える、知的で洗練された英単語力。

本書は、アルクの『月刊ENGLISH JOURNAL』(1971年創刊~2023年休刊)に掲載されたネイティブスピーカーの生のインタビューやスピーチ、約300万語のビッグデータから、使用頻度の高い英単語300個を厳選し、一冊に編んだものです。

すべての英単語は日本語訳、英英定義、例文と共に掲載、無料ダウンロード音声付きで、読んでも聞いても学べる英単語帳です。また、難易度の高い単語をしっかり定着させるため、穴埋め問題やマッチング問題、さらに構文や使用の際に気を付けるべきポイント解説も充実しています。伝えたいことが明確に伝えられる、上級者の英単語力をこの一冊で身に付けましょう!

英語中級者と上級者の違いは、的確で、気の利いたフレーズ力!

50余年の歴史を持つ、アルクの『月刊ENGLISH JOURNAL』(1971年創刊~2023年休刊)に掲載されたインタビューやスピーチ約300万語というビッグデータの中から、頻出する英語フレーズ300個を厳選。日常会話やemail、SNSではよく使われているのに、日本人が言えそうで言えない、こなれたフレーズを例文と英英定義と共に収載しました(全音声付き)。

厳選した300種類の穴埋め問題&マッチング問題を通して、「見てわかる」のレベルから「自分でも使える」ようになるまで、しっかり定着させます。上級者への壁をこの一冊で打ち破りましょう!

難関大を目指す受験生が英単語を「極限まで覚える」ための単語集

大学入試などの語彙の問題は、「知っていれば解ける、知らなければ解けない」ものがほとんど。昨今の大学入試に登場する単語は難化していると言われており、文脈からの推測や消去法では太刀打ちできない「難単語の意味を問う問題」が多数出題されています。こうした問題をモノにして、周囲に差をつけるには、「難単語を知っていること」が何よりのアドバンテージです。

SERIES連載

2024 04
NEW BOOK
おすすめ新刊
観光客を助ける英会話
詳しく見る
メルマガ登録