目指せ9割! 5分でできる中学英文法の定着度テスト【やり直しの英語】

アルクの大ベストセラー『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』でおなじみ、カリスマ英語講師Mr.Evineが、英語が苦手な大人のために、中学英語を楽しくやり直せる学習法をご紹介します。第1回はご自身の文法定着度を確認していただくテストです。

効果的な「やり直し」を意識して、学習スタート

こんにちは。Evineです。今まで英文法に関連する書籍を多数執筆してきたのですが、最近、僕の教室に通う社会人の生徒(30~50代)を見ていると、中学レベルの英文法がいかに重要かをますます強く実感しています。

ただし、中学英語なら何でもいいわけではなく、どこに焦点を当てて学習するのかが大切になってきますね。

というわけで、社会人の生徒たちがよくやりがちな英語の誤用例に基づいて、テーマ別に英文法を解説しながら、何を意識した「やり直し英語」が大人の英語学習に役立つのかをお話していきます。

「Mr. Evine流 大人の中学英語の学習法」を楽しく学んでいきましょう。

5分間でできる、中学英文法の定着度テストに挑戦

さて、みなさんに適切な中学英語の運用力が定着しているのかを確認するクイズを10問用意しました。早速、トライしてみましょう!

答えはノートなどに書いてみましょう。

【1】 文脈(自然な話の流れ)や日本語を参考に、[   ]に入る適切なものを記号で1つずつ選びましょう。(1問4点・合計20点)

  1. Will you call me later? – Sorry, I can’t today. [    ] you tomorrow.
    (A) I’m calling
    (B) I’ll call
    (C) I’m going to call
  1. Can you [    ]more about this? – Sure.
    (A) talk
    (B) say
    (C) tell
  1. I[    ]this problem. – Take it easy. I’ll help you.
    (A) haven’t been able to solve
    (B) won’t solve
    (C) have solved
  1. Where should I send these books? –[    ]
    (A) Please send me them.
    (B) Please send me the books.
    (C) Please send them to me.
  1. 「エミは今週、学校まで電車で通っています」
    Emi[    ]the train to school this week.
    (A) has taken
    (B) is taking
    (C) will take

【2】次の日本語または【 】内の場面・設定を参考に、(  )に適切な語を入れて自然な英文を完成させましょう。ただし、短縮形は2語で1語とします。(1問6点・合計30点)

  1. 「この機械は故障中です」
    This machine (   )(   ).
  1. 【予定】「どこで車を売る予定なの?」
    Where (   )(   )(   )(   )(   ) your car?
  1. 「私たちの上司は、できないともやらないとも言いませんでした」
    Our manager didn’t say he (   ) or (   ).
  1. 【午前の会話】「今日は上司と会ってないんだ」
    I (   )(   ) my boss today.
  1. 【新しいネクタイをして】
    Hey, I got this tie. (   ) do I look? ? You look good, Jim.

さて、いかがでしたか?5分間以内にすらすら解けたでしょうか?

答え合わせで自分が苦手な文法項目を確認

早速、答え合わせをしていきましょう。答えの隣には何の文法項目を問う問題だったかが書いてあります。

【1】(1問4点・合計20点)

  1. Will you call me later? – Sorry, I can’t today. [(B) I’ll call] you tomorrow.
    【助動詞の問題】

その場で決めた判断(話し手の意志)を表現する助動詞「will+動詞の原形」(・・・します)です。話の流れを考えるとこの表現を用いると自然な会話になります。


後で私に電話してくれない?――ごめんなさい、今日は無理なんです。明日、電話します

  1. Can you [(A) talk]more about this? – Sure.
    【動詞の語法】

talk about ~(~について話す)は有名ですね。more(もっと)は、この自動詞talkを修飾する副詞の働きをしています。talk moreで「もっと話す」。今回の英文は自動詞talkを用いたSV文型ですが、sayは基本的にSVO文型、tellはSVOO文型で用いる他動詞なのでどちらも文法的にNG。


これについて、もっと話していただけませんか?――もちろんですよ。

  1. I[(A) haven’t been able to solve]this problem. – Take it easy. I’ll help you.
    【現在完了の問題】

返答内容から、問題がまだ解決していないと判断します。そこで現在完了を用いて、現在から、過去を振り返り、継続して問題が解決できていない状況を現在完了で表現したものです。ここでは「be able to+動詞の原形」(~できる)を否定の現在完了にしたもの。


この問題がずっと解決できていないんだよ。-大丈夫だよ。手伝ってあげるから。

  1. Where should I send these books? –[(C) Please send them to me.
    【動詞の語法】

sendはsend O1 O2(O1[人]にO2[物]を送る)の目的語で示される情報(=名詞)が2つあるわけですが、より情報価値のあるもの、今回であれば相手が知りたい情報を後ろに置くのが英語の自然な表現方法です。これを文末焦点と呼びます。そのため、今回の返答としては、既知情報のthese booksを言い換えたthemよりも、「人」の情報を後ろに置いた英文(C)が自然で正解になります。


これらの本をどこに送ったらいいですか?――私に送ってください。

  1. Emi [(B) is taking]the train to school this week.
    【現在進行形の問題】

「今週」という期間が限定された状況下では、一時的な動作や習慣を示す現在進行形を用いるのが自然です。


エミは今週、学校まで電車で通っています。

【2】(1問6点・合計30点。スペルミスはマイナス1点)

  1. This machine ( is )( broken ).
    【過去分詞、現在完了、現在進行形の問題】

主語の状態を示すさまざまな表現に慣れておきたいですね。一番シンプルで自然な表現は過去分詞brokenを形容詞として用いたis brokenです。他にも「壊れてしまって、現在もまだ修理されていない」状況を示す現在完了has brokenや、一時的に動作していないことを示したisn’t workingでもOKです。


この機械は故障中です。

  1. Where ( are )( you )( going )( to )( sell ) your car?
    【未来の表現の問題】

相手の「個人的な予定」を表現する場合は「be going to+動詞の原形」を用いるのが自然です。「~を売る」は他動詞sellが正解。


どこで車を売る予定なの?

  1. Our manager didn’t say he ( couldn’t ) or ( wouldn’t )*.
    【助動詞の問題】

「能力」の否定を示すcan’tの過去形couldn’t、「意志」の否定を示すwon’tの過去形wouldn’tが入ります。助動詞は場面や気持ちに合わせた使い分けが重要です。前半の過去形didn’t sayに合わせて(時制の一致)、後ろの助動詞が2つとも過去形にしましょう。


私たちの上司は、できないともやらないとも言いませんでした。

  1. I ( haven’t )( seen ) my boss today.
    【現在完了の問題】

過去形didn’t seeにしてしまうと、話し手の中でまさに過去の話になるため、1日の終わりに話しているような響きになります。一方、現在完了であれば「まだ会っていない、これから会うかも」という可能性を示唆し、1日がまだ終わっていない(=現在)感覚になります。今回はこれが自然です。また初対面ではmeetが使えますが、普段会う人たちに対してはseeを用いるのが基本です。


今日は上司と会ってないんだ。

  1. Hey, I got this tie. ( How ) do I look? ? You look good, Jim.
    【疑問詞の問題】

「様子」「状況」を尋ねる疑問詞How(どう?、どんな?)で、自動詞look(~に見える、~のようだ)やbe動詞(~だ)などの動詞と組み合わせてよく使われます。文脈から相手の感想を求めている状況では、Howで尋ねるのが自然。


ねえ、このネクタイ買ったんだよ。どう?――似合ってるよ、ジム。

はい、いかがでしたか? 何問正解しましたか?

9割程度正解していれば、中学レベルの英語はクリア!

今回のクイズは、必須英文法の中でも特に日常会話で優先順位の高い「動詞の語法」「時制」「助動詞」「疑問詞」から出題しました。他にも重要な項目はたくさんありますが、これだけでも、日常会話に必要な中学英語の定着度の目安になります。解答はいずれも、見覚えのある表現だったと感じた方が多いのではないでしょうか。

なかには、うまく解答のように発想できなかったものもあったと思います。というのも、その英語表現を使うシーンを意識した学習をしなければ、実際には思うように使えません。また文法的には正しくても自然な使い方とは限りません。そこが今回の連載のテーマになります。

さて今回のクイズ結果ですが、44点(50点満点)以上を合格としています。

44点以上 OK

中学初中級レベルのコア英文法知識は合格点。また運用力の素地も十分にあり、語彙や発音なども意識的に学習していればコミュニケーションの準備はできています。

43点以下 Not passed 

中学初中級レベルのコア英文法知識と運用力共にコミュニケーションに備えるための適正レベルに達していません。

少し厳しい基準になっていますが、これから連載の中で発信のためのコア英文法学習に触れていきますので、きっと今よりも知識が整理されていくはずです。

See you next time!

Evine(エヴィン)
Evine(エヴィン)

本名、恵比須大輔。夜景が美しい街、神戸に生まれ育つ。オーストラリアでのワーキングホリデーの経験と、何でも丹念に調べ上げる「根性の独学」で英語を習得。子ども英会話講師、塾の英語講師を経て、現在は 「やりなおし英語JUKU」 を神戸で主宰し、学生から大人まで初心者を対象とした使える英語学習指導に従事している。著書は 『 Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル 』 『 Mr. Evine の中学英文法クイック・チェック 』 (共にアルク刊)など多数。趣味は映画を見ること、ダイビング。
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