TOEIC Part 2に仕掛けられた2つの「わな」とは?引っ掛からないための対策を解説!

『TOEIC(R) L&Rテスト Part 2 リスニング解体新書』の発売にあたり、著者の勝山庸子さんにPart 2対策について語っていただく本連載。第4回は、「わな」に引っ掛からないための対策と、「選んでしまった不正解選択肢」を手掛かりに自分の弱点について分析する方法について語っていただきます。

前回は、TOEIC Part 2対策に役立つ頻出の単語と定型表現をご紹介しました。今回はそれ以外の弱点の洗い出し方についてご説明したいと思います。

TOEIC講師として「Part 2が苦手」というご相談をよく受けますが、ほとんどの方はその理由がわからずに苦労されているという印象を受けます。TOEICに限らず、英語学習全般において、自分で自分の弱点を発見し、その対策をしていくことは難しいものですよね。

でも、ここであきらめないでください!ありがたいことに、Part 2では「選んでしまった不正解選択肢」を手掛かりにあなたの弱点を知ることができます。Part 2の不正解選択肢には、多くの学習者の弱点を突いてくるさまざまな「わな」が仕掛けられており、あなたがどれを選んだかを見ることで、弱点の分析ができるのです。間違ってもただでは転ばない精神が重要です。

「わな」というとずいぶん意地悪だなあと思うかもしれませんね。でも、この「わな」を逆手に取ってあなたの弱点をつぶすことに意識を集中すれば、スコアアップが可能なだけでなく英語の実力もつくでしょう。書籍『TOEIC(r) L&Rテスト Part 2リスニング解体新書』では、多くの学習者が苦手とする10の「わな」とその対策をご紹介しています。ここではそのうちの代表的なものを2つご紹介しましょう。

1. 音のわな(発音トラップ)

音のわなとは

不正解選択肢の中に、設問文の中の語句と発音が同じかよく似た語句が含まれていると、思わずそれを選びたくなってしまうことがあります。それが「音のわな」(以下、「音わな」)です。特に、キーワード(文中で重要な意味を持ち、はっきり発音されることが多い語。名詞が多い)にこのわなが仕掛けられていることが多いのが特徴です。ほとんどの場合、よく聞けば設問文に対する応答になっていないことがわかるはずです。

実際の例をいくつか見てみましょう。ここに挙げる選択肢には音わなが含まれています。

例1:

設問文:Is the vice president attending the meeting? 
副社長はミーティングに出席していますか?

選択肢:I bought them each a present. 
彼ら一人一人にプレゼントを買いました。

ここではpresident(社長)とpresent(プレゼント)という共通の音/préz-/で始まる単語が引っ掛けになっています。

例2:

設問文:Where should I park my car? 
どこに駐車すればよいですか?

選択肢:I’ll go take a walk in the park. 
公園に散歩をしに行きます。

名詞のpark(公園)と同じ発音の動詞park(駐車する)が使われている例です。このように、同音異義語も音わなになります。

例3:

設問文:Could I have the recipe for this pudding?
このプディングのレシピをいただけませんか?

選択肢:Just put it on the desk. 
机の上に置いてください。 

アメリカ英語ではtの前後に母音があると /d/ に近い音で発音されることが多いため、puddingとput it onが音わなになることがあります。音変化に慣れておくことも重要です。

そのほか、音わなに使われることが多い単語の組み合わせを挙げておきます。語義はPart 2でよく出るものに絞っています。

  • assign /əsáin/ 割り当てる
  • sign /sáin/ サインする、看板、標識
  • bicycle /báisikəl/ 自転車
  • recycle /risáikəl/ リサイクルする
  • flute /flúːt/ フルート
  • fruit /frúːt/ フルーツ
  • lead /líːd/ 指導する
  • read /ríːd/ 読む
  • office /ɔ́fis/ オフィス
  • official /əfíʃəl/ (政府機関などの)職員、公式な
  • quiet /kwáiət/ 静かな
  • quite /kwáit/ まったく
  • supplies(supply /səplái/の複数形、三単現)用品、供給する
  • surprise /sərpráiz/ 〜を驚かす
  • walk /wɔ́k/ 歩く
  • work /wə́rk/ 働く

音わなに引っ掛からないための対策

短期的な音わな対策としては、根拠がないかぎり「音が似た語句を含む選択肢は避ける」のが定石です。公式問題集やその他問題集のPart 2の問題を1,000問以上調べたところ、音わなを含む選択肢が正解になる問題は3%程度しかありませんでした。ただし、..., A or B?(Aですか、Bですか?)の形の選択疑問文に対する応答では、設問文中のA、Bにあたる単語が必然的に正解選択肢にも登場することがあるので、例外だと覚えておいてください。

長期的な対策には、TOEIC用の単語集や学習書を使って、頻出語の正しい発音を頭に叩き込んでおくのがよいでしょう。どちらかと言えば簡単な単語が音わなになることが多いのですが、頭の中で想像している発音がネイティブスピーカーの発音とは大きくずれてしまっていることが意外と多いのです。英単語の音声を聞き、自分でも言えるように練習しておけば、聞き取れるようになるはずです。TOEICの語彙は日常会話でもよく使われるものばかりですから、会話でも役立ちます。ぜひ取り組んでみてください。

(書籍 『TOEIC(R) L&Rテスト Part 2 リスニング解体新書』 にも、音わなに登場する語句のリストを練習用音声付きで掲載しています。ぜひご活用ください。)

2. 連想のわな

連想のわなとは

不正解選択肢の中に設問文の中の語句と関連がありそうな意味の語句が含まれていると、それを選んでしまう傾向があります。それが「連想のわな」(以下、連想わな)です。連想わなは、かなり巧妙に作られています。また、数が非常に多く、不正解選択肢の約4割に連想わなが仕組まれているようです。

さっそく、設問文と連想わなを含む不正解選択肢の例を見ていきましょう。

例1:

設問文: Are there any good places to eat near the theater? 
劇場の近くには食事をとるのによい場所はありますか?

選択肢:No, I didn’t buy any tickets. 
いいえ、チケットは買いませんでした。

theater(劇場)はTOEICの頻出語で、さまざまな連想わなに使われます。特にticket(チケット)や、seat(席、〜人が座れる)、box office(チケット売り場)との組み合わせは頻出です。選択肢全体の意味がちゃんと理解できていれば、設問文とは無関係な内容であることが明らかなのですが、「連想わな」の語句に惑わされて思わず選びたくなってしまうのです。

例2:

設問文: The sales report is due on Friday, right? 
販売報告書の提出期限は金曜日ですよね?

選択肢: Turn left at the corner. 
角を左に曲がってください。

設問文はright?で終わる付加疑問文ですが、このrightを「右」と言う意味に解釈してしまった人にとって、反義語leftを含む応答文は魅力的なはずです。first(最初の)とlast(最後の)も連想わなに登場することが多い組み合わせです。

そのほか、連想わなによく使われる語句の組み合わせを挙げてみます。設問文に「場所」や「状況」を表す語句があり、選択肢にそれに関連しそうな語句が含まれるパターンが頻出です。

office(オフィス)
→window(窓)、corridor(廊下)、break room(休憩室)、lobby(ロビー)、chair(いす)、desk(机)などの、オフィスの設備・備品

hotel(ホテル)
→shuttle(シャトル)、lobby(ロビー)、front desk(フロント)、room(部屋、《不加算で》 余地)

meeting(ミーティング)
→equipement(機材)、projector(プロジェクター)、product(製品)、conference room(会議室)

連想わなに引っ掛からないための対策

連想わなに引っ掛かるということは、語句の聞き取りや理解ができているということなので、TOEICの学習が順調に進んでいる証拠とも言えます。しかし一方で、文全体の意味を理解できていないということでもあります。連想わなに引っ掛かってしまいがちな人は、文全体をきちんと聞き取ることを目標に練習するとよいでしょう。ディクテーション(書き取り)やリピーティング(音読の一種)などのトレーニングを通して、細部まで聞き取る練習をすることをお勧めします。また、基本的な単語の意味を改めて確認しておくことも重要です。記憶が曖昧だったり、同音異義語や多義語の意味が把握できていなかったりすると、思わずわなを選んでしまう確率が高まります。

今回は弱点を見抜くのに有効な「わな」に焦点を当てました。自分がどのわなに引っ掛かっているのかを確認すると、対策が立てやすくなるはずです。書籍 『TOEIC(R) L&Rテスト Part 2 リスニング解体新書』 には、あなたが選んだ不正解選択肢から弱点の分析ができる「診断テスト」もご用意しています。ぜひお試しください。皆さんが苦手なところを克服してスコアUPを達成できるよう、応援しています!

勝山庸子(カツヤマ・ヨウコ)
勝山庸子(カツヤマ・ヨウコ)

TTT 11期生。カリフォルニア大学大学院にて社会学を学び、帰国後は大学と英会話学校でTOEIC・TOEFL・英検などのテスト対策講座や英会話などの授業を担当。TOEIC® L&Rテストは18歳の時から現在まで断続的に受験を続けている。米国で苦労して英語を学んだ自身の経験に基づく丁寧な指導には定評がある。TOEIC® L&Rテスト 990点(満点)、英検1級(日経Weekly賞)。共著に『TOEIC(R) L&Rテスト Part 5 語彙問題だけ555』、執筆協力は『TOEIC® L&Rテスト 直前の技術』『TOEIC(R) L&Rテスト 200%活用模試』『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』(以上アルク刊)など、アプリ教材も含め多数。趣味は英語学習も兼ねた洋楽・洋画鑑賞と英語のPodcast視聴。

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