気象予報士、英検1級にスペイン語認定試験。難関資格合格の秘訣とは!?【元井美貴さんインタビュー】後編

青山学院大学在学中に気象予報士の資格を取得し、お天気キャスターとして活動する一方で、2010年にはプロレスキャスターとしてデビュー。近年は、新日本プロレスや女子プロレス団体スターダムの解説や実況でも活躍される元井美貴さん。後編では、さまざまなジャンルの仕事、難関資格へチャレンジをされている元井さんに、仕事への準備や勉強法について伺いました。

「今日からみんなとご飯食べない」と宣言して試験勉強に突入

―合格率5パーセントの難関資格である気象予報士に20歳で合格されています。どのように勉強をされましたか?

資格を取るって決めてからは行動が極端で、いつも友達とお昼ご飯を食べていたのに「もう私は今日からみんなとご飯を食べない」ってことを勝手に宣言しました(笑) そこからは空いている教室に行って黙々と勉強しながらお昼を一人で食べて、授業中も気象予報士の勉強をこっそりしていました。大学の授業後には、資格用のスクールにも通って、犬の散歩中もぶつぶつ何か覚えて、とにかく空き時間は全部勉強していました。デート中も「ちょっと勉強の時間を取りたいから好きにしてて」みたいな形で資格の勉強を第一に生活してしまっていましたね(笑)

気象予報士受験時の学習ノート。特に数学が苦手で、高校の教科書からやり直したそうです。

プロレス解説&実況の準備とは!?

―近年は新日本プロレスをはじめ国内外のさまざまなプロレスの試合解説もされていますね。元井さんの解説は的確で、情報量が豊富で聞いていて楽しいと好評です。

元選手でもなければプロレス雑誌の編集長さんでもないので、プロのファン代表という立ち位置のつもりでいます。気象予報士の職業病もあるんですが、数字を使って比べたり説明することが多いかもしれません。あとは、目の前のことを公平に見る仕事用のフィルターとして眼鏡をかけるようになりました(笑) 

ただ、たくさん調べて準備しても、試合展開によってタイミングが外れて言えなかったりとか、伝える情報の取捨選択だったり、どのボールを今投げるのかという判断が難しいです。女性が解説席に入ることって今まであまりなかったので、女性の私が解説席に入ることで、色々な方が「自由にプロレスを語っていいんだ、会場に行ってみよう」と思ってくれたらいいなと感じています。

―2021年7月31日には女性としては史上初めて、女子プロレス団体スターダムで試合の実況も担当されました。解説のお仕事とは違いましたか?

これは自分の中では勇気を出した挑戦でしたね。最初、私にはできませんと断ろうとしたんですが、「あれ、まだ40日あるぞ。本気で準備したらできるかもしれない」と思ってそこから全力で勉強しました。

解説との違いは、目の前で何が起きているかをずーっと言葉で説明しなくてはいけないことです。例えば電車に乗っている間も、目に見える物を実況する練習をマスクの下でやっていました。プライベートでは、ぼーっとしていたいのに、練習でひたすら話し続けなくていけなくて辛かったですね。スターダムの選手の方はオリジナル技を作られている方も多いので、技名は単語カードにして覚えました。現場を実況する能力はもちろんのこと、解説の方に話を振るMCの能力、時間管理も必要で、私にとっては大きい声を発するのも大変でした。実際にチャレンジして、すごいお仕事なんだなと改めて実感しました。

試合やマイク&バックステージのインタビューを書き込んだ解説準備用のノート。

ルチャ・リブレで覚えて、資格試験をペースメーカーに

―スペイン語の学習はどのようにされていましたか?

一番初めはルチャ・リブレのスペイン語実況を聞こうとしたものの、本当に単語がわからないので呪文のように早く聞こえていました。それから、ちょっとずつ聞き取れた単語を書きだして、辞書で意味を調べるという作業をずっとしていました。体の部位はルチャ・リブレで覚えましたね。色だったり動物の名前は、わかりやすくマスクに投影されているので。ミル・マスカラスさんの意味が、mil (千)mascaras(マスク)なんだと知っただけで喜びがありました(笑)

文法については、参考書だけでやり続けるのは大変なので、資格を取ることを設定して、強制的に覚えるってことをちょっとずつ積み上げてきた感じですね。スペイン語検定も6級から、5級、4級、3級と受けてきて、現在のことが話せたら、過去のこと、未来のことといった形で、本当に少しずつできることを増やしてきました。

―検定がペースメーカーにもなっているんですね。

そうですね、不得意なところもわかりますし。ただ、スペイン語検定は試験形式が変更となり、今は過去問もなかったり試験結果も点数しか出ないので、過去問が出るまでは少し受けづらいかもしれません。DELEだと技能別のスコアが数字で出てくるので指標にしやすい気がします。

―2021年には英検準1級。2022年には英検1級も取得されていますね。

英米文学科なのに大学の授業中も気象予報士の勉強をしていたので、学生時代の忘れ物を取り戻すというか、今逆に受けてみようかなと急に思い立って受験を決めました。

資格前は結構頑張れるタイプなので、朝9時から勉強を始めて、夜の11時まで、1日13時間くらい勉強していました。とにかく単語に触れる機会が多い方がいいと思って、1日800単語ずつ朝と夜にひたすら繰り返していましたね。

これ普段使うかなと思って覚えていた単語も、プロレスで「お前を屠殺(slaughter)場に送ってやる」って相手を罵る言葉として使っていて、「あっここで言うんだ」って思ったりしたこともありました。

マスクマンからたくさんのスペイン語の単語を習得!

超ストイックな準備や学習の原動力は悔しい気持ちや反骨心

―難関資格を多数取得され、さらには実況や解説といった準備が大変なお仕事もたくさんやられています。「何でもできて凄い!」と感じる方も多いかと思います。

資格1つとっても、気合というか馬力というか、凄い直前に頑張って、泥くさい努力をしているだけだと思います。サラッと合格しましたと言いたいので、あまり努力しているとは言わないようにしているんですけど(笑)

原動力は、悔しい気持ちだったり、どうしても女性ということで舐められたり、足を引っ張られるようなこともあったりして。そういうことも寄せ付けないくらい自分で高いところに登っていきたいという反骨心で頑張れている部分もありますね。

試験直前は殺気立って勉強していて、「不毛な時間を殺せ!」などの張り紙が目に入るところにあります(笑)で、終わった後にめちゃくちゃだらけて不毛な時間を過ごしています。少しずつコツコツやるのは苦手なんですけど、目標を設定して集中して頑張って、ちょっと休んだら、また頑張る、その繰り返しですね。好きなんでしょうね。自分を追い詰めるのが。

元井美貴さんの著書『超初級から話せる スペイン語 声出しレッスン』は、全国の書店、ネット書店にて好評発売中です!

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
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