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宇宙の起源の解明に迫る!NASAが46憶年前の銀河を撮影

宇宙旅行を果たした前澤友作さんの話題や、JAXAで13年ぶりとなる宇宙飛行士の募集、また今年6月にJAXAを退職した野口聡一宇宙飛行士などなど、宇宙に関するニュースが世間を賑わせています。

そして今回は、アメリカ航空宇宙局(以下、NASA)が46億年前の銀河団を撮影することに成功したというニュースを取り上げます。

ニュースの概要

NASAは2022年7月11日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した46億年前の銀河団「SMACS0723」の画像を公開しました。昨年12月に打ち上げられた史上最大の宇宙望遠鏡による初の観測です※1。望遠鏡は現在、地球から150万キロ先の宇宙空間を遊泳しており、今年6月から観測データの収集を始めています※2。

46億年前の銀河団「SMACS0723」の画像がこちら!

NASA’s Webb Delivers Deepest Infrared Image of Universe Yet

神秘的だ…。しかし、この画像の何がすごいのか、もう少し理解したいところです。

まず「46億光年」という距離のスケールについて考えてみましょう。

「46億光年」って具体的には?

そもそも「光年」という単位。日常生活ではあまり出会うことがないですが、これは光が1年間に進む距離のことを示します。と、言われてもどのくらいの距離なのかピンとくる方は少ないかもしれません。うーん。もう少し、具体的な数字を使ってみましょう。

光は1秒間に約30万km進みます。
これを分速に直し、時速に直し、1日に進む距離を計算すると
30万×60×60×24=259億2000万km   になります。

なので、1年間(365日)分に直すと、
259億2000万×365=9兆4608億km  になりました。

つまり、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた宇宙は、
9兆4608億km×46億 ・・・  とても大きな数字になることがわかります。

ちなみに、太陽系の惑星で1番外側を公転している海王星から太陽までの距離は約45億km、また地球の直径は約12.756kmです。こうして比べてみると「9兆4608億km×46億」という距離の途方もなさがお分かりいただけるのではないでしょうか?

日本国内でも「すさまじい画像で驚いている。これほど遠くの宇宙空間を高感度に写したものは過去になかった」という天文学者の言葉が報道されていました※3。

これまで見ることのできなかった宇宙空間が映し出されている、ということが、この画像のすごさではないでしょうか。

海外メディアの反応をチェック

では、海外の主要メディアはどのような反応を示したのでしょうか?

ワシントン・ポスト

And perhaps by gazing outward, we will be inspired to examine anew our own existence.
そして、〔地球の〕外へと目をやることで、私たちの存在について、あらためて見つめ直すきっかけになるかもしれません。

Earth is so small and humanity so transient, yet as far as we know we are the only ones watching and deciphering this cosmic unfolding.
地球は極めて小さく、人類はとてもはかない存在です。しかし、この宇宙の展開を見守り、読み解くことができるのは、恐らく私たちだけなのです。

記事はこちら:The years and billions spent on the James Webb telescope? Worth it. (The Washington Post)

ニューヨークタイムズ

“We’re one step closer to uncovering the mysteries of the universe,” Bill Nelson, the administrator of NASA, said in a statement. “And I can’t wait to see Webb’s first new views of the universe this summer!”
「宇宙の謎の解明に一歩近づいた。」 NASAのビル・ネルソン長官は、声明の中でこう述べています。「そして、この夏、ウェッブが初めて見る新しい宇宙の景色を見るのが待ち遠しいです!」

記事はこちら:After Million-Mile Journey, James Webb Telescope Reaches Destination( The New York Times)

宇宙望遠鏡は、これまで解明することが出来なかった宇宙の謎にアプローチする、重大な役割を担っていることがわかります。科学者たちにとって、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が映し出す宇宙空間は、非常に重要な研究材料になったのではないでしょうか。

バイデン米国大統領のコメント

ちなみに、バイデン米大統領は以下のようにコメントしています。

The first image from the Webb Space Telescope represents a historic moment for science and technology. For astronomy and space exploration. And for America and all humanity.
ウェッブ宇宙望遠鏡から初めて届けられたその画像は、科学技術にとっての歴史的な瞬間を象徴しているだけでなく、天文学と宇宙開発の、また、アメリカと全人類にとっての歴史的な瞬間を象徴しています。

Today is a historic day.
今日は歴史的な日だ。

the oldest documented light in the history of the Universe, from over 13 billion — let me say that again — 13 billion years ago
宇宙の歴史の中で確認された最古の、130億年以上前に遡る光なのです。もう一度言いますが、130億年以上前です。

バイデン米大統領のコメントからも、驚きと感動の気持ちが伝わってきます。

今後のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の活躍によってどのようなことが期待できるのでしょうか?

宇宙の起源の解明への挑戦

135億光年以上離れた宇宙を観測することができるというジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。最初に生まれた銀河や、太陽系の外部の惑星に生命の存在を可能にする環境があるかなどを調査し、138億年前に誕生したとされる宇宙の起源の解明に挑みます※4。

宇宙の誕生… なんだかワクワクしてきますね!

今回登場した宇宙ワード in English

・銀河  galaxy  
・銀河団  galaxy cluster
・望遠鏡  telescope
・光年  light year  
・惑星  planet
・公転  revolution 
・海王星  neptune  
・宇宙飛行士  astronaut  
・天文学  astronomy  
・宇宙の cosmic

※1. CNN.co.jp NASA、ウェッブ望遠鏡の新たな画像公開 恒星・銀河・系外惑星
※2. 東京新聞TOKYO Web 46億年前の銀河団を撮影 史上最大、宇宙望遠鏡
※3. 読売新聞オンライン 46億光年先の銀河「すさまじい画像」…感度ハッブルの100倍、新型望遠鏡がとらえる
※4. 読売新聞オンライン NASAの新型望遠鏡、46億光年先の銀河団を鮮明に撮影…バイデン氏「歴史的な日だ」

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部

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