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メイクしながら英会話!人気の動画クリエイターが教える英語習得法とは?【ブックレビュー】

メイクしながら英会話!人気の動画クリエイターが教える英語習得法とは?【ブックレビュー】

「英語がペラペラ話せるようになる魔法ってないかな?」。そんなあなたには、この本がおすすめ。人気の動画クリエイターが、始めた人から効果を実感できるすてきな魔法を教えてくれます!

著者はどんな人?

本書の著者は、アーティストで動画クリエイターのMiracle Vell Magic(以下「ベル」)さん。脚本から歌、演技、編集まで、独自のセンスを貫いた動画はポップで楽しいものばかり!SNSでの動画総再生回数は1億回を突破しています。見た目の雰囲気や英語が堪能なことから、ハーフだといううわさも。

実際には日本生まれ日本育ちの日本人だそうですが、この英語を聞けばそんなうわさが立つのもうなずけます。

ペラペラとよどみなく話しているし、発音も本当にいいですよね!一体どんな方法で、ここまでの英語をマスターしたのでしょうか。

英語マスターの秘訣は「ひとりごと」!

先述した通り、ベルさんは日本生まれの日本育ち。留学経験などもないそうです。それなのにこれだけ見事な英語をマスターした秘訣は、なんと「ひとりごと」。

ひとりごとなら、どれだけ言い間違えても、文法や発音がめちゃくちゃでも、誰も見ていません。いくらでも失敗し放題。確かにこう考えると、英語を話すハードルがぐっと低くなります。

まずは「めちゃくちゃタイム」

すぐにでもスタートしたいのが、ベルさんの言う「めちゃくちゃタイム」。文法や発音を意識せず、とにかく自由気ままに英語を口に出してみるのです。ネイティブスピーカーになったつもりで、オーバーに口を動かすのがコツだとか。

まずは、dogでもcatでもいいから、知っている英単語をどんどん言ってみます。続いては目にしたものをどんどん英語化。自分の部屋を見渡すだけでも、notebookやbody creamなど英語で言えるものがいっぱいあります。

外出中なら、subway、emergency exitなどなど。さらには、Thank you very much.(どうもありがとう)、What is this?(これ何?)などフレーズも口にしてみます。こうしてみると、英語が苦手だという人でも意外とたくさん話せるのではないでしょうか。

ベルさんは高校生のころからこの「めちゃくちゃタイム」を始め、とにかく英語で話す時間を持つようにしていたそう。英語は、暗記が必要な「歴史」とは違い、とにかく実践する「体育」的な科目だというのがベルさんの持論。

まずは何でもいいので英語っぽいひとりごとをしゃべり、口を動かすことが大切になってくるんです。

慣れてきたら「しっかりタイム」

「めちゃくちゃタイム」に慣れてきたら、今度は自分が思ったことをどんどん英語に置き換えてつぶやきます。普段、思わず日本語で言っているようなことを英語にしてみるのです。例えばこんな感じ。

Wait, where’s my phone?

(あれ、スマホどこだ?)

I really like the new shampoo!

(新しいシャンプー、かなりいい感じ!)

こうして思ったことを英語で言っていると、英文が浮かばなかったり、「これでいいのかな?」と迷ったりすることもあります。ベルさんによれば、この「モヤモヤ感」がとても大事。「モヤモヤ感」が出てきたら、次のステップ「しっかりタイム」です。

「しっかりタイム」は、「めちゃくちゃタイム」中に感じた疑問を調べる時間。

普通、英会話の勉強ではまずインプットしてからアウトプットに挑戦しますが、ベルさん流では反対の方法を取ります。まず「めちゃくちゃタイム」でどんどん話し、「言えなかった」という体験をしてから覚えたほうが定着しやすいそう。

確かに、英会話本を丸暗記するより、自分が言いたいことをチェックしてから英語を覚えたほうがあとあと使えそうですね。

そして、「しっかりタイム」では英語の本や辞書ではなく、スマホをフル活用。例えば、「寝坊した」と英語で言いたいときは、「寝坊する 英語」で検索すれば、oversleepという表現とその発音まですぐにわかります。

この調子で、1日1文ずつでも覚えていけば、1年で365もの表現が身に付くことに!

「今日からひとりになったらかかさず、いつでもどこでも英語をしゃべるようにしましょう」とベルさん。「めちゃくちゃタイム」と「しっかりタイム」をルーティンにすれば、魔法にかかったみたいにどんどん英語に慣れることができそう。

妄想友達と毎日トーク

「めちゃくちゃタイム」と「しっかりタイム」が定着してきたら、「妄想友だち」をつくってみましょう。

「妄想友だち」とは、あなただけの想像上の友だちのこと。ベルさんは、「レイチェル」と名付けた妄想友だちと会話するという設定で「ひとりごと」を楽しんでいたそう。

例えば、最寄り駅から家に帰るまでの間、電話でレイチェルと話すと決めて、その日あったことをあれこれ英語で報告するのです。今ならイヤホンを付けていればハンズフリーで会話ができるから、道を歩きながら英語を話していてもそれほど変ではありません。いや~、英語学習もホントに年々変化しますね。こんな感じです。

Heyyy! How was your day? … …

(ヘーイ!今日はどんな日だった?)

末尾の「... ...」は、相手のレイチェルが話している間です。ここでレイチェルがなんと言っているか想像すると、より楽しいかも。

Mine was crazy. I'm gonna tell you all about it.

(こっちはクレイジーな日だったよ。もうぜんぶ話させて)

目的地に着いたら、Bye!と告げておしまいにすればOK。これなら気が楽ですね。

帰宅するまでの時間やちょっとコンビニへ出かけるときなど、ボーッとしていてはもったいない!妄想友だちとの英会話を毎日5分続けていけば、半年、1年とたったときにはかなりの練習量になりそう。

「使えるフレーズ」は海外ドラマとネットで

英語で話すことがルーティンになってきたら、お手本になりそうなフレーズを、海外ドラマやTwitter、Instagramから手に入れましょう。

TwitterやInstagramで使ってみたいフレーズを見つけたら、すぐにまねして自分の英語用アカウントで投稿!これなら、ちょっとした空き時間にいつでもどこでもできます。電車やお店の中など、妄想友だちとのおしゃべりがしにくいときには、この方法がいいかも。

英文法も「ひとりごと」で身に付く!

とにかく楽しく、自分のペースで無理なくできるベルさん流の「ひとりごと」英語。でも、より正確に詳細に話すにはやはり英文法が必要だろうし、英文法はコツコツ「勉強」しなくてはいけないのでは・・・。

ところがなんと、英文法も「ひとりごと」で身に付くそうです。特に、まず押さえたい時制をマスターするには「ひとりごと」がぴったり!

コツはYouTuberの自撮り動画のように、自分が今していることを実況中継すること。

ベルさんはメイクをしながら、こんな風につぶやいているそう。まずは現在形です。

I use an eyeliner from Miracle Makeup.

(わたしは『ミラクルメイクアップ』のアイライナーを使ってるよ)

簡単な文ですが、私は現在形がずーんと腹落ちした感じがしました。

誰にでも愛用している化粧品があると思います。お化粧をしない人なら、よく飲むドリンクとか、気に入っている文房具などを、「〇〇をずっと使ってるけど、ホントにいいよ」と人に話したりしますよね。そんなときには、「ふだん/いつも」というニュアンスをもつ現在形を使います。

では、未来形はどうでしょうか?

未来形と言えば、be going toとwillですね。メイク系YouTuberさんが話しているところを思い浮かべてみてください。

I’m going to use this eyeliner to make cat eyes.

(このアイライナーを使って猫目メイクをするよ)

Hm. I think I'll use some other eyeliner today.

(うーん。今日は別のアイライナーを使おっかな)

色や使い心地が、今日の気分と合わなかったのでしょうか・・・。

ともあれ、学校ではbe going to=willと習うことも多いこの二つ。どちらも「これから~するよ」という意味で、使い分けの明確なルールはないそうですが、やはりニュアンスは微妙に違います。

be going toのほうが「以前から予定している未来」について話すときに使われることが多く、willは「これから~しよう」と今決めたことについて使われることが多いのです。

上の例文をみると、この違いがよくわかると思いませんか?

さらに、YouTuberさんが実際にアイラインを引きながら言いそうなこのセリフ。

Now, I’m applying this eyeliner on my bottom lid.

(今、下まぶたにこのアイライナーを引いている)

ここは現在進行形ですね。そして引き終わったとたんに、それは過去のことになります。

I used this eyeliner to make the cat eyes.

(このアイライナーを使って猫目メイクしたよ)

いかがでしょう?「なるほど」という感じがしませんか。実際にメイクをしながら口に出して言ってみると、時制の違いが身体にしみ込みそう。

家事や仕事をしているときにも、こんなふうに自分で実況中継するとよさそうですね。

今すぐ魔法にかかっちゃおう

この本で紹介している学習法は、今すぐ始められてお金もかからないものばかり。それでも続けていけば、ベルさんみたいに流ちょうに英語を話せるようになるかも。まるで魔法みたい。

本書の巻末でベルさんはこう言っています。

魔法にかかるか、かからないか、最後はあなた自身が決めるっていうことです。

迷う必要はありませんね。今すぐ、このすてきな魔法にかかっちゃいましょう!

ENGLISH JOURNAL ONLINE 編集部

尾野七青子都内某所で働く初老のOL兼ライター。