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Netflixでも大人気!日本発のオリジナルアニメが面白い理由

世界のアニメ&マンガに夢中!

今、世界は日本のアニメ界に熱い視線を寄せています。特に動画配信サービスNetflixは、日本のオリジナルアニメを多数製作しています。その理由と魅力とは?コラムニストの長谷川朋子さんにご紹介いただきます。

世界でランキング上位を占める日本発のアニメ

映画やドラマ、アニメを楽しむための今や超定番サービスとなりつつあるのが、月額会員制の通称「サブスク」です。なかでもユーザー数は2億人以上と、世界トップシェアを勝ち取るアメリカ発のNetflixは日本でも人気を集めています。日本の有料会員数は500万人以上(2020年12月末時点)に上ります。

人気の理由はズバリ、オリジナル作品のクオリティーと量、バリエーション。日本で話題になった作品には韓国ドラマ『愛の不時着』や山田孝之主演の連続ドラマ『全裸監督』などが代表例にあります。『Kondo-ing(コンドーイング)』という動詞が一般化されてしまうほどアメリカで社会現象にもなった、片づけコンサルタント近藤麻理恵の番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』も人気作の一つです。Netflixは映画界にも旋風を起こし、巨匠アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』をはじめアカデミー賞受賞作を続出させてもいます。

そんな飛ぶ鳥を落とす勢いのNetflixは、日本発アニメ作品のラインアップにも力を入れています。その背景にはそもそもアニメというジャンルが世界でも幅広い世代で支持され始めていることが大きいのです。年々それは増加傾向で、今や全世界のNetflixユーザーの約半分がアニメ作品を視聴するようになっているそうです。アジアでは台湾やタイ、欧州ではフランス、イタリア、ラテンアメリカではペルー、チリで日本のアニメ作品が上位を占め、人気ぶりを示しています。アニメ大国である日本では会員の約2分の1が1カ月でアニメ作品を5時間以上も再生しているとか。Netflixの人気作品ランキングを毎日表示する「今日の総合TOP10(日本)」には、常にアニメ作品が何本もランクインしていることからも納得できる数字です。

約190カ国で同時配信するグローバル志向

Netflixにおける日本発アニメ作品の世界的な人気ぶりは、日本のアニメ業界が1960年代から今日まで培ってきたアニメ作りゆえんの賜物(たまもの)でもあります。日本は国内で脚本から絵コンテ、演出、作画、撮影、CG製作まで、製作過程のすべてをトータルで生産できる随一の国なのです。

この世界に誇れる日本のクリエイティブ力にNetflixも期待し、日本に上陸した2015年から日本発アニメ作品を充実させている経緯があります。実際に2016年にマンガ原作の映画『BLAME!』を発表して以降、作品数もバリエーションも広がっています。アクションやSF、ファンタジーといったジャンルにとどまらず、ギャグコメディーや癒やし系などさまざま。これが「見たくなる」作品に出会える好循環を作り出し、アニメ作品全体の再生数を増やす結果にも結び付いているのです。

ハリウッド発の世界ヒットドラマと並び、マンガ原作の『バキ』など、各国で総合トップ10入りを果たす日本発アニメも生まれています。世界各国のあらゆる作品が大量に並ぶNetflixの棚の中で支持されていることを実感できる実績です。Netflixの作品群と言えば、どれもこれも世界基準で作られ、クオリティーを時に大きく左右する製作費も十分にかけられています。そして、Netflixがサービス展開する世界約190カ国で同時配信されるという圧倒的な規模感を持っています。つまり、言語や文化の壁を越えたボーダーレスな作品を届けていることが、Netflixのブランドイメージを決定付けています。

日本発アニメ作品も例外なく、このNetflixブランドの枠組みの中にあるからこそ、国境を越えて人気を得ていると言えそうです。もちろん、日本らしいエッセンスも失ってはいません。世界で共有できる面白さが詰まっていることが、Netflix日本発アニメの魅力でもあるのです。そんなグローバル視点で楽しむこともおすすめします。

長谷川さんおすすめNetflixオリジナルアニメ

本コーナーで紹介しているオリジナルシリーズ、オリジナルアニメシリーズは、Netflixで全世界独占配信中です。

Rilakkuma and Kaoru(2019)- リラックマとカオルさん

日本で大人気のキャラクター、リラックマがストップモーションアニメに。リラックマと暮らす30代の女性、カオルさんとのほのぼのする日常が描かれています。のんびりした会話が多く、英語入門者も聞き取りやすいです。

Aggretsuko(2018)- アグレッシブ烈子

サンリオが生んだキャラクターたちをモデルにしたアニメが世界でスマッシュヒット。上司のパワハラや同僚の愚痴にストレスを抱えるレッサーパンダのOL烈子が、イライラの頂点に達したときにデスボイスで絶叫する姿は圧巻。オフィス英語も学べます。

The Way of the Househusband(2021)- 極主夫道

大ヒットコミック待望のアニメ化。生真面目な元極道が、危険に満ちたかつての暮らしを捨て、専業主夫の道を極めて奮闘する日々にクスっと笑えます。そんなハートウォーミングコメディー作品で楽しく英語レッスン。

Japan Sinks: 2020(2020)- 日本沈没 2020

小松左京の大ベストセラー小説を原作に、天才アニメーター湯浅政明監督が手掛けた世界的な超話題作。2020年の日本を舞台に、ダイナミックな映像表現で未曽有の天変地異を描き切ります。イッキ見必至。

Resident Evil: Infinite Darkness(2021)- バイオハザード : インフィニット ダークネス

世界で1億1000万本以上を売り上げたサバイバルホラーゲームの金字塔「バイオハザード」が初の連続CGドラマシリーズに。7月8日に全世界独占配信される期待の一作です。

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年8月号特集の内容を再構成したものです。

長谷川朋子(はせがわ・ともこ)コラムニスト。国内外のドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。業界で権威ある「ATP 賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、日本で唯一のコンテンツマーケットTIFFCOM2020専門家構成員を歴任、業界セミナー講師、行政支援国際プロジェクトのファシリテーターなども務める。