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「あざとい」は英語でなんて言う?日本×ネイティブの4人で徹底討論!

「あざとい」は英語でなんて言う?日本×ネイティブの4人で徹底討論!

近年、日本では「あざとい」が悪い意味だけでなく、いい意味でも使われるようになってきましたが、海外ではそもそもどのように考えられているのでしょうか?英会話講師のサマー・レインさんが、日本・海外のゲスト3人(Koさん/Kyokaさん/Takさん)と共にオンライン討論会を行いました。今回は「日本語の『あざとい』とはどんな人?」について討論します。

日本語の「あざとい」はマイナスの意味ではない?

Summer: So, the first question is about the (1)definition of “azatoi” in Japanese and how it has recently started to (2)shift from a negative one into a positive one. In the past, it meant someone who was (3)calculating, but now can (4)refer to someone, I (5)defined it as “clever in their (6)interactions with others.” But there are other (7)connotations to the words[word], it seems, such as “burikko,” (8)etc. Um, I’d like to ask you guys, what does an azatoi person look like in Japan?

Kyoka: It’s a really difficult word, because it’s like a cultural word, isn’t it? If, if you see it in America or, like, if you say it in other countries, it has their own culture within it, so . . . It’s really hard, definition, but I think we all can agree that this word basically means “being cute.” Right?

Tak: It’s pretty much the same as being cute, but I’m thinking, like, azatoi is like being (9)overly cute, like an (10)exaggerated version of cute.

Ko: The word azatoi, it’s like somebody who’s kind of, like, calculating, they’re (11)sneaky. It can be, like, even at work, if someone’s trying to (12)move up in the job. Originally, it’s (13)not necessarily (14)gender specific, right? ’Cause I’m like Summer, I didn’t hear the word azatoi a lot when I was (at university in Japan), it’s actually kind of (15)pretty recently, mostly for this, ha-ha, kind of event.

Kyoka: Personally, azatoi (16)started off with the word of expressing, in, a certain type of (17)cute(ness). Like, if there’s lots of genres to choose. But then it was mostly known a—for girls because girls would (18)pretend to be, or show them, their cuteness in order to gain interest. I think Tak said, it’s like an over-calculated thing in the beginning, but now it’s not like a calculation, it’s more of something that’s fun, that everyone’s enjoying to do. In particular, it’s like “ensyutsu,” if you say it in Japanese — it’s really hard to express this in English. It’s a way of expression of[for] acting, as cute. So if they’re doing it naturally, it might not be azatoi. It might be a certain overly dramatic . . . It’s like, “Oh, this person’s like an anime character.” For, for example, like you’d say it in America, and in English, I’d say to you “This girl’s a really, cutie. She’s a (19)bubbly person.” It would be kind of the same thing, but in Japan, they’d say “tennen.” So it’s like a natural expression. For example, though, that’s like a habit. But azatoi would be really (20)on purpose.

サマー:では最初の質問は、日本語の「あざとい」の定義、そしてこの言葉が最近、どのようにマイナスの意味から肯定的な意味へ変化し始めているか、についてです。以前は計算高い人を意味していましたが、現在はほかの人を指すことができて、私の定義では「人との交流が巧み」です。でもこの言葉には別の含みがあって、「ぶりっこ」などのようなものですね。皆さんに聞きたいのですが、日本であざといと見られる人はどんな人でしょうか?

京香:すごく難しい言葉ですね、というのも、これって文化に関係する言葉ですよね?アメリカで見た場合、またはほかの国でこう言うと、それぞれ独自の文化があるので・・・とても難しい定義ですが、この言葉は基本的に「かわいいこと」を意味するというのは、皆さん同意してくれると思うのですが、どうでしょう?

タク:かわいいこととほとんど同じ意味ですね、でも僕が思うに、あざといは過剰にかわいいことみたいなものじゃないかと、かわいいの大げさなバージョンというか。

コウ:あざといという言葉は、打算的な感じの人じゃないでしょうか、陰でこそこそするような。職場にもいたりしますね、出世狙いの人なら。もともとは、必ずしもどちらかの性別に決まったものではなかったですよね?というのは、僕もサマーさんと同じで、あざといという言葉を(日本の大学にいるときに)それほど聞いたことがなかったので、実はどちらかというとごく最近ですね、ハハハ、主にこのような場で。

京香:個人的には、あざといは、ある種のかわいらしさを表す言葉から始まりました。例えば(自分の振る舞い方として)選ぶジャンルはたくさんあります。ですが、女の子の方でこれ(あざとい)がよく知られていたのは、女の子が(人の)関心を引くためにかわいいふりをしたり、かわいらしさを見せつけたりするからでは。タクさんが話したと思いますが、初めは計算し過ぎみたいなことだったのが、今は計算とかじゃなくて、楽しいことというか、みんながそれをするのを楽しんでいるのかなと。特に、これを日本語で言えば「演出」みたいなもので――英語で表すのはとても難しいですね。これはかわいく振る舞う表現の仕方です。だからそれを自然にやっている場合、あざといとは違うのかもしれません。それは少し大げさ過ぎるといいますか・・・「ああ、この子はアニメのキャラクターっぽいな」という感じで。例えばアメリカで、英語で「この女の子はとてもかわいい。明るい子だね」って言うとします。これは同じようなことかもしれませんが、日本ではそれを「天然」と言うでしょう。だから自然と出てくる表現のようなものです。例えば、その、習慣みたいなもので。でもあざといは、本当に狙っているのだと思います。

語注

(1)definition 定義 (2)shift from A into B AからBへ変化する (3)calculating 計算高い、打算的な ★後出のcalculationは名詞で「計算、打算」の意。 (4)refer to ~ ~に言及する、~のことを指す (5)define A as B AをBだと定義する (6)interaction 意思の疎通 (7)connotation 言外の意味、含み (8)etc. ~など (9)overly 過度に (10)exaggerated 大げさな (11)sneaky 卑劣な、こそこそする (12)move up in ~ ~で出世する (13)not necessarily 必ずしも~ない (14)gender specific 一方の性に特定した (15)pretty かなり (16)start off with ~ ~から始める (17)cuteness かわいらしさ (18)pretend to be ~ ~であるふりをする ★後出のcutieは形容詞で「かわいい」の意。 (19)bubbly 明るい (20)on purpose わざと、故意に ★後出のpurposefulは「意図した」の意。

映画に登場する「あざとい」キャラクター

Tak: So it’s a really (1)blurred line between a purposeful azatoi — like, someone who’s naturally like that. I think there’s a (2)thin line. But if you’re doing it (3)knowingly to get a certain, a goal, to achieve something, then maybe that’s considered azatoi. I think there’s not so much of a negative connotation to the word anymore. It’s not even a bad thing to be azatoi. I think it’s because there’s a lot of celebrities that are (4)categorized as azatoi, but they’re really (5)wellliked by both men and women, um, of all ages. So

Kyoka: A lot of J—people in Japan, I guess, especially the celebrities, do it often. And I think the word azatoi really got its word, when it started off with the idol community, because it’s really well-known to the idol community.

Tak: (6)There’s no word for azatoi, obviously, but — or a burikko — I’m thinking, like, (7)Baby Spice (8)comes really close to that in popular culture. The Spice Girls, they have their different personalities, it’s like a really (9)manufactured character, but a lot of people like Baby Spice. In movies, too . . . I’m think—(10)Reese Witherspoon in (11)Legally Blonde k—kind of plays, like, a (12)ditzy, like, cute character but also really intelligent. I think those characters come close to burikko and azatoi. They’re still likable characters in North American culture, I think.

Ko: I don’t know about, if I can agree with you about Legally Blonde, because her character is, like, one of those kind of people who’s, like, a hundred percent, like, so I don’t know if she’s being calculating. For me, I would look at (13)Mean Girls, the movie, (14)Regina George’s character. “Oh, I love your bracelet!” (15)or something like that, she doesn’t really mean it. She’s just trying to get that person to like them — which is not a good thing.

タク:そうすると、狙ったあざといと――自然にそうなる人との線引きは非常にあいまいですね。紙一重だと思います。だけどもし何か目的があって、何かを手にしたいと思って、自分でそれを承知の上でやっているとしたら、それはおそらくあざといと考えられます。この言葉にはもうマイナスの含みはそれほどないのではと思います。あざといことは悪いことなんかじゃない。だって、たくさんの有名人があざといタイプに入れられると思いますが、彼らはすごく人気があるでしょう、男性からも女性からも、年齢も問わずにね。それで――

京香:日本では多くの人が、特に有名人はよく(あざといことを)やるでしょう。それと、あざといという言葉は実際のところアイドルの世界から始まったと思うのです、アイドルの世界ではすごく有名ですから。

タク:当然、(英語で)あざといに当たる言葉はありません――ぶりっこもありませんが――ポップ・カルチャーでは、ベイビー・スパイスがすごくそれに近いように思います。スパイス・ガールズはメンバーそれぞれに違った個性があって、それはよく作り込まれたキャラクターのようですが、それでもベイビー・スパイスが好きな人は多い。映画でもそうです・・・僕が思うに、『キューティ・ブロンド』のリース・ウィザースプーンは、おばかっぽくてかわいいキャラクターのようですが、すごく知的な役柄でもあるのです。こういったキャラクターがぶりっこやあざといに近いと思います。北米の文化では、彼女たちのようなキャラクターは今でも人気があるでしょう。

コウ:『キューティ・ブロンド』については賛成できるかどうかわかりません、だって彼女のキャラクターは(何をするにも)100%でやるっていうタイプだから、彼女が計算しているかはわかりません。僕なら、映画『ミーン・ガールズ』のレジーナ・ジョージのキャラクターかな。「わあ、すてきなブレスレットね!」とかいったことは、彼女の本心からではありません。ただその人に自分を好きになってほしいだけで――それには感心しません。

語注

(1)blurred はっきりしない (2)thin line 際どい境界線 (3)knowingly 認識して (4)categorize A as B AをBとして分類する (5)well-liked 好かれて (6)there’s no word for ~ ~を表す言葉がない (7)Baby Spice ベイビー・スパイス ★(1976- )。本名はエマ・バントン。イギリスの5人組女性アイドルグループ「スパイス・ガールズ」のメンバー。 (8)come close to ~ ~に近づく (9)manufactured 作られた (10)Reese Witherspoon リース・ウィザースプーン ★(1976- )。アメリカの俳優。 (11)Legally Blonde 『キューティ・ブロンド』 ★ 2001年のアメリカ映画。一流大学を舞台にブロンド女子学生が奮闘するコメディー。 (12)ditzy 間抜けな (13)Mean Girls 『ミーン・ガールズ』 ★ 2004年のアメリカ映画。高校が舞台のコメディードラマ。 (14)Regina George レジーナ・ジョージ ★映画『ミーン・ガールズ』の登場人物で、セレブ女子グループのリーダー。 (15)~ or something like that ~とかそのような

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※本記事は、『ENGLISH JOURNAL』2021年6月号特集の内容を再構成したものです。

翻訳:吉田章子

サマー・レイン(Summer Rane)

サマー・レイン(Summer Rane) アメリカ、シアトル出身。早稲田大学卒業後、東京大学大学院で研究を行い、現在はスタンフォード大学大学院言語学博士課程在籍。10年以上の英会話講師としての活動を基に、英語教材の執筆や、YouTubeで英会話コンテンツを配信中。
「サマー先生と英会話!」https://www.youtube.com/channel/UC91qteXE1f8puKS8lEBRUhw
「サマー先生のなりきり英語音読」https://www.youtube.com/channel/UCZMf6bG2KyIgr8v_UylBITg