2024年最新版!英検・TOEICなどのCBT方式5つを徹底比較

最近、試験にコンピューターを使う「CBT方式」が注目されています。しかし、英検S-CBT、TOEICオンライン、TOEFL iBTなど種類が豊富なため、違いがわかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、主要な英語資格・検定試験の「CBT方式」を2024年の最新情報をもとにわかりやすく比較します!

さらに高まる英語資格・検定試験のニーズ

グローバル化が進み、キャリアアップや海外留学において英語力を証明する資格や検定試験のニーズは2024年もますます高まっています。企業の採用試験や大学の入試、また転職や昇進の際にもスコアが重視されることが多くなり、より効率よく受験できる試験形式が求められるようになっています。さらに、リモートワークの拡大やデジタル化の影響で、CBT方式を採用する試験が増え、選択肢が広がっています。

そもそもCBTって何?

試験の方式には PBT、CBT、IBT などがあり、それぞれの特徴は以下の通りです:

  • PBT(Paper Based Testing):紙と鉛筆で問題を解く従来の試験形式。

  • CBT(Computer Based Testing):コンピューター上で解答する方式で、受験者がパソコン画面上で問題を解きます。

  • IBT(Internet Based Testing):インターネット経由で問題が提供され、インターネットを介して解答も送信される方式です。

従来のテストは紙のPBT方式が主流でしたが、最近は英語のテストをはじめ、 簿記試験や漢検でもコンピューターで受験するCBT方式ができました。

CBT方式は、従来のPBT方式よりも座席間の間隔が取りやすいなどの利点があり、コロナ対策の観点からも注目されています。また、自宅受験が可能な試験もあり、利便性が大幅に向上しています。

IBT方式はインターネット経由で問題などが送られてきて、解答もインターネットで経由で送り返すやり方ですが、IBTもコンピューター上で問題を解くため、広義ではCBTと同じ意味合いになります。

CBTはその特性上、試験会場が比較的コンパクトであること、座席の両サイドがパーテーションによって区切られていること、前方のコンピューターに向かって試験を行うなどの特徴があります。

主要なCBT方式の英語資格・検定試験5つを徹底比較

(1) 英検S-CBT

2021年に英検S-CBTと英検CBTが統合され、1日で4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)を測定できる英検S-CBTとして再編されました。従来の紙試験では一次・二次試験の2日間に分かれていましたが、CBT方式では短期間で全ての技能を測定できる点が特徴です。また、2024年12月からは海外でも試験が実施されるようになり、選択肢がさらに広がりました。また、ライティングは手書き対応が可能なため、タイピングが苦手な受験者にも配慮されています

  • リリース年度:2018年(2021年に統合)
  • 実施団体:公益財団法人 日本英語検定協会
  • 検定料(2024年時点):準1級 10,600円、2級 9,700円、準2級 9,100円、3級 7,800円
  • 実施時間:準1級 135分、2級 125分、準2級 120分、3級 105分
  • フィードバック:合否は約1カ月後に確認可能。各級に対する成績表が送付されます。
  • 特徴:スピーキングは録音方式で、リスニングもヘッドセットを使って受験するため、集中しやすい環境が整っています。
  • ウェブサイトhttps://www.eiken.or.jp/s-cbt/

(2) TOEIC Program IPテスト

IPテストとは「Institutional Program」の略で、団体特別受験制度のこと。公開テストとは異なり、企業や教育機関が実施団体となり、試験の申し込みの取りまとめから、運営・実施までを行います。TOEICでは、テレワークの推進やオンライン授業の導入を受けて、 IPテストで従来型のマークシート方式と、オンライン方式が選択できるようになりました。 オンライン方式はCAT(Computer Adaptive Test=受験者の回答に応じて出題する問題が変わるテスト方式)の仕組みを取り入れることで、 リスニング&リーディングのテスト時間が1時間と短いこと(マークシート方式は2時間)、場所や時間を選ばずに受験できること がウリです。AI監視システムやZoomによる監視オプションも導入されており、不正行為対策も強化されています。また、スコアはテスト終了直後にオンラインで確認できます。

  • リリース年度:2020年
  • 実施団体:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
  • 受験料(2024年時点):TOEIC L&R: 4,230円
  • 実施時間:1時間(リスニング約25分、リーディング約37分)
  • 特徴:インターネット環境があれば、自宅や指定の場所で24時間実施可能。
  • フィードバック:従来のTOEICと同様のスコアで評価され、オンラインで確認可能。
  • ウェブサイトhttps://www.iibc-global.org/toeic/corpo/guide/online_program.html

(3) GTEC CBT

ベネッセが提供するGTEC CBTは、4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)テストで、学年に関係なく絶対評価のスコアが得られ、大学入学者選抜や企業での活用が進んでいます。CBT方式ではCAT機能を採用し、受験者の英語力に応じて問題が切り替わるのが特徴です。ちなみにGTECは「Global Test of English Communication」の略。

※ここではGTECウェブサイトに準じて、受験ではなく「受検」の字を用いています。

  • リリース年度:2014年
  • 実施団体:株式会社ベネッセコーポレーション
  • 受検料(2024年時点):9,900円
  • 実施時間:約2時間55分(リスニング約35分、リーディング約55分、ライティング約65分、スピーキング約20分)
  • フィードバック:スコアは約5週間後にオンラインで確認可能。スコア証明書も郵送されます。
  • ウェブサイトhttps://www.benesse.co.jp/gtec/fs/

(4) IELTSコンピューター版

コンピューターで受験できるIELTSのCBT方式です。従来型(紙)と同じ試験内容で、リスニング、リーディング、ライティングはコンピューターで回答しますが、スピーキングは試験官との対面で行われます。時間配分は従来の紙形式と同じペース(リスニング30分、リーディング60分、ライティング60分、スピーキング11~14分)で進行します。ちなみにIELTSは「International English Language Testing System」の略。

  • リリース年度:2019年
  • 実施団体:日本のIELTSはブリティッシュ・カウンシルと日本英語検定協会が共同運営
  • 受験料(2024年時点):25,380 円(税込)
  • 実施時間:約2時間45分(リスニング30分、リーディング60分、ライティング60分、スピーキング11~14分)
  • フィードバック:試験日から3日~5日目以降にオンラインで結果確認が可能
  • ウェブサイト: https://www.britishcouncil.jp/exam/ielts/test-dates-fees-locations/paper-computer

(5) TOEFL iBT

「TOEFLR PBT」(日本では2007年に廃止)、「TOEFLR CBT」(全世界で2008年に廃止)を経て、現在のTOEFLの公式テストは「TOEFL iBT」(Internet Based Testing)のみ。TOEFL iBTはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能を測定する試験で、アカデミックな英語能力を評価するものです。ちなみにTOEFLは「Test of English as a Foreign Language」 の略。

  • リリース年度:2006年(日本でのCBTは2000年から)
  • 実施団体:CIEE Japan
  • 受験料(2024年時点):US$245(為替レートにより変動あり)
  • 実施時間:約3時間(リーディング54~72分、リスニング41~57分、スピーキング17分、ライティング50分)
  • フィードバック:約6日後にスコア確認が可能。スコアレポートもオンラインでダウンロードできます。
  • ウェブサイト:https://www.ets.org/jp/toefl/test-takers/ibt/about

CBTのメリット・デメリット

メリット

◆ CAT(Computer Adaptive Test)の仕組み、つまり受験者の英語力に応じて問題が切り替わる技術を用いている場合は、短い時間で効率よく試験が受けられる。
◆個人のヘッドセットでテスト音声を聞くことができ、音の大きさも自分で調整可能なので、よりよい環境でリスニング問題に取り組める。
◆ テストによっては、受験後に短期間で結果の確認が可能。
◆ テストによっては、自宅での受験も可能。
◆テストによっては、実施直前まで申し込むことが可能。
◆ テストによっては、従来型(紙)の方式よりも多くの試験日程から受験できるため、自分の都合に合わせやすく、受験機会を増やしやすい。

デメリット

◆コンピューターの操作に慣れていないと、受験が難しい場合がある(特にライティングのタイピングなど)。
◆テストによっては、試験会場が限られている。
◆PBT(紙のテスト)より受験料が安いわけではない。PBTより高い場合もある。

まとめ

今回は5つの英語資格・検定試験の比較をしました。CBTのメリット、デメリットを理解して、自分の現状や目的に合ったものを選びましょう。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

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