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うなずき過ぎはNG?外資系面接で自分をアピールする方法

外資系企業の面接を攻略

外資系企業が求めているのはどんな人材なのでしょう。GE、モルガン・スタンレーなどの外資系企業に人事部長として25年在籍し、1万人以上を面接した経験をもつ鈴木美加子さんが、英語力に加えて求められる資質を教えます。

外資系面接で気を付けたい4つの動作

前回は英文履歴書の書き方についてお話しましたが、書類選考に通ると、次に待っているのは面接です。面接官が外国人の場合は自動的に最初から英語での面接となり、日本人の場合は日本語で始まった面接が、途中で英語に切り替わる場合もあります。まず面接中の動作で気を付けたいことを4つ挙げます。

1.アイコンタクト

候補者がどのくらい英語に慣れているか、面接官はアイコンタクトを通して見抜く場合があります。英語圏はアサーティブな文化圏で、相手の目を見てコミュニケーションを取るのが基本です。現職が日本企業の場合は、相手の目をあまり見ないのが普通かもしれませんが、ここが大きな違いです。

面接をスタートして10分くらいで、なにか違和感を感じた場合は、候補者がうまくアイコンタクトできていないことが多いです。面接官はそれに応じて、英語面接へと切り替えることもあるでしょう。英語慣れしているかどうかを試すのです。

日常のコミュニケーションでアイコンタクトを取る習慣がない人は、話している言語に関係なく、まずはアイコンタクトの練習しましょう。最初は相手の目を見ることができなくても、意識することで少しずつ出来るようになります。友人・家族に相手役を頼んで、アイコンタクトが取れる状態にしてから、面接を受けてください。

2.うなずき過ぎない

日本語でうなずくのは、「あなたの話を聞いています」というサインです。共感を示すためにうなずくわけですが、文化が違う英語圏でうなずくことは「あなたの話に同意します」を意味します。

例えば、話の内容は“No”と相手に伝えようとしているのに、ボディランゲージでうなずき過ぎると、相手はYESなのかNOなのかわからず混乱します。うなずき過ぎていても“No”を英語で明確に伝えられれば問題はありませんが、そこまでの英語力が無い場合は、うなずき過ぎる習慣を直した方が早いです。

日本語を話している時にうなずく回数の1/4くらいをメドに、英語ではうなずくのが適量と、ビジネス英語の著者に言われたことがあります。面接が英語になったときに、うなずき過ぎる候補者は英語に慣れていないことが一瞬で露呈するので注意が必要です。

3. オープニングで笑顔を繰り出す

適性検査で「内向的」と出る方は、外資の面接では少し不利です。部署やポジションにもよりますが、一言で言うと、明るくハキハキしている人が好まれるからです。第一印象が暗いのはいただけません。そうは言っても性格を一晩で変えるのは無理ですし、変える必要はありません。

特効薬は、最初に「XXです、よろしくお願いいたします」と挨拶するときに、一回でいいので笑顔を繰り出すことです。第一印象は大切です。「暗いなぁ」「人づきあいが悪そう」と瞬間的に思われたら、その印象が尾を引きます。ネガティブなイメージが作られる前に、笑顔で打ち消しておきましょう。

性別問わず男女に当てはまります。感じがいい人を装うために、出だしで笑顔を作りポジティブなイメージを演出します。普段、笑わない人にとっては少し苦痛かもしれませんが、ここは外資の面接なのでパフォーマンスが必要です。

4. 自信を持って堂々と

外資はアサーティブな人材を求めていますし、「能ある鷹は爪を見せる」ことが重要です。「自分が責任者だったわけではないのですが・・・」「少し納期が遅れたのですが」などの枕詞は不要ですし、マイナスに働きます。もちろん横柄なのは良くないですが、自信なさげに面接で見えることは避けたいです。ここではハッタリ力が必要と、100点を120点に見せるつもりで臨んでください。100点を90点に謙遜することは求められていません。

また動作での注意点にプラスして指摘しておきたい意外な落とし穴は、「英文履歴書に書いたことはすべて答えられるようにしておく」です。

面接をしているとたまに、英文履歴書に書いてあることの詳細を聞くと答えに詰まる方がいて驚きます。誰かに代行して英文履歴書を書いてもらったのだろうかと疑いそうです。最近の職歴に関しての質問は問題無い事が多いですが、10年以上前の職歴について返事ができない候補者はたまにいます。

採用する企業が新商品の導入を考えていたとして、次のような質問をすることはありえます。「AA物流でお客様に新しいサービスを提案されたとありますが、具体的にはどんなサービスだったのでしょうか?」

当然、面接官は回答を期待していますが、答えが返ってこないことがあるのです。

理由としては、「時間が経過していて咄嗟に昔の仕事の内容を思い出せない」「 履歴書には書いたものの、中身が伴う大きな提案ではなかった」が考えられます。 いずれにしても、面接官の質問に答えられないのはマイナスに働くので残念です。

提出した英文履歴書を良く読んで、何を聞かれても困らないようにしておきましょう。もし記憶が定かでない場合や、詳しく聞かれて困る箇所は削除がお勧めです。

英語面接の答え方

1. 自己紹介で地頭の良さをアピール

それでは、本題の英語面接での答え方に入ります。

面接の冒頭で「簡単にこれまでの経歴をご自分の言葉で説明してください」と言われたら、地頭が試されていると思ってください。履歴書を送っているのに経歴を今さら聞くのはなぜ?という感想を抱くかもしれませんが、面接官の質問には必ず意図があります。

自分の経歴を端的にわかりやすく説明できるかどうかは、イコールIQの高さに繋がります。この最初の質問の答えでつまづくと、面接官にネガティブな先入観を与えます。これまでに経験したよくない実例を挙げます。

a) 説明が回りくどく、同じようなことを繰り返して話していた

ロジカルであることを求める外資の面接で、避けたいコミュニケーション・スタイルです。「端的に明確に」が大事です。

b) 職歴が長い候補者が、新卒時代から1社ずつ丁寧に話すので話が長過ぎて途中で遮らざるを得なかった

経歴説明に時間を取り過ぎると、面接が進まないので時間配分に配慮しましょう。採用する側の立場に立つと、知りたいのは直近の10年、特に直近2社で何をしていたかです。大学卒業したてで専門分野がなかった頃の話を延々と聞いても、現在、どのくらい即戦力になるのか判断できません。

人事のキャリアを想定したサンプル回答が下記です。

Can you briefly explain your background?

I joined P&G Japan after graduating from university and embarked on my HR career. I was an assistant and a generalist. I moved to Goldman Sachs Japan as a training manager and developed the section from scratch. I needed to start with a training needs assessment before deciding which training programs the Japan entity needed.

Four years later, I joined Vickers Asia Pacific, which covered 13 Asian countries. I coordinated a merit increase process and also helped with recruiting. The job was rewarding and entailed a lot of overseas travel. It was unfortunate the company merged with another U.S. company and a great number of employees lost their jobs as a result. Moving to Eli Lilly Japan as an HR manager, I became responsible for all aspects of HRwith the exception of Employee Relations. While there, I achieved two major accomplishments: discontinuing the seniority-based compensation program and leading a huge merger.

経歴を簡潔に説明してください

大学卒業後、P&Gジャパンの人事部で、アシスタントとしてジェネラリストのキャリアをスタートしました。

その後、ゴールドマンサックスの研修担当マネジャーに転職し、研修部門を一から立ち上げました。ここでは、研修ニーズの検証から始めました。

4年後に13カ国を統括するヴィッカーズ・アジア・パシフィックに転職し、昇給プロセスのコーディネーションや採用活動をサポートしました。海外出張が頻繁にあり、多くの経験が積める仕事でした。アメリカの他の企業と合併し、多くの社員が失職したのは残念でした。その後、日本イーライリリーに人事マネジャーとして転職し、労務以外の仕事の責任者をしています。年功序列型の賃金制度の廃止と大きなM&Aを遂行したことの2点がこれまでの業績です。

2. 志望動機

志望動機は重要です。どれくらいの熱意を持って志望しているのかが、すぐわかるからです。本当に入社したい会社での面接は、なんと答えるのかよく返事を練りましょう。採用担当の目線では、「今の職場で学べることがこれ以上無くなり、会社に対しても十分貢献したと思えるので、成長を求めて次のステージに進みたい」が100点の解答ですが、全員に当てはまるとは限らないので工夫してください。

サンプルを挙げます。

The reason why I would like to join your company is that I want to advance my career. I am a marketing specialist with my current employer. Given my boss has been working for the company for 17 years, I doubt there will be any opportunity for me to step up to her position. I like my current employer and love my job, but my only chance for professional growth is to seek a job elsewhere.

御社への志望動機は、ステップアップしたいからです。現職はマーケティング・スペシャリストで、上司は同じポジションに17年留まっており、多分このまま転職しないと思います。私がステップアップしたいと思ったら、外部に出るしかない状況です。

初めての英語での面接のときは特に、想定質問を考えておきましょう。自分の回答については、細かくシナリオを練り過ぎるとふとしたきっかけで出てこないときに慌てふためくことになりやすいです。見出しレベルで何を答えるか考え、シナリオを用意しないで返事をする練習を行うと、面接当日の振る舞いが自然になります。

英語での面接で重要なことは、「自信があるように見せる」「短くロジカルに答える」「想定質問を考えた方がよいけれど、答えの筋書きを練り過ぎない」です。

『英文履歴書の書き方・英語面接の受け方』を3名様にプレゼント

この本の特徴は、想定質問と答えがセットで掲載されているほかに、候補者が「何か質問はありますか」と聞かれたときに使える質問集、それに対する面接官の答えで企業文化をどう読むかが書かれているところです。また英文履歴書のパートでは、悪い例の解説から入り、修正を入れた後の良い例が9例掲載されています。「なぜ悪いのか」がわかるので、部署に関係なく応用できるはずです。

抽選をご希望の方は、件名を「『英文履歴書の書き方・英語面接の受け方』の抽選(ENGLISH JOURNAL ONLINE)」として、

・名前

・メールアドレス

・本書に興味を持った理由

をメールに明記して、2021年4月30日(金)までにinfo@atglobe.jp宛てにお送りください。

鈴木美加子

鈴木美加子(株)AT Globe代表取締役。 GE、モルガン・スタンレーなど外資出身の元・人事部長。外資への転職エキスパート。 TOEIC 960点・英検1級。
グローバル人材を育成するオンラインサロン:https://bit.ly/2UuA5n1
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