洋書で英語学習?洋書は「エンタメ」だ!人生の楽しみが増える3つの理由

洋書で英語学習?洋書は「エンタメ」だ!人生の楽しみが増える3つの理由

「洋書を読む」のはハードルが高い?通訳者として活躍する川合亮平さんが、ユーモアたっぷりに洋書の魅力を語ります。

洋書を読むと起こる3つの良いこと

こんにちは、通訳者の川合亮平です。僕はエンタメとして洋書を日々楽しんでいます。

自分は読書家、と言えるほど大したことは全然ないのですが、とにかく洋書大好きっ子を自称する僕の洋書の楽しみ方を、ざっくばらんにシェアしていきます。洋書、興味はあるけど敷居が高い、と躊躇してるあなたにも、三度の飯より洋書、なあなたにも、この連載記事を読んでいただき、結果的に、「洋書って(やっぱり)イイね」と思ってもらえれば本望です。

全3回の連載の今回は第1回です。リラックスしてお付き合いください。

洋書って最高のエンタメだったんだ

僕は英語力を上げることに対して、執着心を持っています。なぜかはわかりませんが、もうかれこれ20年以上、しつこく執着しています。

「洋書を読む」という僕の習慣は、そもそも「洋書を読むことは英語力アップに効くらしいぞ」というモチベーションがあり、20年以上前に始めたことです。(あ、大阪地下鉄で谷町線でペーパーバックを読んでるとカッコいい、という至極浅はかなモチベーションも間違いなくありましたが)

洋書を読みだした当初は、その行為(読書)自体を楽しむというよりはむしろ、英語力アップのトレーニングとして自分に課していた、という感じです。

でも、僕の洋書に対するそのような姿勢は、ここ数年で様変わりしました。

今でももちろん英語力を上げるために読んでいる部分はありますが、単純に、「楽しいから」「オモロイから」「興奮するから」読んでいる、という部分が随分大きくなった。「書店の洋書セクションにやってきたぞ。なんか興奮してきたな」という感じです。(サンドウィッチマン流に表現するなら)小学生が学校から帰宅するやいなや、ランドセルを放り出して、ニンテンドースイッチで『フォートナイト』を友達と遠隔プレーするのと感覚的には一緒のノリで、僕は洋書を読んでます。

“洋書で学習→洋書はエンタメ”、そのような心境の変化はなぜ起こったか?

徐々に読解力が増していった、など、理由は複数あると思いますが、大きな理由はシンプルに、“めっちゃオモロイ本に出会ったから”です。(または、楽しいと思う読書体験値がたまってきたから、とも言えます)

“まあまあ”な映画しか観たことのない人が、映画ファンになりにくいように、血湧き肉躍る洋書の読書体験がない人は、洋書ファンにはなりにくいのではないでしょうか。洋書にのめり込む要素として、ひとまず「なにこれ、おもしろー!」な一冊に出会うことがとても大切だと実感しているわけです。とうことで、この連載における僕からあなたへの最初の(そして重要な)メッセージは、

あなたの好みにぴったりくる一冊は絶対あります!だから、諦めずに探し続けよう!です。

そんな一冊に出会う方法、具体的な洋書の選び方については、次回第2回目の連載で詳しく語りますね。(焦らすつもりはまったくないのですが)その前に、もう少し俯瞰の視点で、“洋書を読むことで起こる素晴らしきこと・得られる恩恵”、について書かせてください。取りあえず代表的なものを3つ挙げてみます。(別に3つに限定しなくても10個でも20個でも恩恵は多い方が良いと思いますが)

洋書を読むと起こる3つの良いこと

1.洋書を読むと気分爽快!

bibliotherapy(ビブリオセラピー)という言葉をご存じですか?日本語では“読書療法”というふうに訳されることもあるようです。英国では2013年頃からメジャーになりだした概念です。

僕は詳しいわけではないですが、ビブリオセラピーとは要は、『本を読むことで精神的に良い効果がもたらされる』ものだと理解しています。ストレスの軽減や、落ち込んだ気分を改善させる効果が報告されています。

英国ではこれまで累計で120万人が、bibliotherapy(ビブリオセラピー)の指定図書を“処方”された、というデータもあります。まあ、ことさらbibliotherapyという概念を持ち出さないまでも、小説の世界にいる間だけは、現実世界のあれこれを忘れられて気持ちが切り替えられる、というのは少なくない数の人が体験していることではないでしょうか。

目の前の日常が煮詰まり気味でも、読書ブレイクを生活の一部にすることで、精神的に有意義な気分転換効果がもたらされるんですね。

事実として、長期の厳しいロックダウンが課せられ、日々の煮詰まりを感じた人が多かったとされる英国では、2020年の書籍売上が、ここ8年間で最高値を記録したそうですよ。(参照:英国メディアThe Guardianの報道:Book sales defy pandemic to hit eight-year high)「人々が本能的に本の世界に癒やしを求めた結果」と、英国大手書店チェーンWaterstonesのスタッフの方はおっしゃっています。

個人的にも洋書読書による気分転換効果は日々実感しています。例えば、通訳で頭脳を全力疾走させたあと、仕事終わりに好きな洋書を読むと良いクールダウンになるんですよ。「あそこ、全然うまく訳せなかったな〜(うじうじ)」などとあれこれ悩まず、洋書の異世界に逃げ込めるわけです。(参照:bibliotherapyについて詳しく知りたい方は、BBC Radio 4の「Bibliotherapy: the power books have to heal you」を聞いてみてください)

2.洋書を読むと英語力が間違いなく上がる!

どんな言語であれ、国語力は読書によって培われる、というのは僕の中では揺るぎない思想なんですが、いかがでしょうか。英語力って、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングというように、“4技能”に分けて考えられることも少なくありません。それぞれの能力を特化して伸ばす方法もいろいろあると理解しているんですが、全体の実力・底力を着実に伸ばしていく方法は、とにかく英文を大量に読むことだと僕は実感しています。(と、同様のことを、夏目漱石氏や村上春樹氏といった僕が敬愛する小説家の方々もおっしゃっています)

20数年前、僕がオーストラリアにド短期語学留学した際、最初の授業で、主任ベテラン講師の方から教わったことがいまだに僕の指針として強烈に残っています。 彼女は、「皆さんがこれから、英語力を確実に上げていきたいと思うなら、重要はことは1つしかありません」という前置きの後、ホワイトボード全面をいっぱいに使い、以下のように書きました。

READ, READ AND READ

3.洋書を読むと人生の楽しみが1つ増える!

洋書の装丁って、妙にすてきじゃないですか?ハードカバーでもペーパーバックでも。所有物としての価値を感じられる、というか。本棚に洋書コレクションが増えていくのは、生活が少しずつ少しずつ豊かになっていくような感じもします。

あと、お気に入りのシリーズ物や、大好きな著者がいる場合、最新刊が発表された時の喜びとかワクワク感、期待感を味わえるというのは、人生のささやかな楽しみになり得ると思います。(少し前の話ですが、ハリポタの最新刊が発売されるたびに、英国の本屋で長蛇の列ができた現象。そして、そこにワクワクした面持ちで並ぶ老若男女。あの感じです)

日本語に訳されてから読む、のも当然アリなんですが、原書でいち早く読めるのには、やっぱり優越感を禁じ得ないのではないでしょうか。そもそも、その本が日本語に訳されないかもしれない、という可能性もありますしね。

軽やかに洋書の世界へ飛び込もう

いかがでしたでしょうか。連載第1回では、僕が感じている洋書読書の魅力についてあれこれ書いてみました。 次回第2回目は、「洋書の始め方・選び方」をメインテーマに書いてみます。

また次回お会いしましょう。川合亮平でした。

 

P.S. 2020年のマイベスト1と、今読んでいる洋書

2020年のマイベスト1

『Nightshade (Alex Rider)』Anthony Horowitz

Nightshade (Alex Rider)

Nightshade (Alex Rider)

 

この連載でもその名前を度々出すことになると思いますが、僕の大好きな作家アンソニー・ホロウィッツ氏。彼の代表作でもあるアレックス・ライダーシリーズの最新13作目で、2020年に刊行。僕は氏がここ数年発表し続けている大人向けミステリー作品群のとりこになりました。こちらはどうかな?と思いながら読み始めたのですが、期待を上回る内容で大いに楽しみました。難しいことは置いておいて、とにかく超一流のエンタメ作。疾走感のあるスパイ・アクション・アドベンチャー活劇です。

※英語は比較的容易です。

 

今読んでいる洋書

『Klara and the Sun』Kazuo Ishiguro

Klara and the Sun: Sunday Times Number One Bestseller

Klara and the Sun: Sunday Times Number One Bestseller

  • 作者:Ishiguro, Kazuo
  • 発売日: 2021/03/02
  • メディア: ハードカバー
 

カズオ・イシグロ氏の2021年3月発売の最新刊。多くは語りますまい。かなり良い感じですよ!とだけ伝えておきますね。半分くらいまで読んで、thoughtful, atmospheric and somehow mysterious、という感想です。

※英語は比較的容易です。

※【注目情報】3月中旬の時点で、『Klara and the Sun』のオーディオブックが、なんと、 BBC Soundsのサイトで無料公開されています。 たぶん期間限定で、予告なく聞けなくなると予想されますので、ご興味ある方は早めに聞かれるのをおすすめします。→https://www.bbc.co.uk/sounds/series/m000sy2k

『Klara and the Sun』Kazuo Ishiguro

書店の洋書セクションに入ったとき、または英国で本屋さんに入ったときなんかは、スイーツ食べ放題のお店にやってきた女子高生くらいの胸のときめきを感じます。

 

次回は2021年4月29日(木)に公開予定です。

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川合亮平

川合亮平通訳者。エディ・レッドメイン、ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、エド・シーランなど、俳優・ミュージシャンの通訳・インタビューを多数手掛ける。関西のテレビ番組で紹介され、累計1万部を突破した『「なんでやねん」を英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・監修書は現在11冊。
イギリス関連の記事:https://www.british-made.jp/author/kawai